役に立つかわからないような、無駄なことはしたくない…… 。
役に立つかわからないような、無駄なことはしたくない…… 。
経験したことは、自分でも気づかないところで役に立っていたりします。
「人生に無駄な経験はない」というように、どんな経験も”引き出し”になります。
学校の授業で、「これを勉強する必要ある?」と思うこともあるけど、その時は「必要ない」と思ったことでも、後々で使えたり、その知識が下地となって成長に繋がったりすることもあります。
将来の役に立つかは、誰にもわからないんです。
この記事もそうです。
記事の内容も漫画も、昔から「役に立つ」と思って培ってきた知識や技術ではないです。
その時々で、興味あることや必要なことを全力で身につけてきて、結果的に役に立ったんです。
当時は、「将来の役に立つ」なんて思ってなかったし、今の仕事をしているなんて、少しも想像していませんでした。
様々な経験が結果的に役に立つという意味では、実はぼくが初めて描いた漫画は、「初心者とは思えないほど技術が高い」といわれて受賞しました。
単に自慢したいワケじゃなくて、こうして絵が描けたのは、デザイン科の高校で学んだ基礎があったからだし、描き文字が得意なのは看板屋だった時の技術だし、構図やレイアウトが綺麗なのはデザイナーの経験が活きているからです。
また、デザイナーをしていた経験からお話しすると、「デザインは先天的なセンスが必要」と思いがちだけど、必ずしもそうではないです。
デザインは知識や技術の組み合わせで、元のセンスより、持っている”引き出し”の数が重要だったりするんです。
バランス良く見える構図や美しい配色など、それを”知っていること”で、デザインの可能性は広がるし、デザインソフトのスキルがある人とない人では、表現できる幅も変わってきます。
多少のセンスの差はあれど、デザインが上手下手の差は、知識や技術などの持っている”引き出し”の差なんです。
「役に立つかどうか」って、”費用対効果”を気にしているのかもしれないですね。
「役に立たなかったら、かけたコストが無駄だった」と思うように、損をしたくない心理なのかもと思いました。
そうした時間や労力のコスパから、倍速で動画を観る人もいるみたいです。
しかし、これは情報は得られるけど、感動はできないです。
ニュースは倍速で情報だけ得られればいいけど、映画やアニメは情報だけでは心が動かないんです。
面白さは”感動”で、感情が動く時に「面白い」と感じます。
その面白さに重要なカタルシスには、”間”や”溜め”が必要だったりするので、倍速視聴ではそれが得られずに、結果的に損をしている。
費用対効果を気にする人生は、幸福度のコスパが悪いのかもしれません。
「意味のない無駄なことはしたくない」という気持ちもわかるけど、そもそも人生に意味はないので、極論、「生きても無駄」となっちゃいます。
だからこそ、人生に意味や価値を見出すのも、人生の楽しみや目的になりえます。
子どもの頃に、「これは、将来の役に立つハズだ!」って考えて遊んでなかったと思うんです。
鬼ごっこもドッジボールも役に立つと思ってやってませんよね?
「面白い!」ただそれのみで行動していたと思うんです。
大人になってもその遊び心は大切だし、「結果的に役に立った」でいいと思います。
その気持ちでいれば、「役に立つかどうか」なんて後回しで行動できちゃうので。
「人生は思い出集め」だと思っているので、興味があるけど役に立たなそうだからやらないってのはもったいないです。
死んだら何も残らないので、「役に立つかどうか」よりも、「やりたいかどうか」で行動するのもアリだと思います!
せっかく生まれたのなら、思いっきり人生を楽しみたいですね!
著者プロフィール
コハラモトシ
漫画家、イラストレーター、キャラクターデザイナー。
代表作は、『アニワル』『死神見習!オツカレちゃん』『ちいさめ』など。
動物やマスコットキャラやデフォルメイラストを描くことを得意としている。
「キャラで笑顔に!」を創作理念に、書籍化や商品化、プライズ化やカプセルトイ化など、色々な企業とコラボして幅広くキャラクター展開もしている。