閃き💡劇場29

「坂下さんありがとう助かったよ」
「いやいや、困った時はお互い様だから～」
俺の名前は坂下信吾。
26歳のサラリーマンだ。
昔から両親に困った人を見つけたら助けてあげなさい。あとで必ずいいことあるからと言われてきた。
だから今みたいに困ってる人を見かけると助けている。何故なら、そうすることで皆が俺に優しくしてくれるし、得になることが多いからだ。

だが、そんなある日会社が倒産してしまい、無一文となってしまった。
住む家もなくなり、途方に暮れていると昔からの友人や昔の職場で一緒だった奴から住む家を提供されたり、仕事を紹介されたりして、八方塞がりだった俺の状況がすぐに解消された。
俺を助けた奴にどうして俺を助けたのかと聞いたら
「前に沢山助けてもらったから恩返ししたくて」と皆口をそろえて言ったのだ。
倒産した会社の同僚は仕事が見つからないと嘆いているのに俺はこんなに簡単に解決している。
人に優しくすると倍になって返ってくるというが、まさか本当だとは思ってなかった。
俺はこの出来事で両親が言っていた言葉の本当の意味を知る。
だからこそ、この幸運を皆に分かち合わなければいけないと思い、同期に俺が紹介されたが断った転職の話を紹介したりした。
すると皆が無事に仕事も決まり、俺も含めて皆幸せになっていた。
その様子を見て俺は幸せな気持ちになった。
それからいろいろあり、俺は会社を経営することになったが、変わらず困った人を助けたり、社員にもそれを教えて実践させている。そのせいか業績もうなぎ登りである。
自分のためでなく、人のために行動するとそれは自分の気持ちが豊かになり、周りも豊かになる。それが循環すれば世の中はもっと優しさに満ち溢れていくと俺は信じている。