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#38 もしもAIが視覚的支援に仲間入りしたら
知的な発達の遅れや、自閉症の特性を持つ子どもたちと関わる上では、
視覚ツールの使用
が非常に効果的です。
↓予定や手順を表にしたり、
↓言葉に代わる「理解」や「要求」手段として絵カードを見せたり。
今回は、
・視覚的支援ツールの作り方
・ツール作成って、おそらくAIと相性が良いよね。早く自動化できるようにしたい。
という話です。
視覚的支援ツールを作る、という仕事
視覚的支援ツールの作成には3段階あります。
1. その子にとって理解しやすい情報を把握する
認知能力の発達段階によって、理解しやすい情報は変化していきます。
・具体から抽象へ:実物→写真→イラスト
・文字の理解:自分の名前→よくみる単語→ひらがな→漢字
支援を必要とする本人の発達と「認知のクセ」を把握し、
その子にとってわかりやすい形で作ります。
2. イラストと文字を選び、配置する
1の情報を元に、ツールをデザイン。
イラスト / 写真
文字を入れる / 入れない
ふりがなあり / なし
手順や予定など、「順番」のある情報を視覚化する場合には、
人間の認知特性に合わせて
・左から右
・上から下
に流れるようにします。
3. 印刷して使える状態にする
使い慣れてくるとタブレット等デジタル表示でもOKになっていきますが、
大抵の場合は印刷し、掲示またはカード化して物理的に接触できるようにします。
以上を経て、「毎日1枚の予定表+全活動(課題)に手順書」
がある状態を作っておくことが療育や特別支援の基本です。
が、地味に大変。
マジックテープ貼り替え式にするなど、できるだけ使いまわせるようにはするのですが、
「新しい活動の写真がない!」
「あのおもちゃの絵カードがない!」
みたいな頻繁に起きる事態の度に作成するのが大変、
という大人都合で、段々使用が廃れてしまいがち。
学年が上がるほど、「学校で視覚ツールを使ってもらえなくなった」という相談を聞くことが多いのも、
この作成の大変さが要因としてあるのではないかと思ったりします。
もしもAIに任せられたら
スマホで写真を撮って文字を打ち込めば楽々絵カード作成、
みたいなアプリもあるのですが、使い勝手とUIがイマイチで。
私は結局エクセルで作ったテンプレートを書き換えて都度作成・印刷していました。
この作業、おそらくAIと相性が良いよね、というのが今日の本題。
AIが得意な仕事は要するに
最近流行りの「チャットGPT」は「生成AI」というジャンルです。
文章を自動生成して、会話形式で返答してくれる所が大ブームの要因。
「自閉症の特性を簡単に教えて」といった質問にも、webデータから情報をかき集めて整理して要約して、スラスラと返事をしてくれます。
(文章を「予測」で作成する仕組みなので、必ずしも正しい情報が返ってくる訳ではない点には要注意)
画像生成AIも進化中で、
「眼鏡をかけたしょうゆ顔のイケメン」といった文字リクエストに応じて
簡単にイラストや写真を生み出す機能を使って創作されている方が既にnoteにもたくさんいますよね。
生成型AIくん、視覚ツール作成超得意なんじゃないか。
最初にも載せた↓こんな予定表を作る時でも
明日の予定をパターンAの感じで視覚的に表にして。
7時に起きる、8時朝ごはん、9時学校へ、、
学校の写真には〇〇支援学校の写真を使うこと。
みたいな内容を文字入力、または音声認識でインプットし、表形式で出力することがあっという間にできるはず。
性能としては既に可能そう。
あとは実用化とテンプレート化。
誰かしていないか、簡単にできないか、ちょっと調べてみようと思います。
(単純に「視覚支援 AI」で検索すると、視覚障がいのある方の「見る」機能をAIで補完するツールの情報ばかりでした。
言葉のチョイス、表記の揺れ問題も重なるとなると、見つけるのはなかなか大変かもしれません。)
教師でも、福祉の支援者でも、
せっかく対人支援を志して就職したのに、気づけば人に向かう時間より事務でPCに向かっている時間の方が長い
みたいな問題、頻繁に生じています。
今話題のAI活用
どんどん進んで、発達支援の現場やご家庭にも定着して、人が人に向き合う時間がもっとたくさん取れるようになれたらいいな、という話でした。
ではでは。