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comafumi
絶対【400字小説】
バカなんじゃないの?!
「きみたちには無限の可能性がある」
ってウチダ先生が。
春になったら中学生になるから、
そんなことあり得ないって、わたしは。
まあ、男子は
そんなンじゃないみたいだけどね。
特にわたしが片想いしている
ソウタくんは、目をキラキラさせて。
ウチダ信者だからな。
12歳のわたしたちにとって
担任の先生の影響力は絶大だから、
わからないこともないけれど。
わたしはウチダ先生が
悪い大人の手先だって知ってる。
幼いなあって片想いもその相手も。
わたしがソウタくんを好きなのは
ナンデカわからない。
クラスにはもっとイケメンもいるし、
やさしい男の子もいるのに。
なのにドシテ?!
卒業文集委員のわたしは、
ソウタくんの原稿を
こっそり読ませてもらった。
プロサッカー選手になりたいって、
しかもワールドカップに出て
優勝するって、ハンパない。
勉強が苦手だから、
そんなこともわからないって気の毒。
ウチダ中毒な彼が
かわいそうで、好き。
❏❏❏