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#39 言葉のおきかえトレーニング①「やめて」
障がいのある子どもと関わる育てる
発達支援初任者に向けたシリーズ、第4回です。
子どもとすごすと、つい口からこぼれ出てくる
「やめて」「ダメ」「待って」
この3タイプの声かけをできるだけ減らすことが、
子ども(特に自閉症特性のある子ども)
と関わる大人にとって最重要
だと私は思っています。
今回はまず「やめて」について。
・具体的にどうやったら減らせるか
・「やめて」と言う代わりにどうすればいいのか
についての話です。
はじめに:「普通」と違う引き出しを作るためには
「やめて」「ダメ」「待って」をなるべく言わない、というのは、
ほとんどの大人にとって、違和感でしかありません。
私が職場で実際に研修をしていた時にも
「これまでそんなこと考えずに子育てをしてきたのに、当たり前を揺さぶられる感じで怖い」と感想をもらったこともありました。
子どもの行動を変化させたり、
信頼関係を作っていく方法はいくらでもあって、
唯一絶対これが正解、というつもりは全くありません。
そもそも、
「ダメというのはダメです」というメッセージは自己矛盾していて
おそらく届かないような気がする。
それでも、
他のやり方ではどうにも「問題」行動がおさまらなかったり、
困った行動が繰り返されてしまっているようなら、
一度試してみてほしいのです。
最初に違和感を覚えたり、やりづらくなるのは当然です。
窮屈なのは、変化しようとしている証。
新しい「接し方の引き出し」を自分の中に作ることで、
新しい「その子の姿」と出会えるかもしれません。
「やめて」を置きかえる
まずは、禁止の言葉を言いそうになった時の対応から。
危険度のジャッジ
#2で上げた3つの場面
「自分の安全を脅かす」「他人に危害をもたらす」「賠償レベルの器物破損」
この時は例外で良いです。
どんな手段を使っても即やめさせることを優先しましょう。
置きかえにチャレンジするのはこんな時
もちろんやめてほしいけど、
・即安全が脅かされる訳ではない
・「やめて」と言っても効果がなかったり、かえってエスカレートする
ような時。
例えば、
机に登る
壁をドンドン叩く
大人の顔を見ながらニヤニヤ悪戯
「やめて」と言っても手応えがないこうした場合には、別の作戦で関わる必要がありますね。
作戦1:スルーする
「やめさせたい行動」そのものにはリアクションしない、が基本。
その子が好きな絵本やおもちゃを持ってきて自分が遊んでみせたり、
その子が好きな予定を提示したり。
(「おやつ」「お出かけ」など。実際にはすぐにできないことが多いので、「手洗い」や「荷物の準備」など準備動作を時間かけて一緒に行う)
正面から向き合わずとも、「気をそらす」ことで結果的に行動がストップするならそれでOKです。
作戦2:無言で接する
言葉は一切出さずにやめさせてみる、というやり方もあります。
・視線を合わせながら真顔で近づいていく
・別の物に関心があるフリをしながら近づいて、しれっと物を回収したり机から下ろす
などなど。
無言であっても「やめて」のジェスチャーや表情をしてしまうと同じことなので、
それ以外の方法で、「この行動がストップするまでは喋らない」と自分に決めてしまう作戦も結構効果的です。
以上、まずは「やめて」の置きかえ方法について、でした。
困った行動をやめさせる=いつもと違うその子を見たい
なら、
関わる大人=自分の振る舞い・接し方を変えてみる必要があります。
これまでの自分の引き出しでは上手く対応できないな、と必要性を感じる場面があったら、ぜひ試してみてください。
ではでは。
(過去編はこちら↓)