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日本の大学院(博士課程)が衰退する理由


この程度の駄文を書いて飯を食える人間がいるということには驚きましたが、博士号取得者が減っているのは何も驚く事ではありません。


理由は簡単。博士号取得者に需要が無いからです。


これは別に終身雇用社会であろうとジョブ型社会であろうと同じであり、べらぼうに高い学費と3~5年という時間を使って得られるものが「骨折り損のくたびれ儲け」だけなら、誰が博士課程なんかに行くかい!ということです。


しかもやることが重箱の隅を楊枝でほじくるようなことであり、その研究内容も指導教授の「好み」に合うよう忖度しなければ学位がもらえないときたものですから、医者などのごく一部の権威が政治的にモノを言う世界でなければ博士号なんて取る意味がありません。


ましてや大学を含めた研究ポストなんて緊縮財政で年々先細りですし、カネが目当てなのであれば海外の大学院で教育を受けながらコネを作って、日本とは比べ物にならない報酬を出す海外の研究所などで研究したいという人の方が多いでしょう。


なので、博士課程に行くのは金とヒマを持て余している年寄りだけになり、大学院は年寄りの道楽、老人会や養老ホームになっていくでしょう。


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これが例えばアメリカだったら話は違います。

例えば、アメリカ軍は将校でも佐官級以上(大尉より上)に昇進したい場合は最低限修士号の取得ないし取得予定が昇進の必須要件になっていますし、将官になるとなれば、博士号が最低限の資格の一つになります。

このように、昇進や昇給などと保有学位が密接にくっついているのであれば、当然ながらリカレント教育として社会人になって働きながら大学院に行くという選択肢を取る人も多くなるでしょう。

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もちろん、積極財政で研究ポストを創るということは大切ですが、肝心の博士課程の中身が旧態依然の「重箱の隅を楊枝でほじくる」くだらない事実研究や、空理空論を弄ぶモデル作りに勤しむだけなら、仮に研究ポストを増やしたところで学問の発展は望むべくもありません。

(資料の整備は進むかもしれませんが)


むしろ、昨日投稿した「研究者自身が独自の不労所得を創って研究を続ける」というスタイルの方に可能性を感じます。


もともと近代のこうしたアカデミックなものの経済的バックボーンは、王侯貴族というパトロンの支援を受けて有用性という縛りからも解放されて好きなことを好き勝手に突き詰めるということが原点にありました。


なので、かつては金を出す王侯貴族と、実際に研究をする研究者・科学者の別々だったものが、自分の生活や研究に必要な不労所得の源泉を自分自身で創る、パトロンと研究者が漫画「ドラゴンボール」に出てくるフュージョンのように一体化した「FIRE研究者」が面白いことをやれそうな気がします。


資金源が自分自身ですので、誰に忖度するわけでもなく自分の突き詰めたいテーマを自由に、学会の「お作法」とも無関係に精神を解放して研究できますので、現状で可能性があるとすればこちらの方かなと思います。


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私自身も古代ギリシャ哲学研究という全く以て経済的需要の無い学問分野を探究していきたいですので、特にそう思います。


研究所などで雇われると、やれ成果だの、やれ社会還元だのといったくだらないことばかり強要されますので、それなら自分で不労所得の収入源を創って、自分の資金で好き勝手にやれる方が断然良いです。


こういう想いは、自分で選挙資金を用意してウォール街の意向ガン無視で大統領選挙に出て当選したドナルド・トランプを見たことで、時代もこういう方向に流れているなという追い風の吹いていることを感じました。


古代ギリシャ哲学研究も、私自身の学問力を磨き上げることと、本当に純粋なそれ自体に対する興味という動機しかありませんので、研究成果とか社会還元なんて言われても正直困ります。


もちろんアウトプットは出せますが、出したところで受け取る側はチンプンカンプンでしょうし、私もそんなのを相手にするくらいなら、自給自足型・生活保障共同体の中で同じく武道を学問化すべく研鑽している同志たちに学んだことを伝える方がずっと良いです。


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話は脱線しましたが、大学院教育が衰退しているのも、緊縮財政による経済的側面がまず第一にあるということです。


これを何とかしない限り、何をどう弄り回したところで日本の大学院教育は衰退の一途を辿るでしょう。

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