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#32 「絶対あかん」は3つだけ

障がいのある子どもと関わる育てる、
発達支援初任者に向けたシリーズ、第2回です。

前回、まずは子どもの味方を目指すこと。
基本の姿勢は全肯定でスタートしよう、という話をしました。

そりゃ素敵だけど、「何でもアリ」って訳にはいかんでしょう?
無責任に「全肯定」なんて言うもんじゃないよ

と思ったあなたに向けた第2回。

もちろん、「断固やめさせる」最低ラインはあります。
が、
一般的に思われているより限定的、具体的には3つだけ
という点について今回書きます。



絶対にストップさせる3つの場合

大きな声、力づく、「ダメ」「やめて」「待って」

本来避けたい、こうした手段をとる場面
全肯定が基本!に対する例外となる場面

具体的には3つだけです。


1.  自分が深刻な怪我をする

誰かの大切なお子様を預かる仕事として、安全に家に帰すことは最優先。
深刻な怪我をする可能性がある行動はどんな手段を使ってでもストップさせます。

道路への飛び出し、2階以上の高さからの転落、刃物、異食など。

ただ、「深刻な」という線引きが重要で、難しいところ

例えば、机や椅子など高いところに登る行動。好きな子多いです。
「落ちたら危ない」ことには間違いありませんが、
高さが低い時、それなりにバランス感覚がある子の場合、などには、ここには当てはまらないと考えて良いです。

「危ないかも」と考える余裕がある時は、別の手段をとる余白があるということ。
強制的な手段以外の"対応の引き出し"を増やしていきましょう。


2.  他人の安全を脅かす

他者の安全に対しても同様に、危険がある場合には断固ストップさせます。

ただ、仕事に慣れてからで大丈夫ですが、注意点が1つ加わります。

「大騒ぎ」「大慌て」なやめさせ方は、逆効果になってしまう可能性が高いということ。大人の反応が強く印象に残ってしまい、反応目当てにわざと繰り返してしまう場合が多々あります。

自分の行動をコントロールする余裕がある場面では、
「淡々と」「静かめに」でも「毅然とした態度で」
やめさせられるようになることが理想です。


3.  賠償が必要なレベルの器物破損

基本的には1と2だけですが、事業所運営を考えると3が加わります。
ご家族の経済的・心理的負担はもちろんですが、子どもにとっても長期にわたってネガティブな影響を与えるリスクが高い。

どんなにおおらかなご家庭でも、賠償レベルの案件となると、
家に帰ってから子どもに何か一言、注意叱責しないと気が済まないもの。
そうなると、子ども本人と保護者の方との関係性に負の影響を与えてしまうかもしれません。

また、「他でも壊したらどうしよう」と外出やサービス利用をためらうようになり、その子の体験総量を減らしてしまうかもしれません。

どこからが「賠償を求める金額ライン」かは事業所によるので、スタッフ間ですり合わせが事前にできていることが望ましいです。


以上の3つが、手段を気にせず断固ストップさせる時。
逆に言えば、この3つ以外は、他の手段で対応する。

最初に自分の中にこの線引きを作っておくことが非常に重要です。
これができていないと、つい「ちょっとしたこと」にも注意や指摘といった否定的な対応をすることがクセになってしまいます。

子どもの味方、存在を肯定してくれる存在
そんな大人であり続けるために、

最低限の線引きはクリアに、
でもむやみに変更しないように。

という話でした。

じゃあこの3つ以外の行動をやめさせるにはどうすりゃええねん、
という点について、今後もシリーズ続けていきたいと思います。

ではでは。





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