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2030年には「面接1-2回」から「面談5-10回」へ。採用・転職のシフトチェンジがおこる

art. #64 / 5100 words (6 min.)

こんばんは。
あらためてみそ汁のおいしさに気づきはじめている新田です。

さて。
きょうのnoteは、考えを綺麗にアウトプットできる自信はありませんが書いてみますねシリーズです。

2030年の採用・転職について、2019年後半くらいからうっすら思っていたことを言語化してみます。

上手くまとまるのか、おもしろい記事になるのか、まったくわかりません。

「未来予測!」とかいった大げさなものではなく、「こうなるんかな〜」トイレに座りながら吐いたひとりごとくらいの温度感で適当に書いていきます。

興味のあるかたはご覧ください。

はじめに

少しマニアックな内容になりそうなので、先にお断りです。

この記事は採用関係者向けの記事となるため、細かい説明や注釈は入れておりません。あらかじめご了承ください。

また、「面接」と「面談」という漢字が似ているため、後者の「面談」は「カジュアル面談」と表記します。

※どうしても「面談」といいたいところはそのまま「面談」です。

2030年に「面接1-2回」「カジュアル面談5-10回」へ。このシフトチェンジについて自分なりの意見を書いてみます。

きっかけは「今後はさらにハイクラス人材に仕事が集中して、格差はより広がるだろうな」と感じたこと

ある記事を読んで、「今後の社会はますますハイクラス人材に仕事が集中して格差が広がっていくんだろうな」と感じました。

同時に、僕が以前にちょっとだけ考えていたことが蘇ってきました。

それは、「ハイクラス人材を口説いてチームに入ってもらうには、従来通りの面接3回ではなくて、カジュアル面談10回を1-3年かけてすることが主流になるんだろうな」という考えです。

その考えを文字でまとめるのは難しいなと思い書くのをやめようとしたのですが、鉄は熱いうちに打てだなとも思い熱が逃げないうちに書くことにしました。

そもそも、「面"接"」と「面"談"」は全然違う

話を進める前に、大切な前提を書いておきます。

それは、「面接」「面談(カジュアル面談)」は似ているようで全く異なるものだということです。

違いは簡単です。

・面接は公式なもの
・カジュアル面談は非公式ざっくばらんな情報交換

ここを分けて考えずに「面接」と「面談」を同義語として話しているかたもいるので、最初に自分の定義をお伝えしておきます。

・ ・ ・

もうちょっと言うと、漢字を見てもそれぞれの意味は違います。

「面接」は、人と人が顔(面)して話をしている様をあらわした漢字です。

一方「面談」は、顔(面)をつきあわせながら(言べん)をしていたら、そこにができるほど盛り上がったみたいな漢字です。(推論)

「商談」「打ち合わせ」といった言葉と同じように、お互いの言葉が燃えあっている・お互いに打ち響きあっているような話をするのが採用・転職の本来あるべき姿であり、今後のハイクラス人材を確保する上で大切なことなのではないかなと考えていました。

つまるところ「面接よりカジュアル面談のほうが大切になりますし、大切にしなければ勝てません」ということを、少しばかり掘りさげてお伝えするのが今回のnoteの主旨です。

以下の流れで進めていきます。

①現在の面接
②現在の面談
③未来はなにがどう変わるのか
④未来はなぜ面談に変わるのか

①2021年の面接は、人材争奪の過激化から回数が"減少"傾向

まず、現在の面接について書きます。

採用・転職には「面接」がつきものです。

基本的には「2〜3回」が一般的ですが、昨今の人材の奪い合いから「面接1〜2回」のところも増えてきました。

「最初に内定が出た企業を選ぶ人が60〜70%」というデータもあるくらいなので、面接回数を減らして我一番に内定を出すという企業の戦法はよくわかります。

しかし、僕は面接1回については反対派です。

面接2回については、昨今の市場観からすると仕方ない印象です。できれば3回はやったほうがいいのではないか派です)

・ ・ ・

面接1回に反対の理由は、結婚相手を1回のデートで選ぶのは厳しくないか?というものと同義です。

0日婚とかもあるので全否定はしませんが、相当な一目惚れとか10年間ずっと片想いだったとかでなければ、マッチングは失敗する確率のほうが高いと踏んでいます。

企業にとっても求職者にとっても「これからの1〜5年(概算)」を一緒に歩むパートナーとなるにもかかわらず、面接1回60分でよく内定を出せるよなと思ってしまいます。

(1回で内定承諾する求職者もどうなのかなとも思いますが)

