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通知表の見方

私は小学校教員をしています。私が勤める自治体は2期制をとっているため、成績は前期、後期の2回です。なので、最近通知表をもらったというご家庭も多いかと思います。そこで今回は通知表の見方をご紹介をします。見方がわかると、活用方法も見えてきます。

通知表からは見えてこない

まず伝えたいことは、通知表の成績はある期間の成績の総合評価ということです。総合評価なのでその原因を掘り下げるのはとても難しいです。

例えば国語の知識・理解は、漢字テストではこれくらいで、この単元のテストではこれくらいでこのときの記述ではこうで、それが総合的に考えて◎になるか○になるか△になるかという判断をしています。

つまり、何を頑張ればいいのかは通知表だけでは見えてきません。結果のみが分かります。だから、通知表の成績は参考程度に見ることしかできないというのが私の意見です。では、どこを見ればよいのでしょうか。

通知表には多くの表記がありますが、私が着目してほしい箇所は2つです。

○主体的に学習に取り組む態度

これは各教科の評価項目の3つ目にあると思います。なぜこれが大切かと言うと、学習内容を理解しているだけではとれない評価項目だからです。

簡単に言うと、学習内容をすべて理解していて、テストが全て100点であっても◎をとれるかどうかはわかりません。

授業中の学習態度、最後まで諦めない、できることを考えるなどどの部分を評価でとるのかは先生によってばらばらですが、要は一生懸命に学習しているのかということです。

これは親御さんが一番気にするところではないでしょうか。内容の理解度はテストを見ればわかります(子どもが隠している場合はわかりませんが笑)。しかし、学校での様子はわかりません。個人懇談などで聞くことはできますが、時間が決まっていたり、先生方も子どものことの良い部分を中心に伝えたりするので、本当の姿が見えてきません。

その点、成績表は真実を表します。おべっかがありません。いいものはいい。悪いものは悪い。だからこの項目は、学校で一生懸命学習に取り組んでいるのかを見とるのに最適です。

知識はあとからすぐに身につきます。しかし、学校での学習習慣は一朝一夕では無理です。この習慣が通知表であらわれるのが、この項目だと考えています。ここが△のときは、お子様の学習状態を真剣に考えたほうがよいと思います。この項目の△は知識や技能ではないので、努力次第でなくせます。もし具体的にどうすればよいのかが分からない場合は、担任の先生に直接聞くことをおすすめします。

○行動の記録

主体的に学習に取り組む態度と同様に、学校生活で身につけておいたほうがよい習慣をあらわしているのが、行動の記録の欄です。

基本的な生活習慣、健康・体力の向上、自主・自律などがあるところです。

この行動の記録はその子がとくに素晴らしい部分をあらわしています。

まず通知表を見て、どこに〇がついているのか確認してください。親御さんとして、この項目の中でどれに○がついていてほしいですか?言い方を変えると、どこの部分が子どもが成長する上で大切だ思いますか?

これは親御さんによって違うと思います。ちがっていいのです。考えてほしいのは、大事にしたいという思いがお子さんに伝わっているかどうかです。

私の息子は来年度から小学生なので、まだ通知表をもらったことがありません。私は人に優しく接してあげることを最重要項目と捉えていて、日頃から話をしたり行動させたりしています。

だから、私の場合は「思いやり・協力」の項目がついているのかを確認します。そして、その項目がつくように声掛けしていくつもりです。

まとめ

以上が私が考える通知表の見方です。
ここに書いたことを、通知表を渡すときには必ずクラスの子どもにも伝えます。そして、前向きに明日から学校生活を送れるよう声掛けをします。

通知表は年に数回しかもらえません。振り返りの材料としては不十分ですが、先生方が時間をかけて評価して、点検をしていることは事実です。

悪いところを探す材料ではなく、これから前を向ける材料として活用していただけると教員としても幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。

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