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フェイダウェイ【400字小説】

ポストアップからのフェイダウェイ。ジョーダンか、それともコービーが上か。そんな話をしていたら「レブロンがいる」とPFのアオキが。「ジョーダンは芸術点高いよね」と切り返したのはPGのミヤベ。「ここぞって時のコービーの決定力!」とSGのトモミヤが言い返す。試合前、シューティングをしながら話してる。3人ともミスらない。「いつからポストアップしなくなったんですかね」「カリーが登場してから」「どうなるんかな、これからのNBA」「俺たちは日本のバスケを変える!」そう言ってフェイダウェイを放ったアオキのショットはリングに弾かれた。「ノビツキーを忘れてんのよ」と、リバウンドを獲ってアオキにパスしてきた顧問教師はガリガリで小柄だが、彼の片足フェイダウェイは生徒の誰にも止められない。全国トップクラスを以てしても。だから残酷なことに彼らには何も変えられない。まさしくノビツキーに打たれたら、見ていることしかできないように。

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