総額2万のシルクスクリーン印刷とBlenderでの設計
こういうTシャツが欲しい
というイメージがあってシルクスクリーンにチャレンジした。あと紙に印画して額装できるようになっても面白いかなぁとか思ってね。とにかく最安値&ミニマムな環境づくりが最大の目標。当noteはスピード優先なので相当映えない写真が多い。かかったコストは2万円くらい。
悩む時間(最初の)
まずは「やろうかな」「やっぱ辞めようかな」の繰り返しで2カ月くらい悩んでいた。まぁこれから先も悩みパートは永遠続くんだけど、シルクスクリーンを調べれば調べるほど面倒で金はかかるし実践ありきの部分が多くなかなか踏み出せないでいた。言っちゃえば別にシルクがやりたいわけでなく安く自分好みのシャツが手に入ればいいのだ。ユニクロのUTme!はデザイン審査で自分のデザインは絶対に審査落ちするだろうし、メジャーどころのTシャツくんセットは高すぎるし大きいサイズだともっと金がかかる。レゴのように枠が可変できるスリマッカは置き場コストが小さく好きなアイデアなのだが枠で5000円は高い。
散歩のついでに¥1350。
散歩ついでにホームセンターに寄ったことで準備が前進する。枠用の木材
とペンキ。スキージを購入。それぞれが¥450くらいで占めて¥1350。
細かい心理描写は割愛するがこの後また「やっぱ辞めようかな期」が来て木材は部屋のかたすみに永遠置くしかないかなと諦めたこともあった。それくらい自分にとってはめんどくさいのだ。
とりあえず枠作る
材料が手元にあるのでとりあえず枠作るかと腰をあげる。いつもなら2Dの設計図で詰めるところなのだが「組んだ枠の外径をスクリーンサイズと一致させる」という計算をするのが面倒くさく。仕事で使っていたブレンダーを使ってみるとこれがとても良い。単位をセンチにして材料の木材の寸法やらなにやらを入れるだけでパソコンの中で設計が全て完結した。
こんなの紙で設計できるだろという声が聞こえてくる。出来たもんはチンケでたしかに紙でもできるんだけど実際の比率を保ちながら紙の上orお絵描きソフトの中であれやこれや試行錯誤するのに比べると段違いのわかりやすさだ。
感光方法をどうするか¥1800。
木枠を作ってしまったのでいよいよ感光方法を決めねばなるまい。すなわちブラックライトor日光どちらにするかだ。一時は日光最強じゃんと心傾いたのだが晴れの日と限定しても15秒説、45秒説、1分半説など説はさまざまだしだし、安パイを求めると都度都度の作業前感光テストが必須だがテストしてる間に空模様が変わるかもしれないしそんなこと毎度やってたら死んでしまいます。そんなこんなで日光プランはやめにした。しかしブラックライトプランも難はあり値段が高いのだ。5000~8000円くらいはかかる。そもそも用途がニッチだし世はLED時代。蛍光灯に関するあれこれがそもそも買いづらい。紫外線が多量に出ればいいので誘虫灯ケミカルランプなるものでもいいのだが。手に入りやすいのはレジン用のライトと虫を集めてバチっと駆除するアレ。どちらもシルクの版を露光させるには不向きだ。あとは実は紫外線が出てないというレビュー多数の中華製UVライトでこれは論外。なんとか3000円以内に収めたかったのでメルカリを覗いていたらある日良さそうな品があったので落札。
アメリカで何十年前に買ったというのは怖さしか無かったが売主さん自身が同じ関東住みで点灯できているようだし2000円切っていて対応も真摯だったので決めた。ちなみに購入前からわかってたことだがこの製品は60ヘルツ仕様。関東は50ヘルツなわけで、まぁずっと点灯するわけでもないのでね、、テスト機材がないけど蛍光灯の寸法は15型の蛍光灯と同じものなのでワンチャン切れても交換できるかもしれない。
延長コードにで刺してみるとあれ?刺さらない、と思ったらコンセントの片側がでかいやつだ、存在は知っていたが初めて見た。こういうのは出品時に書いておいて欲しいけどまぁ2000円だしね。対応するタップをかませて、うん、動作問題無し。点灯するまでの間やチカチカ音など全てが懐かしい。まるでホラー映画のワンシーンだ。ちなみにたいがい壁のコンセントなら片側がでかいのでどの家庭でも刺さると思いますよ。たぶん。人によってはけずって細くするらしい。
Tシャツを決めよう¥2400。
