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稽古と思弁:気付いたこと

本格的な冬になったのもあり、なかなか外に稽古に出られなくなりました(交通事情的な意味で)。

そこで、今までの季節以上に自宅周辺での稽古が中心になりますが、そこでふと思いあたったことがあるので記録に留めておきます。

山東派二天一流の流れにある兵法二天一流玄信派の最後の形は「五法之太刀」で構成されています。

これは中段、上段、下段、左脇構え、右脇構えの五つの構えで構成されています。

ここで五法の詳しい解説はしませんが、稽古していく中で、これらの五つの構えから繰り出される技が互いに極めて連関し合っているということを感じとれるようになりました。

また、上段に関して極めて大きな発見をしました。

兵法二天一流の上段はもちろん二刀での上段であり、小太刀は中段と同じですが、太刀は上段に「耳に比ぶる」という教えに基づいて、刀身が敵から隠れるように、柄頭を相手の方に向けた形で構えます。

そして上段は、剣道などでは「火の位」と言われており、烈火のごとき激しい攻撃を繰り出す構えと言われています。

現在ある上段の形は、上段の太刀から相手が刀で斬ってくるのを外してそのまま下の方で十文字に押さえ込むという形になっていますが、これは形の上でのことであり、実際にはこちらも相手に打ち込んで、相手に外されてしまったからそのまま敵の太刀を抑え込むという形になるのではないかと思いました。

実戦の利合いで言えば、『五輪書』にあるとおり、上段から「向こう側に」打ち込み、外したら下段からまたすくい上げるようにして打つという、『兵道鏡』にある「有無二剣」のように連続して攻撃を繰り出す「火の位」というにふさわしい制圧剣技となるのではないかと思いました。

この技の形からすれば、一対一はもちろんのこと、一対多数の戦いでもこのような「有無二剣」的な連続攻撃を繰り出していたし、そういう攻め方もできるのではないかと考えました。

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さらに、上段の形の最後は、相手が突いて来たところを小太刀を立てて敵の太刀を逸らし、死に手となったところを切先返しの紅葉の打で敵の刀を叩き落とすものです。

これも形としてあるのは稽古のためであり、実戦においては、敵の突きを小太刀で逸らすとともに入身をかけ、それと同時に太刀の方は斬り上げで敵の腕を斬り落とし、そのまま切先返しの返す太刀で敵を唐竹割りに一刀両断するという形になるのではないかと思いました。

それを敵が辛くも躱した時は、さらに有無二剣の要領で返す半身で小太刀で突き、さらにまた太刀で追撃するといった形に派生させることができるのではないかと考えていました。

ここまでくれば、上段の極め太刀が万が一仕損じた場合は、右脇構えから繰り出すような連続技になることもあるのではないかと思った次第です。

剣術を実際にやったことのない人にはイメージしにくいと思いますが、備忘録的に書きとどめておきます。

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