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【「第1章」公開!】『無駄をスッキリさせて、人生の質を高める 時間デトックス』

「時間がない」状態から抜け出せないのは、時間の使い方を間違えているから。時間に対する「○○すべき」の思い込みは、自分が思っている以上にたくさんあります。それを手放し、「デトックス」するための考え方と行動のヒントを教える『無駄をスッキリさせて、人生の質を高める 時間デトックス』(吉武麻子)の第1章を一部抜粋して公開します!

「時間がない」が口グセになっていませんか?

7割以上の人が時間に追われている

「やらなきゃいけないことがまだあるのに、もう夕方! 時間がない!」
「疲れがたまっていて、週末はダラダラしがち。やりたいことに時間を使えない!」
「時間がないのに、気づいたらスマホを1時間も見ていた」

これらに、思い当たる節がありませんか?

「時間がない」という言葉をよく使っている自覚がある人も、「無意識のうちに使っているかもしれない」と気づいた人もいると思います。

皆さんおわかりの通り、時間には限りがあります。

しかし、時間は、お金のように目に見えて減っていくものではありません。また、今という一瞬が過ぎても、時間は当たり前のように絶えずあるように思えます。だからこそ、時間は価値あるものだと認識しながらも、ダラダラと過ごすなど、時間を無駄に使ってしまう経験は、誰しもあるのではないでしょうか?

あなたの「時間がない」のはなぜ?

そもそも、なぜ多くの人は「時間がない」と思うのでしょうか?

1日は24時間と決まっています。「時間がない」と思うのは、24時間で実際にできること以上に、やることを詰め込んでいるからです。

また、「時間に余裕があるはずなのにうまく時間を使えていない」と思う場合は、「何をしよう」と考えている時間が長いからです。情報量が多い時代だからこそ、選択肢も多く、決めるのが難しいともいえるでしょう。

一言で「時間がない」といっても、その背景には2つの要因があります。「『やりたいこと』がありすぎて時間がない」と「『やらなきゃいけないこと』がありすぎて時間がない」は、一見同じですが、実は似て非なるものです。

その違いは、時間のコントロール権を自分が握れているかです。「『やりたいこと』がありすぎて時間がない」は、自分にコントロール権があって自分で選んだ結果、時間に追われている状態です。一方「『やらなきゃいけないこと』がありすぎて時間がない」は、自分以外にコントロール権があって時間に振り回されている状態です。 

自分が選んだ結果なら、時間の使い方を見直せばいいだけです。24時間という箱に、やることをあふれるほど詰め込んでいるので、優先順位を見直し、やることを絞れば「常に時間に追われて、時間をコントロールできない状態」から抜け出せます。

しかし、他人にコントロール権がある場合は、時間の使い方を見直すだけでは根本的な改善にはなりません。他の人やもののせいで「やらなきゃいけない」と思っていたり、世間体や思い込みで「やらなきゃいけない」と思っていたりすると、主体的に動くことはできません。何のためにやるのかもわからず、ただ「こなす」だけで終わってしまいます。

「やらなきゃいけない」に苦しんでいませんか?

また、気持ちの面での違いもあります。「やりたい」には前向き、喜び、気軽さなど、ポジティブな気持ちが強い一方で、「やらなきゃ」には後向き、苦しさ、面倒など、ネガティブな気持ちが(どちらかというと)強くなります。

「やらなきゃいけない」というネガティブな感情のままでは、行動するにしても、乗り気ではないのに進まなければいけない、いわばブレーキをかけた状態でアクセルを踏むような状態です。

そのような「やらなきゃいけないこと」を抱え続けるとどうなるでしょう? 自分に負荷をかけ続けることになり、苦しくなることが想像できますね。だからこそ、「やらなきゃいけない」と思う背景をひもとき、適切な対応をするのです。

では、「やらなきゃいけない」と思う背景には、どのような思いがあるでしょうか?

