あの時のこと
#多様性を考える
今から20数年前に自分に起こった話です。
わたしは、26歳の時に結婚し、27歳に長男を授かりました。
その時は、かわいい息子に対して「これからこの子のために頑張らないといけないな」と気合を入れ直し、幸せな気持ちでいました。
しかし、長男が産まれて間もないのにも関わらず、旦那さんがなんだかおかしいのです。
仕事に行かず家にいることが増えていったのです。体調が悪いのかとか仕事の事で困っていることがあるのかと夫婦間で話し合ったのです。わたしが働こうと話しましたがそれはダメと旦那さん。そしたら「仕事はどうするの?」「生活はどうするの?」何を話してもこたえは出ず。そうしている間に私が独身の時に仕事をして貯めていた貯金が底をついてしまったのです。
ご飯は食べず、子供にミルクをあげるだけで精一杯の日々でした。そんな日が続いていた頃、電話が鳴ったのです。
私の母でした。
「元気ね?最近、電話来ないからどうしてるかなと思って電話したよ」と母。
私は、「元気だよ。忙しくて電話出来なかった」と私。
話をしていると、母が「今から、そっちに行くから待ってて」と電話が切れました。
私の家に着いてから母は、「やっぱりそうだったんだ」と、ひと言。
「早く荷物まとめて」と母。
私は、慌てて荷物をまとめました。
すると、母が旦那さんに向かって「2人は実家に連れていくから」とひと言。
私は、何も言えず母の後ろから長男を抱きしめて、車へとついて行きました。
母は、何となく私の話し声に感づいていたのでしょう。
今思うとどうしてわかったのだろうと不思議です。
その車の中では、 「電話したらよかったのに」と母。
わたしは、うなづくだけで精一杯でした。
それから、旦那さんとは離婚し、長男はわたしが親権をもち、子供は保育園に預け、私は、仕事をすることになりました。
仕事をして間もない頃、私は夜、眠れなくなってしまったのです。
あとは、仕事場についてしばらくすると涙が出て涙が止まらなくなってしまい、病院へ行くことになりました。
病院へ行くと診察室へ行き、お医者さんが「大丈夫?落ち着いた?」と。
「はい、大丈夫です」と私。
「それでは、話そうね」とお医者さん。
「あなたは、鬱(うつ)病です。仕事はしばらく休職したほうがいい。職場の上司にそう話して。診断書書くから渡して」との事でした。
それからすぐ職場へ。上司に話して、休職することとなったのです。
その時の私は、魂が抜けて私は誰?ここはどこ?というくらい。何も手につかない。なにもしたくない。なにかの抜け殻のように以前の私はどこにもいませんでした。
夜も眠れず、昼と夜が逆になったようでした。母には出来るだけ負担をかけないように気をつけていました。毎日がかなりしんどく辛い日々でした。1人でいる時、ふと気がつくと死にたいと思っていた時もありました。頭がおかしくなってしまった。誰も私を必要としていない。いらないのに居てもいいのか、へんな感情に気がつきました。その精神的な気持ちは、子供にも伝わったらしく
昼間に私がうとうとしていて子供を無視してると今まで聞いたことがないようなすごい声で泣き出したのです。
母はびっくりして私の部屋に来て「どうしたの、こんなに泣いて。」わたしから子供を抱き上げたのです。
「あんたは一人で抱えすぎる。出来ることがあるならちゃんと言いなさい。」と言ってくれたのです。
その言葉はかなり私のこころに響きました。あの言葉で立ち直ったのはいうまでもありません。
ずっと、自分にムチを打ち誰にも心配させない、ちゃんとしないとと自分を強く縛り付けていたのです。
その言葉を聞いた時、涙があふれ、なんだか目が覚めた気がしました。
その時は、どう甘えたらいいのかさえ分からず、子供のことと自分のことで精一杯すぎて周りを見ていなかったのです。
かなり、苦しかった。辛かった。そう弱音を吐いたら負けるような気がしたからです。
その病気は、仕事に復帰したにもかかわらず、今も薬に頼っています。
仕事で辛い日々が続いて、仕事復帰して、今まで約12年間仕事を続けました。
今も相変わらず、薬を飲んで眠る毎日。あれから何一つ変わらない。薬の量。
こんなに鬱(うつ)病という病気が大変なこととは知りませんでした。
精神的に参ってしまったら、自分は大丈夫だと思っていても体は嘘はつけないのだと気がつきました。
最近は、一時、仕事を辞め、家で療養中です。なかなか治らない病気なのですが、少しずつ、元気を取り戻したら、少しずつ仕事ができたらいいなと考えています。以前のように仕事量は、こなせる自信はありませんがあまり無理をせず、自分にあわせながら少しずつ社会に貢献できればと思います。
このコロナ禍の中、私みたいに心の病気になってしまった方もいらっしゃるかと思いますが、どうかご自身を1番に考えて行動なさってください。どうぞ、無理はなさらないでください。辛い時は、好きなこと、好きな食べ物、好きな映画とか、ご自身の好きなことをして自分を癒してください。
一日中何もしなくても大丈夫です。お風呂に入らなくても大丈夫。掃除も辛い時はやらなくていいです。あまり頑張らないこともいい。
日本人は、頑張りすぎです。
どうか、頑張りすぎに注意してください。
コロナ禍になって精神患者さんが増えているようです。
どうか、辛い時は、仕事をお休みしてください。どうぞ、ご自身を大切にしてください。
私からのお願いです。
どうぞ、ひとりで抱え込まないでください!
あなたは、ひとりじゃない!