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冬声


夕日へ続く
一本の道を往く者たち
お前たちは確かだ

我らはその道を外れ
路傍に蝶を追い
遠い雪嶺に涙する

春先に病み
夏に蹲り
秋に震え
そしてようやく
冬に少し安らぎ

遠い童謡の響きを聴く
鳴き渡る烏の群れに
薄い陽の影が射す
やがて水面が凍る頃
声は穏やかになるだろう