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#31 全肯定が基本でOK!

発達支援や特別支援などの、障がいのある子と関わる仕事

初任者向けのシリーズを時々書こうと思っています。

今回のテーマは、「子どもの味方になろう」

仕事として関わる大人はつい、
その子を変化成長させることが自分のやるべきこと
と考えがちですが、

私は違うと思います。

子どもと関わることを仕事にする大人が目指すべきことは

自分の味方だとその子が感じられる相手を、世界に1人増やすこと

です。

そのために、初任者は特に、
その子の存在全肯定!な大人を目指してみてはどうでしょう。

成長させるための存在?

誰かの成長を願うことは、

「あなたはそのままではいけない」というメッセージと裏表

とも言えます。

自分は子どもを成長させるために働いている
と考えている人間が自然とやりがちな行動は、

・相手の「足りていないところ」「修正すべきところ」を見つけて
・見逃さず指摘して
・正しいやり方を教える

が中心になります。

知的な遅れがあったり、自閉症の特性を持っていたりする子たちは、

同年代の子ども同士で関わりを作るより、
大人との関係性が人間関係の中心になりがちです。

どうでしょう、もし自分が生きていて関わる相手の内8割9割の人が、


・自分の「足りないところ」「修正すべきところ」をいつも探していて、

・見逃してくれず「ダメだよ」と毎回言ってきて

・正しく振る舞えているかチェックしてくるとしたら。

その子にとっての「そんな存在」を1人増やすことが、
新たに関わることになった大人が、本当にするべきことでしょうか?


その子の味方になる

実際、放課後デイで働いていると、

「ダメ」「やめて」「待って」
といった、制止や注意の声かけに
ものすごく敏感に反応する子に出会います。

これくらいのことで?と思うような言葉でかんしゃくを起こしたり、
隣の子に対する注意の言葉に反応して机や扉を叩いたり、
「ダメ」と言われることを目的に行動して、言われたらニヤリと笑ったり。

こうした行動は、
大人が期待する振る舞いと、その子の心が求める行動とのギャップ
が開けば開くほど発生しがちです。

その子の世界には、
自分の行動をとがめて、注意して修正しようとしてくる大人
はすでにたくさんいる訳です。

自分がそんな大人の1人として追加されても、
その子の行動を変えることなんて、できるはずがない。

それよりも、
この人は自分のことをわかってくれそう
と感じられる存在を目指して欲しい。

その子自身が「自分の味方だ」と感じられる存在を世界に1人増やすこと


これが、新たに関わることになった大人の目指すべきところだと私は思います。


具体的には

注意と否定と指摘は、先輩に任せる

関係性のない大人が言う注意や指摘なんて、どちみち聞いてくれっこありません。

初めのうちは先輩に任せて、自分は子どもの味方に徹してみる。

いたずらしたり、いつまでも遊んで切り替えられなかったりしているなら、

隣に座って目線を合わせて
「これしたら楽しいよねぇ。わかるよー」
と、共感の言葉をかけて、しばらく一緒に時間をすごしてみる。

それからようやく、先輩に助けを求めにいく。

自分が解決しなくちゃ!と張り切ってしまうより、
そんなスタンスが一番だと思います。

挨拶

その子の味方になる。相手の存在を肯定する。

象徴的な方法が、毎回の挨拶です。


よくある「相手の方を向いておはようと言いなさい」的なやつはNG。

挨拶とは、「あなたに会えて嬉しいよ」というメッセージの交換です。


笑顔でも、ハグでも、ポーズでも、言葉でも。

自分が思いつく限りのやり方で、
会えて嬉しいよ、と伝える。

感情や意図を読み取ることが苦手な子が多いことを念頭に、少し大げさに。

自分とその子の間に「いつものやり取り」が作れたらベストです。

目と目があったり、
ニヤリと笑わせられたり、
一瞬「通じる」ことができるなら、

ハイタッチでも、「やぁ」でも、お腹こちょこちょでも、何でもOK。

「いつもの挨拶」が確立できたら、
来た瞬間に少し楽しい気持ちにさせてあげること
自分の味方がいる場所に来たな、と思わせてあげること
ができます。


以上、

全ての大人が君のことを否定してくる訳ではないよ
人と関わることは楽しいよ

と思わせてあげられる
大人、だけど味方
そんな存在を目指してほしい。

まずは全肯定が基本スタンスで大丈夫!

(教える側は、初任者がそう思えるような体制作りをすることが大切)

という話でした。

ではでは。



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