「巨乳の誕生」第六章読書感想文。

第六章 巨乳の誕生

うおお!タイトル回収!言うてますけど、この本は「我々はなぜ巨乳に惹かれるのか」を書いた本ではなく「大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか」が副題でございますので、そりゃあ巨乳は誕生するんですよね、はい。

「巨乳」はいつ生まれた言葉か

「ボイン」「デカパイ」「Dカップ」などと変化をしてきたが、90年以降は、ほぼ「巨乳」で統一されることとなり、「巨乳」にとって代わる言葉も、今のところ生まれてない

p183

たしかに!!現在まで天下泰平をもたらす「巨乳」が、いつ生まれたのか。

定説①:1989年
『フラッシュ』の松坂季実子初登場の記事「日本にもいた!脅威のGカップ、AVに初登場 でっか〜い ド迫力オッパイ110センチ、巨乳の19歳女子大生」

定説②:①より早い1985年
アメリカの成人映画『RAW  TALENT』の邦題『マシュマロ・ウェーブ巨乳』

が挙げられているのだが、筆者の調査でなんと1967年『平凡パンチ』にて、女性の肩こりなどに同情しようという内容の無記名コラム内に唐突に登場することが紹介されている。いやはや、筆者の熱意なんとも頭が下がる。

唐突に登場している。字面だけ見ても、巨大な乳房なのだとひと目でわかるからであろう。この「新語」に対して特に説明はない。

p184

ウケる。めちゃセンスある無記名ライター。

松坂季実子の衝撃

「巨乳」が一気に広まったのは、やはり松坂季実子がきっかけであることは間違いない、と筆者は言う。

昭和から平成へと変わった1989年。ブラジャーを落とすと、スタジオには男どもの悲鳴ともつかぬ声が鳴り響いたという『全裸監督 村西とおる伝』からの引用も載せている。

デビュー作のタイトルは現場で上がった驚きの声そのままの『でっか〜いの、めっけ!』

p175

世間にインパクトを与えて時の人となった彼女は大学卒業後の就職も決まっていたが、それを諦めてAV女優として活動することとなったという。ありがとうありがとう。

そのインパクトは巨乳に興味のない人々をも揺り動かし、それまでのAV界でそれほど価値のなかった「巨乳」にスポットが当たり、次々と巨乳女優がデビューすることになる。

松坂季実子の登場によって地位を不動のものとしたダイヤモンド映像は毎月1日を「巨乳の日」として松坂作品をリリースしていく。

アイドル界にも変化。

5章で登場したイエローキャブのグラビアアイドル第1号、堀江しのぶが1988年に23歳の若さで死去した後も、野田社長は方法論を活かして次々とアイドルを世に送り出した。

1989年のかとうれいこ、1990年の細川ふみえ、1994年の雛形あきこ、、、ふぅ。。

1992年には『ヤングジャンプ』で「全国女子高生制服コレクション」が開始。80年代末からのこの時期は「アイドル冬の時代」と呼ばれているが「グラビアの時代」でもあった。

「グラビアアイドル」という名称が定着したのは、雛形あきこ以降なのだという。

p196

松坂季実子、わずか1年半で引退

巨乳ブームも沈静化に向かっていた。巨乳という言葉が普及した90年代前半は、実はそれほど「巨乳の時代」ではなかったのだ。それは「ボイン」という言葉が生まれたと同時に大きな乳房が時代遅れとなった60年代後半の動きをなぞるようだ。

p196-197

この章の結び面白いな。言葉は産まれた時がピークなのかも知れない。おっさんが使い出すとオワコン化するもんね笑。


我々はなぜ巨乳に惹かれるのか?

なぜかは分からないが、弱小プロダクションのイエローキャブを大きくした堀江しのぶ、倒産の危機だったというダイヤモンド映像に黄金期をもたらした松坂季実子、ふたりを見ると「巨乳は地球を救う」と言えそうな。

5章まで
・暴力だから
・太陽だから
・子供のものだから(マザコン?)
・ちっぱいも好きです!(混乱)
・正義だから
・やらせてくれそうだから
・やわらかいから

6章
・愛であり、救いであるから


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