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【血の粥】海、買春、入れ墨(33)

コバートが呪術師になるためには《ことほぎの儀》で血の粥を飲むというしきたりが必要だった。ムラ長になったら一切遊べないからと、ムラ民が商人の案内でコバートをマチへ連れて行った。そこで大酒を飲み、幻覚を見る麻薬をやり、美しい女を買った。自分の身を清めると信じられている行為だった。コバートにはすべて初めてで最後のことだった。そんな少年の純真さを持った男がムラ長になるのは酷かも知れない。明日には彫り師に入れ墨をしてもらう。現在のムラ長は首に特徴的な炎の入れ墨を入れている。コバートは雷を想起させるそれを彫ってもらう。顔見知りの商人たちが果実や帽子、絵画や貝殻、怖い話や油を売っていた。海が見たいと突然、コバートは思って、わがままとは知りつつも、商人たちにそれを伝えた。馬車に乗って海へ向かう。二〇分ほどで海へ着いた。透明なエバーグリーンの海だった。海を見るのはもっと少年だった頃以来で、それはエコーと見た海。

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