・ ・ ・

僕自身がワークポッツの社員を採用するときは、「面接1回のみ」なんて絶対にやらないです。

理由は、ミスマッチの恐ろしさを知っているからです。

採用の仕事をしていて、入社時は喜んでいたのに3ヶ月後には苦しそうな顔をして辞めていく場面を何度か見てきました。

また、面接時はいい人だったのにフタを開けたら実は厄介な人で、部門が疲弊してしまったという例も見てきました。

逆に、僕も転職をしたとき「あれ?面接時に聞いていた仕事内容・ポジションが違うぞ?」となり、早期退職したこともありました。

(そこでは面接3回でした。面接3回やってもこういうミスマッチは全然起きます)

お互いの命運を面接1回60分で決めるというのであれば、(言いかたは悪いですが)それは「企業が人を"もの"として扱い、使い回ししていること」に近しいと言ってもいいくらい、僕は反対派です。

(話を戻します)

一旦まとめると、現在の面接は人材争奪の激化のために回数を減らしているというのが潮流になっています。

②2021年のカジュアル面談は、2017年に比べてかなり一般的な手法となり"増加"傾向

次に、現在のカジュアル面談について書きます。

初面接の前に「カジュアル面談」を挟んである程度のフィット感を見る企業が多くなってきました。

(推論)
カジュアル面談は2010年〜2016年が黎明期、2017年〜2020年で広がり、2021年時点のIT業界の採用ではかなり一般的になってきました

カジュアル面談が増える理由は、単純に双方のニーズがマッチしているからです。

<カジュアル面談のニーズ>

・ある程度フィットした候補者を部門と繋ぎたい、無駄な面接による部門の業務圧迫を防ぎたいという部門/人事ニーズ(人事負担は増えますが)

・30分でいいから接点をもって魅力づけをしたいという人事ニーズ

・面接じゃないのであれば軽く話だけならして情報交換したいという候補者ニーズ

・ ・ ・

そしてここからが、きょうの僕の問題定義です。

・なぜカジュアル面談が増えてきたのか(上記よりも深いインサイト)
・10年後の採用・転職はどうなるのか

これらについて、考えを書いていきます。

③10年後の採用・転職はどう変わるのか

まず、結論から述べます。

10年後の採用・転職はどう変わるのか、僕の考えはタイトルどおり「面接1-2回の代替品として、カジュアル面談5-10回になっていくのでは」と考えています。

前述の通り、双方が「簡単な接点を持ちたい」というニーズの高まりによってカジュアル面談は増えてきました。

このカジュアル面談のニーズは、さらに増えていくと僕は推察しています。

また、
・企業と求職者の接点時間が長くなる(長くなるべき)
・正社員だけでなく業務委託という形態も増える(ジョブ型)
ということも考えられます。

ざっくりとした結論だけ先に申し上げると、10年でこのように変化すると考えます。

<現在の採用・転職>
・回数:面接1-2回
・接点:短い
・雇用:正社員

     ↓

<2030年の採用・転職>
・回数:カジュアル面談5-10回
・接点:長い
・雇用:正社員&業務委託

④なぜカジュアル面談が増えてきたのか(さらなるインサイト)

上記ではざっくりと結論の方向性だけ書きましたが、下記ではなぜカジュアル面談が増えてきたのか、新田は増やす必要があると考えているのか、2030年にそのような変化になるのかについて深ぼりしていきます。

上記の流れの中で一番大きな変化は、「カジュアル面談の増加」です。

カジュアル面談が増える(増えたほうが良い)と見込んでいる理由は、以下のとおりです。

※書いていたら「PEST分析だなこれ笑」となったので、PEST分析スタイルで書きました)

※少し見えづらいですが、そのまま「→」を使ってカジュアル面談が増える・増えたほうがいい理由を書きました

・ ・ ・

<カジュアル面談が増える(増えたほうが良い)と見込んでいる理由>

(政治/Political)

■働き方改革の潮流継続(産休/育休取得増加、リモートワークの推奨)
■デジタル庁の新設(脱ハンコ など)

 →2020年までの働きかたそのものが変革されつつある
 →これまでの人材確保の方法(=面接1-2回)ではない、新しい方法が模索されるタイミングがマクロ的に来ている
(経済/Economical)