・人に頼まれたから
・仕事はそういうものだから
・親や妻(夫)は、そうあるべきだから
・嫌われたくないから
・やりたいことをやるために必要だから

など、さまざまな気持ちがあります。

「時間がない」理由や背景は人それぞれです。まずは、この理由を明らかにしていきます。そして、「やりたいこと」に時間を使っていく意識を持ちましょう。

まずは、やることに対して「自分でコントロール権を握る」意識を持つことから始めます。「やりたいこと」に使う時間を徐々に増やしていきましょう。

「やりたいけど、できていないこと」はありますか?

「時間ができて、落ち着いたらやろう」と思っていることはありませんか?

家の片づけ、勉強、ヨガ、新規プロジェクトのリサーチ、映画鑑賞など、挙げ出したらキリがないかもしれませんね。

まずは、それらを書き出してみてください。

そして、書き出したものを見てみましょう。率直にどう思いましたか?

たとえば、

・家の片づけはやりたいことではないけど、やったほうがいい
・ ヨガはすごくやりたいことではないけど、周りの人もやっているし、健康のためにも一度は試してみたい

など、「何が何でもやりたい!」ではなく、「やったほうがいい」「やってみようかな」程度のものも「やりたい」に入れている可能性があります。本心ではないからこそ、いつまでもやらずに「やりたいこと」のままで残っているのかもしれません。

または、「やりたいこと」であるのは間違いないけど、行動にまでは結びついていない場合もあります。

たとえば、

・地方へ移住はしたいけど、今ではない
・新規企画を立てるためにもリサーチをしたいけど、まとまった時間がとれない

など、「やりたいこと」を「やる」という行動に落とし込めていないがゆえに、「やりたいこと」のままで残っているのかもしれません。

「やりたいけど、できていないことがある」と感じる時は、「やりたいのは本当だけど……」の先に続く「自分への言い訳」(やれない理由)を明確にしましょう

「言い訳」と聞くと、思わず目を背けたくなるかもしれませんが、自分が本当にやりたいことを進めるためにも、目を背けずに向き合ってほしいと思います。やりたいことができていない原因がわかると、その次の対応策が見えてきます。

ただ、ここでひとつ注意です。「自分への言い訳」に対して、自分を責めないことです。こういう時に「できていないことを突きつけられるようでつらい」と言う人がいますが、「自分だけできていない」と思う必要はまったくありません。

「時間がない」は、万人共通の言い訳です。「時間がないから」「バタバタしているから」と、私たちはつい言ってしまいます。そして、皆が言っているからこそ、「時間がない」を盾に、できないことを正当化してしまいます。本当はがんばりたいことを「できなくても仕方がない」と諦めているのです。それは本当にもったいないです。

だからこそ、自分を責めたり、何かのせいにしたりすることに時間を使うことから抜け出して、行動に時間を使えるようにシフトしていきませんか?

やるべきことができていない原因は時間の使い方にある

「やりたいけど、できていないことがある」と感じる時は、時間の使い方を整理しましょう。そのために、1日の過ごし方を書き出してみてください。

1日のログ(記録)をとろう

まず、睡眠、身支度、家事、仕事、テレビを観る時間などざっくりと、24時間のスケジュールを書き出してみてください。24時間表記のバーチカル手帳に書いてもいいですし、お持ちのノートや紙に時間軸を書き出すところから始めてもいいですね。

次に、書き出したものを2つのグループに分けて色分けし、塗っていきます。
やる必要のあること(青):睡眠、食事、仕事、家事、育児など
やりたいこと・好きなこと(赤):趣味、習い事など

24時間を色分けして、どのようなバランスで時間を使っているのか客観的に把握しましょう。

ちなみに、①②のどちらにも当てはまらないものは、色を塗らずにそのままにしてください。たとえば、ダラダラと意味もなくSNSを見ている時間などです。

さらに、家事、仕事など大タスクとして書き出したものを細かくしていきます。たとえば、「家事→洗濯→洗濯機を回す・干す」のように、具体的な行動に分解します。

そして、家事や仕事の中でも、自分がやりたいことや好きなタスクは、②の色で塗っていきます。

大きなグループ分けだと「やる必要のあることばかりやっている」ととらえていても、具体的な行動単位で見ていくと、「やりたいことや好きなことをやっている時間もあるんだ」という気づきがあるかもしれません。

