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夏の影



最後だった夏は
途切れてしまった
かつての凡ての傷

やわらかな声と
あたたかな手は
ただ墨蹟の染みになり

独りという
始まりと終わりに
口癖だけが残っている

彼らの罪は
光芒に包まれ消えても
未だ忘れぬままに

眩しく
真っすぐに暮れる
晩夏の陽が水面へ照り

鳥も虫も人も
凡てを黙らせて
夏の影だけが
殷々と響き渡っている