見出し画像

【言葉の解説】 氷山モデル #9

こんにちは。にわのです。
放課後等デイサービス、という、障がいがある子たちの居場所作りを仕事にしてきました。
今回は子どもたちが見せる行動理解の基本「氷山モデル」について解説します。

注意してもしかっても、止めてくれない、、

人を叩く、物を壊す、トイレに物を流す、手洗い後に水道でばしゃばしゃ遊ぶ、屋外で座り込んだり走り出したり、、
少なくない放課後デイご家族から、こうした「問題行動」についての相談が寄せられます。

一般に、子どもが「悪いこと」をしたら、大人は「怒る・叱る」ことで、良くないことだと伝える、という対応をとります。ところが、何度注意しても止めてくれず毎日繰り返す。むしろ注意するほどエスカレートしているような気さえする。。

この時、何が起きているのでしょう?
注意しても止まない行動に、周りの大人はどう対応すればよいのでしょうか?

氷山モデル

発達支援では、見えている行動は「氷山の一角」だと考えます。たまたま顔をのぞかせているのが見えている行動で、行動の背景や目的は『海の中の見えない部分』にあります

氷山の見えている部分だけを削り取ったとしても、『海の中の見えない部分』がまた海面に浮かんでくるだけですよね。同じように、「見えている行動」だけを注意や叱責で一時的になくしたとしても、『見えない部分』に対応できていなければ解決にならず、再発したり別の形で出てきてしまいます。

何度注意しても行動を止めてくれない理由は、「本人のやる気や能力」ではなく、『海の中の見えない部分』=行動の背景にある問題に対応できていないから、ということが多いです。変えるべきは子どもの行動ですが、変わるべきなのは大人の対応や周囲の環境です。

「困った子」ではなく、「困っている子」

社会的に不適切な行動に改善がみられないと、「困った子」という扱いをされがちです。しかし氷山モデル的に考えてみると、それらの行動は何かのサインかもしれません。「困ったので助けて」と誰かに伝えて物事を解決するスキルや経験に乏しく、ヘルプサインとして叩いたり逃げたりしているのかもしれません。

叩かれるのは辛いし、何度言っても聞いてくれないとイライラしてしまうものです。
それでも見かけの行動に惑わされず、「何か困っていることのサインかもしれない」と行動の背景に思いを巡らせることができるかどうか

この発想を自然と持てるようになることが、発達支援の最初の一歩だと思います。

以上、子どもが見せる行動をそのまま受け止めるのではなく、氷山の一角と考えよう、という話でした。

ではでは。

いいなと思ったら応援しよう!