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「ゲーム」と不登校
「不登校」という言葉は一つでも、子どもが100人いれば100通りの理由や過ごし方、感じ方があります。
小学校低学年から学校に合わず、家庭メインで育ち、今は通信制高校2年生の長男と、NHKの番組をきっかけにゲームについて会話していて、大人と子どもの世界の見方に大きな違いがあることに気がついたので書き留めました。
NHK「おとなりさんはなやんでる。」をみる。
NHK「おとなりさんはなやんでる。 不登校34万人 知りたい!子どもの本音~ゲーム編~」を見る。「悩める大人」だけでなく、高校生、大学生の子どもたちが出演して「なぜゲームにハマるか」「昼夜逆転するか」という理由を話してくれていました。考えていたことがゆっくり整理されていくような、いい番組だと感じました。
我が家の場合
我が家は、ちょっと考えて、いつでも、何時間でもゲームをしていいことにしています。
長男は日常的に、スマホでゲームを進めたり、同級生とゲーム空間で集まって会話しながらゲームしています。
「原神」や「マインクラフト」は分かりますが、全ては把握していません。
時にはVRゴーグルをつけて遊んでいます。
VRではいろいろなゲームができるイベントに参加していて、たまに「大富豪」や「UNO」をやっていたりもします。
高校生だな〜という感じです。
なぜゲームをするか
クリスマスから毎日「あつまれ どうぶつの森」を遊んでいる長女になぜゲームをするか聞いてみると、
「単に楽しいから」。
長男に聞くと、
「始めたきっかけは、まわりがしているから」。
(長男がまわりに合わせて、自分の行動を変えるようになったのは、14歳をこえてから。本人にとってはわからないけれど、親から見れば大きな変化です。)
「現実世界の可能性を広げるためともいえる」。
なるほど。
「ゲーム自体も普通におもしろいし」。
ただしゲームによりけりで、ニンゲンドーの「マリオ」や「あつ森」はタイミングが合わなかったみたいです。
「生まれ変わったらやるかな〜」と、心底楽しんでいる妹を見ていっています。不登校だったので他の子と遊ぶことがなく(言い換えれば、他の子と合わなかったので不登校が続いた)、自分に合うゲームに出会えなかった、生来の不器用でなかなかうまくできなかったなどの理由で、ゲームデビューは遅めでした。ボカロからの音ゲーがきっかけになりました。
ゲームは現実世界の可能性をどう左右する?
「子どもがゲームにハマる」ことで悩む人は、「現実世界の可能性が狭まる」ことを案じているのかもしれない。子ども(長男)の見方と逆だと思ってハッとしました。
<大人の不安>を推測すると
ゲームをしすぎる→勉強する時間がなくなる(かもしれない)→優秀な成績を取れなくなる(かもしれない)→より偏差値の高い大学に行けなくなる(かもしれない)→就職先が限られる(かもしれない)→不安定な企業にしか職が見つからない(かもしれない)→退職に追い込まれる(かもしれない)または、生涯年収が低くなる(かもしれない)
または
ゲームを夜中までする→朝起きられなくなる(かもしれない)→学校に遅刻するようになる(かもしれない)→学校に行けなくなる(かもしれない)→学習についていけなくなる(かもしれない)→進学できなくなる(かもしれない)→将来、働けない(かもしれない)
長男の実感としては
まわりに合わせてゲームを始める→通信制高校進学→同じゲームが趣味の同級生とつながる→ゲーム空間でチャットや会話する→低かったコミュニケーション能力が高まってきた→コミュニケーション力が上がり、さらに交流の範囲が広がる→オフ会の企画をする→リアルで会ってみたら、意外と共通の話題で話せた! → 勉強ができなくても、社会の中で生きていける自信がついた
このズレって、大人と子どもの間に常にある、普遍的なものなのだろうかと考えました。
ゲームしながら「レポートやった?」
我が家では、よく夕方にリビングでオンラインでしゃったり、ゲームしたりしています。通学はほぼないネットコースなので、ずっと在宅ですが、日々交流しています。オンラインの部屋に誰かがいたら、すぐ会話に入ったりしています。かつては一日中おしゃべりをつないでいることがありました。
今も夜中もやっているのかもしれませんが、把握していません😄
たまに同級生と「レポートやった?」など会話してたり、オフ会の企画を立てていたりするのが聞こえてきます。
学校の授業に全く参加できなかった小学校中学年から中学校3年生までは、周囲の子どもから学んでいる様子がほとんど見えなかったので、大変化です。
私が一切「レポートしなさい」と言わなくても、レポートが提出できています。小学校低学年の時に、あれほど宿題をするのに苦労したのに…、今はなんと楽なのだろう…。
ゲームをしすぎて勉強する時間がなくなる心配よりも、レポートが進む効用の方を感じています。もはや何かが麻痺しているのかもしれませんが😀
ゲームについて語る
我が家ではゲームについて、よく家族で語っています。
夫はドラクエ世代で、「ゲームをやめて勉強する、は絶対に無理。ゲームも、勉強も、しかない」と言っています。「シヴィライゼーション」などもやりこんでいて、長男がなかなかゲームにハマらなかったのは意外だったと言っています。
長男は、日本のゲームはなんだか自分には合わない、昭和から続いているシリーズが多いのはなぜだ、またマリオか〜などとやや批判的です。
「原神」は、新しさやグラフィック等をすごく評価していて、制作会社から、中国に興味を持ち、上海や西安に行ってみたいと言うようになりました。中国ではゲームにハマる若者が多すぎてゲームが規制されそうになっているなどのニュースから政治にも興味を持ちました。
玄関を開けるのも難しかった長男が上海に行ってみたいというようになったのは、私にとっては予想を超える展開でした。
おめでたすぎるかもしれませんが、今のところ、我が家はこんな感じです。
(カバー画像は「原神」より)