【書評】Google流 資料作成術

コール・ヌッスバウマー・ナフリック
日本実業出版社
2017/02/20

 教育の課題図書候補。デザインとテンプレート作成は私のバイブルである、パワーポイント スライドデザインのセオリーで確定。追加で表現面とSL作成の部分で良いものが無いか探していました。表現面は外資系コンサルのスライド作成術を第一候補にしていましたが、物理本しか持ってなかった、かつ先日部屋の整理のために売り払ってしまいました。迂闊。オライリージャパンのデータビジュアライゼーションの基礎も個人的にはよかったのですが、いかんせんページ数が多くて慣れていない人はゲンナリするでしょう。Pythonやら専門表現ができる技術書よりのものですし、ソースとなるデータも高度で研究者寄り。そしてこれも売った。オライリーの本は最も高く売れた。で、もうちょっとビジネス向けで、厳密さよりプレゼンを意図したやつが無いかなーと思っていたところで出会いました。

 まず表紙の副題が良いですね。「どんな複雑なデータでもシンプルで分かりやすく」。日本人はいかんせん引き算が苦手だと思います。研ぎ澄ましたコンセプトを際立たせ、余計なもの(この本ではクラター・ごちゃごちゃと表現します。)を排除して訴えたいことを一目瞭然にする。これができると、pptをわかっている人から見て良いスライドだ!と思ってもらえると思います。ビジネスプレゼンテーションの審美とは、画像が美しいのではなく理路整然として、シンプルで訴求力があることに尽きると思います。

 SL作成が主ではなく、スライドのボディの表現の仕方が軸足です。でもまずコンテキストを理解することとか、順序やストーリーも多少触れてもらっておりバランスが良い。ほとんど活字でも、伝えるのがうまい人はうまいんですね。表現面の課題図書はこれにしたいと思います。


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