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実用新案法17条の2 実用新案権の移転の特例

 本来は自分自身が実用新案権を取得できたのに、他人に勝手に実用新案権を取得された場合、権利の移転を求めることができます

 具体的には、本条で実用新案権の移転を求めることができるのは、共同出願違反の出願が実用新案権になった場合(ケース1)と、冒認出願によって実用新案権を取得された場合(ケース2)との2つです。

(ケース1)
 共同出願違反の出願が実用新案権になった場合、実用新案権者ではない考案者(共同考案者ではあるが、他の考案者に勝手に出願された考案者)は、自らが有するはずの持分を、実用新案権者に移転するよう請求することができます。

(ケース2)
 冒認出願によって実用新案権を取得された場合、真の考案者は、冒認出願して実用新案権を取得した者に対して、実用新案権の移転を請求することができます。

 本条の規定により権利が移転した場合、初めから移転後の人に権利が所属していたものとみなされます(実用新案法17条の2第2項)。これは、移転後の権利所属が正しいからです。


・実用新案法17条の2

(実用新案権の移転の特例)
第十七条の二 実用新案登録が第三十七条第一項第二号に規定する要件に該当するとき(その実用新案登録が第十一条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は第三十七条第一項第五号に規定する要件に該当するときは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者は、経済産業省令で定めるところにより、その実用新案権者に対し、当該実用新案権の移転を請求することができる。
2 前項の規定による請求に基づく実用新案権の移転の登録があつたときは、その実用新案権は、初めから当該登録を受けた者に帰属していたものとみなす。
3 共有に係る実用新案権について第一項の規定による請求に基づきその持分を移転する場合においては、第二十六条において準用する特許法第七十三条第一項の規定は、適用しない。

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