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ジョゼフィンお嬢さんのお話 ~2. 逸話: 猫のリーダー編
(1) ブラジル産の鶏ささみ
5にゃんいた頃は、猫たちは毎食このように並んで食事していた。
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右から、
・ニコライ皇帝陛下(1番目・長男)
・ジョゼフィンお嬢さん(2番目・長女)
・アレクセイ皇太子殿下(4番目・次男)
・撫子さん(5番目・三女)
・フレイヤ女神様(3番目・次女)
ちなみに、お嬢さん亡き今もちゃんと並んでいる。
ゆでささみや砂肝をドライフードにトッピングしていた時期があった。ある日、ワタクシは超特価のブラジル産冷凍ささみを見つけ、あまりの安さに買ってしまった(化学物質過敏症なので、今なら絶対に買わない)。
そのささみは、解凍しただけで、当時過敏症発症前のワタクシでもちょっと薬品臭を感じた。しかし、殺生されて地球の裏側まで運ばれた鶏肉なので、捨てることはできなかった。茹でて割いて、猫たちのフードにトッピングした。
食いしん坊のアレクセイ皇太子殿下と撫子さんは、躊躇なく食べ始めた。同じく食いしん坊のジョゼフィンお嬢さんは、フンフンとにおいを嗅ぎ、そして...
(2)「これ、食べちゃダメなのよっ」
突然、ジョゼフィンお嬢さんはささみを食べている殿下と撫子さんに頭突きした。少し遅れて食べ始めたニコライ皇帝陛下も、お嬢さんに体当たりされた。それを見ていたフレイヤ女神様は、ささみに口を付けなかった。みんな、食事を中断した。
「これ、食べちゃダメなのよっ! カラダによくないなのよっ!」
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お嬢さんは、いつも通りのキッとした意志の強い目でワタクシを見た。ワタクシは、すぐにささみを回収した。
あのときはほんとうに驚いた。そして、申し訳なく思った。人間の鼻で感じるものを、猫が感じるのは当たり前だろう。それも数百倍の威力で。
お嬢さん、あのときはごめんなさい。そして、ありがとう。あなたのお陰でみんな、悪いものを食べずに済んだよ。
あなたはいつも賢かったね。正義感も猫一倍だった。
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