■労働人口が減る & AIの代替が増える

 →ハイクラス人材は替えが利かないので重宝される=年収が上がる
 →大企業はお金で勝負してもいいが、中小企業はこの高い年収を払えないので、ミッション社会的意義といったところで口説かないといけない
 →つまり、1-2回の面接ではなく、5-10回のカジュアル面談でじわじわと口説くしかない
(社会/Social, Culture)

■ハイクラス人材ほど年収よりも、業務内容/ワークアズライフ/社会貢献/人間関係の充実という要素を大切にする風潮がでてきている

 →業務内容や働き方、会社の社会的意義・人間関係の雰囲気を伝えるには、1-2回の面接では厳しく、5-10回のカジュアル面談を設けないと伝えきれない

■8割は転職"潜在層"。みんなひっそりとチャンスをうかがっている

 →面接だと2割の"顕在層"にしかアプローチできない。カジュアル面談だと8割の"潜在層"にアプローチしてゆっくりと口説くことができる

 →そもそもハイクラス人材ほど転職市場に出てこないので、潜んでいるハイクラス人材と面接臭を出さずにカジュアル面談していくことが必勝法である

■コロナによる社会情勢の不確実性。多くの求職者が今後に備えるための準備(キャリア形成)を考え始めている

 →求職者としても、職を失わないためにも次の職を淡々と準備しておく必要が出てきている。今すぐの転職でなくても話を進めることができるカジュアル面談であれば、求職者は先手を打つことができる(企業としてもいざというときに採用できるので助かる)

■ネオデジタルネイティブ世代(1990年前後生まれ)の年齢上昇。社会の中核世代はデジタルが当たり前に

 →デジタルの得意技の一つに「マッチング」がある。今後の若い世代は「デジタルマッチング」になんの抵抗もなくなる(例:婚活・恋愛マッチングアプリ)

 →まだ人(アナログ)が介在している採用・転職のマッチングはよりデジタル化される

 →デジタルマッチングによって、これまでよりも①早く②質が高い③多くの企業に出会うことができる

 →デジタルによって生まれた①時間②質③量を、アナログマッチング(カジュアル面談)に使える

 →デジタルマッチングした企業と1-3年かけてカジュアル面談をおこない、一番フィットしそうな企業や働き方を探しておく時代がくる

■副業/複業があたりまえに

 →ハイクラス人材ほど、正社員(週5, 1つの企業)という枠組みではなく、業務委託(週1, 5つの企業)のような枠組みで働く=その方が単価も高いのでさらに一般人材との格差が広がる

 →1つの企業に依存しないため、ジョブ(自身のスペシャリスト領域)を基軸とした働きかたになる
(技術/Technology)

■Workpodsの誕生

 →WorkpodsというSuumo・Amazon・Pairsを組み合わせたようなプラットフォームができる

 →これによって、企業と求職者がより簡単につながることができる(B&C)

 →また、企業側の採用管理ツールによって採用が楽になる(B)。よって、カジュアル面談に割く時間が生まれる。(本来はこのアナログマッチングが人事採用担当者の仕事であり強みをもつ部分。時間がかかっているマッチング・母集団形成自体はデジタルで簡単におこなえるようになる)

→さらに、求職者側の転職管理ツールによって転職も楽になる(C)。よって、転職潜在層のときに1-3年かけて企業との接点を育むことができる

→加えて、求職者が一番知りたがる「自身の市場価値」についても、Workpodsをつかって知ることができる(C)。知れることによって、自身の今の給与や会社からの評価を判断でき、人生の次の選択をじぶんなりの正解に近づけることができる=ベストな選択ができる

以上が、カジュアル面談が増える(増えたほうが良い)と見込んでいる理由です。

(やや粒度が荒い部分もありますが。笑)

これらの理由から、2030年の採用・転職は「面接1-2回の代替品として、カジュアル面談5-10回になっていくのでは」と推察します。

おわりに

あーーーー疲れました(笑)。

ただ、自分の頭の中を言語化できたので個人的には満足しています。

この記事をきっかけに、また1-2年後にちょっとした答え合わせしてみるのと、2030年に向けた考えをあらためて書いてみたいですね。

長文にもかかわらず、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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2021年5月6日(木) 毎日note 64日目 きょうは、ちょっとだけまじめnoteです。 2030年の採用・転職ってこうなってるのではないかというトイレでのひとりごとを記事にしました。 面接とカジュアル面談に焦点をあてて書いております。 ・×面接1-2回 ・◎カジュアル面談5-10回 ・実体験とPEST分析

Posted by 新田 順 on Thursday, May 6, 2021


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