武尊選手の状況を鑑みて格闘技というコンテンツの脆弱性を再認識した話
僕は常々、エンタメとは蝋の翼で太陽を目指す人を見て喜ぶ残酷なモノだと指摘しています。
そして、その楽しむ側の残酷性を気付かないように提供する事が
主催者側の苦労する部分だと思っています。
例えばお笑いは
常にマイノリティを傷つけて攻撃するコンテンツです
黒人 オカマ バカ 障害者
マイノリティが加害性を主張する度に対象を変えて
誰も傷つかないお笑いという綺麗な包み紙で加害性を隠して販売しています。
ドッキリとかいう言葉で濁していますがアレもそうです。
僕はお笑い好きですし、冗談も言いますが
常に火遊びをしている感覚はあるのです。
格闘技は野蛮なコンテンツとされています。
加害性が剥き出しになっているからです。
これだけだとコンテンツとして消費されづらいのです。
なのでパッケージとして
真剣勝負を謳っています。
強い男同士の真剣勝負を傍から見ている感覚を提供しているのです。
ゴジラ対キングギドラという訳です。
しかし、演者は人間です。
ゴジラみたいに海に沈めて終わりという訳にはいきません。
武尊選手はパニック障害や鬱と診断されています。
メディアや客は僕も含めて、
今回、武尊選手に乗れて楽しめました。
だけど、当の本人は心身ともにめちゃくちゃになっている訳です。
僕は武尊選手は幸せになって欲しいし
消費した側は絶対に協力して欲しいと指摘したい訳です。
勘違いして欲しくないのは
エンタメから加害性を失くせと言いたい訳ではありません。
そんな事は無理だからです。
武尊選手のパニック障害や鬱という告白は
あー、やっぱりかという気持ちと
コレ、真面目に格闘家を目指す人は減るだろうなーって気持ちが生まれます。
強い存在になりたいとか頑張ってモテたいとか有名になってチヤホヤされたいとか金持ちになりたいとか
そういうポピュラーな欲望はあっても
武尊選手みたいになりたいか?と言われて
まともに頭が働く人は無理もしくはイヤだと考えるでしょう。
なんで他人の為にパニック障害や鬱になってまで踊らないといけないのさ
冷静に考えるとそういう答えが出るでしょう。
バカが一瞬だけ感化されて、熱いぜ!って言ってサンドバック叩いたりすることはあっても
あの舞台に立つレベルの努力をする事は無いでしょう
そもそもメリットが無いんじゃないかと思います。
武尊選手は今まで負けたら終わりだと思っていたけど
今回、ファンの声が一万件以上あって、
自分が負けても
ありがとうと言ってもらえるという事が分かって嬉しかったと言っていましたが、
それは幻想です。
そんなファンの声は一時的なモノであって
続かない声です。
今回、武尊選手が心身を壊すほどに追い込まれていたからこそ得られる羨望です。
今後、武尊選手が負け続けたとしたら、普通に飽きられるし、
ファンの声は少なくなってしまうでしょう。
残酷ですが事実です。
そういう無責任な声に傷つくであろう武尊選手が心配になりますし
十年後にどうしているんだろうと考えます。
この記事は元格闘技王者が病んで一家心中を図ったという内容のモノです
承認欲求が満たされなくなった人間が社会的に居場所を失くして
精神が追い込まれて起こした事件として認識しています。
武尊選手がBETしてきた対価は賞賛されるに値するモノですが
代償がデカすぎる上にイノセント過ぎて心配になってしまいます。
スポーツ競技の王者は
無知でイノセントな若者が
思い込みで頑張るか
父親のエゴで頑張らせることでしか到達しない訳ですが
後者側の父親は武尊選手を見て自分の息子に同じ様になってもらいたいと考えるでしょうか?
キチガイでもない限り、あんな可哀相な目に息子を合わせたくはないなと思うんじゃないかな?
そう考えると武尊選手には報われて欲しいし
そうでないと格闘技選手が生まれる数は減るだろうし
生まれない方が良いまである
何故なら不幸な道でしかないからです。
武尊選手の今後の幸せを祈っています。
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