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本当の優しさとは何か?

昨日、優しさをなくなってしまわないようにという話をnoteで書いた。

睡眠不足などにより、自分に余裕がなくなると相手にも優しくできなくなり、結果的に自己嫌悪に陥ってしまうことがある。

ただ、そもそも優しさとは何かと尋ねられると千差万別。

人によって変わっていく言葉の一つである。

相手の自尊心を傷つけないこと

東田直樹さんは、『自閉症の僕が跳びはねる理由』という本のなかで優しさについて書かれていた。

僕が言いたいのは、難しい言葉をつかって話して欲しい、と言っているわけではありません。年齢相応の態度で接して欲しいのです。  
赤ちゃん扱いされるたびに、みじめな気持ちになり、僕たちには永遠に未来は訪れないような気がします。  
本当の優しさというのは、相手の自尊心を傷つけないことだと思うのです。

『自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)』東田 直樹著

東田直樹さんは、会話はできませんが、訓練により、筆談やパソコンで原稿を書けるようになった。

そのなかで自閉症の人の心の中を東田さんの見解で説明することで、少しでも皆んなの助けになればと本を世に出されている。

人はよかれと思って相手に対して接する事柄が、時にして相手の自尊心を傷つけてしまう。

その一つが、理解していない人への声掛けがある。

相手の声に耳を傾ける

大きな声を出してしまうのも、出したいから出しているのではなく、反射的に出てしまうと語られていた。

僕も静かにしたいのです。  けれども、僕たちは口を閉じるとか、静かにするとか言われても、そのやり方が分からないのです。  
声は僕らの呼吸のように、僕らの口から出て行くものだという感じです。

『自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)』東田 直樹著

表面に出ている行動から、どのような声を聴き取るか。

完全に理解できないかもしれない。

ただ、もし東田直樹さんのように心の中を言語化してくださるような本があれば、読み知っていきたいと思う。

飛びはねる理由

最後に、本書のタイトルにある跳びはねる理由について紹介したい。

僕が、ピョンピョン手を叩きながら跳びはねる時、一体どんな気持ちだと思いますか?  
すごく興奮しているから、何にもわかってないと思われているでしょう。  
僕は跳びはねている時、気持ちは空に向かっています。空に吸い込まれてしまいたい思いが、僕の心を揺さぶるのです。  
跳んでいる自分の足、叩いている時の手など、自分の体の部分がよく分かるから気持ち良いことも、跳びはねる理由のひとつですが、最近もうひとつわかったことがあります。  
それは、体が悲しいことや嬉しいことに反応することです。

『自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)』東田 直樹著

自分であっても、いまやっていることに理由がわかっていることもあれば、わからないこともある。

そのなかで東田さんが、ここまで内面と向き合い体が悲しいことや嬉しいことに反応していると書かれていたことに、なんだか心が揺さぶられた。

よくわからない行動を自分の理解で決めつけないこと。

そんなことを大切にしながら、相手の自尊心を傷つけないように聴いていきたい。

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