1日のログをもとに、振り返ろう

1日のログを踏まえて、自分が「やりたいことがなぜできていないと感じるのか」について改めて考えてみましょう。

「やりたいことがありすぎて、すべてをやり切れていない」という人もいれば、「やりたいことは後回しで、やらなきゃいけないことに時間を使っている」「時間はあるのに、ダラダラと過ごしている」「やりたいことはできているけど、もっとその時間を増やしたい」「家族のために使っている時間が、思っている以上に多いことに気づいた」という人もいるでしょう。それぞれに感じることがあったと思います。

また、色を塗らなかった時間は、今後「やりたいこと」に使える時間でもあります。

ダラダラしてしまう時間が増えるのは、緊急なことや重要なことをこなした反動がきている場合もあります。

私たちは、やりたいことをやり切る時間も足りないほど、たくさんのやることを抱えています。しかし、どんなに願ったところで1日は48時間にはならず、1日は24時間のままです。ただし、この24時間は誰にも平等に与えられている財産です。この限られた24時間をどのように使うかで人生は変わってきます。

実際に、1日が48時間になったところで、その48 時間をどのように使うか、時間の具体的な使い道を答えられますか? 多くの人は、答えに戸惑い、仮に48時間になったとしても、同じように「48時間では時間が足りない。1日72時間あればいいのに」と現実逃避をするでしょう。

実際は時間がないのではなく、時間はあるのにもったいない時間の使い方をしているだけなのです。必要のない「やらなきゃ」は手放して、「やりたいことをやる」時間を生み出していきましょう。

ログで1週間の時間を見える化しよう

1日のログをとれたら、次は1週間の時間を見える化していきます。

1週間単位でも記録するのは、曜日によって時間の使い方が異なるからです。平日と週末、曜日で固定の仕事や習い事など、時間の使い方が変わる人も多いと思います。

タイムコーディネートでは、1週間ごとのタスク管理をおすすめしています。

目標に向けた実行計画を立てたとしましょう。最初の1日はやる気もあり、少し無理な計画でも、馬力で押し切れるかもしれません。ところが、1週間ともなると、力業で何とかできる誤差ではなくなり、少しずつ計画倒れが起きてきます。

1週間単位で管理すれば、今日やろうと思っていたことが終わらなくても、1週間のどこかで調整ができます。ただし、スケジュールが詰まっていたら調整もできないので、意識的に余白の時間を取っておこうと考えられますし、「月曜日はミーティングも多くて資料作成を進められないから、余裕のある水曜日に予定しよう」と曜日ごとで調整することも考えられます。

だからこそ、まずは1週間の時間をどのように使っているかを書き出します。見える化すれば、思いもよらないところで時間をかけていることや、やりたいことは思っていた以上にできていることなど、さまざまな発見があります。

ログのとり方は、1日の場合と一緒です。ログをとった後、前述したように「①やる必要のある時間」「②やりたいことをやっている時間」に色分けします。どちらにも当たらないものは色を塗りません。

そのうち、「①やる必要のある時間」でやっている行動を細分化し、今後どちらかというと「やりたい」か「やりたくない」かに分類します。やりたくない気持ちに気づけば、今後やりたくないことをする時間を手放す意識ができます。色を塗らなかった時間についても同様に、今後やりたいか、やりたくないかで分類していきましょう。


吉武麻子(よしたけ あさこ)
1981年、神奈川県生まれ。TIME COORDINATE株式会社代表取締役。大学卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国留学。その後、現地法人でキャスティングディレクターとして24時間365日仕事に追われる日々を過ごす。帰国後、キャリアとライフイベントの狭間で葛藤した経験から、疲弊せずに毎日を楽しみながら仕事のパフォーマンスもあげていく「タイムコーディネート術」を考案し、のべ4000名以上に指南。心地よい時間の使い方で、ありたい未来をつかみに行くための「タイムコーディネート実践プログラム」や「タイムコーディネーター養成講座」を開講。著書に『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』(かんき出版)、監修を担当した書籍に『時短、効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』(朝日新聞出版)他。また、タイムコーディネート手帳の製作販売、企業研修、時間の専門家として各種メディアにて掲載・連載執筆を行っている。2児の母。

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