ライトが手に入ったのは大きい。実はこの時点でデザインもキッチリとは決めていないしTシャツのブランドも色もなにもかも未決定。行き当たりばったりと言われればそれまでなんだけど購入できるか不確定だったり厄介そうな物から順に買ってます、たぶん。
ということでシャツを選定。ユナイテッドアスレかあのフルーツのやつ(フルーツオブルームというらしい)だろうと思っていたので手に入りやすかったアスレのスミ色というシャツに決めて注文。名前も実物の色もかっこいい。好み的には白なのだが汚れが目立つのが嫌なので黒系にした。¥1200くらい。
同日世界堂に行ってみる。インクやらは以前置いていた気がするしワンチャンTシャツも売ってるかもしれん思ったんだけど行った店にはそれらは無かった。版作成時&刷り時になんらかの下敷きが必要だと思ったのでB3パネルを購入。自分のTシャツの中に入る、かつ最大サイズがB3。あとちょっと良さげなスキージが安かったので購入。それぞれ¥600¥350ってところか。
この買い物をきっかけにスクリーンに対してスキージが固すぎないかという不安がよぎりアマゾンで以下を購入。
お風呂掃除用だ。300円しなかったので一応買ったけどこれが1番用途に向いてそうな気がする、気だけど。無駄にスキージばかり増えていく。
だんだん悩むのがしんどくなってくる¥9000。
まだ購入を悩んでいたものがあってそれは「貼って剥がせるスプレーのり」。版をスクリーンと密着させて製版精度を上げる為。そして印刷時にパネルに塗りシャツが動いてしまうことを防ぐ為。2000円するし絶対これ以外の用途で使わないのが癪だったんだけどこれは必要かな。
それとどれを購入するかで悩んだのがOHPフィルム。ざっくりまともなメーカーの20枚入りが1500円に対して中華メイドが100枚入りで2000円。100枚も絶対いらない反面20枚も絶対足りないので中華メイドを購入。
結論から言うとトナーがしっかり乗らないミスプリが35%くらいの確立で生まれるんだけどそこは枚数でカバーした。アマゾン説明や商品オモテには「両面印刷可」とあるのに裏には「保護の紙が付いてるほうがオモテだからね」と記述があり謎。しかも当然「紙・フィルム・紙・フィルム・紙」で入ってるもんだから「紙が付いてるほうがオモテだからね」という説明も謎。安定の全てが謎。結論どっちで印刷しても違いはわからん。普通紙に印刷したものをサラダ油に浸して白部分を透過させるというテクニックもあったが透過性を優先した。
そして1番高いので買うのを後回しにしていたのがスクリーン。最大限安くあげようと思ったら網に感光乳剤塗る工法なんだろうがそれはエグすぎるのでスクリーンはTシャツくん製品一択。刷りたいサイズだとワイドっつーサイズが適当だ。5枚で5000円くらい。目は初心者オススメの120番。
けっこう金がかかってバカバカしくもなってくる¥4300。
これが最後の買い物(多分)世界堂オンラインでインクを購入。白は必須だけど黒も買うか、何グラム買うか悩んだがどうせ家族も刷りたがるので300gのを黒白どっちも買った。アマゾンでも売ってるけど2000円。世界堂だと1650円に+送料。店で買えるならたぶんそっちのが安い。あとTシャツくん公式動画を見ていて版についたインクを集めるヘラが必要そうだし安かったので購入。
露光機設計¥450。
同時並行で感光機の検討。よくみる段ボールタイプは箱を管理するのが面倒だったし、自分は夜間に作業をするつもりだったのでとにかくある程度の高さに固定できてバラせるものを設計した。
ベースは木で、傘の部分は段ボール。必要最低限のパーツ数、制作工程で最大限光を真下に集めれるように設計をしたつもり。箱が無いので移動すれば端から端までしっかり感光できるかな。なーんてことも考えた。しかし移動する場合の時間算出と実際作るのが面倒になってやめた。んで次に作ったのがこれ。
要は先人達オススメのプランに戻ったわけです、図ではつくってないけど余る予定のOHPフィルム的なもんを箱にくっつけてライトを吊るせばいいかなぁと、箱は畳めるように作ってね。用事のついでに箱を西友で買ってきたので時間がある時にこれを作る。¥450。
というつもりだったんですが。「夜に感光作業するならライトを固定すればいいだけのハナシで箱は要らないんじゃないか」と思ったわけです、それでできあがったのがこれ。
設計の工程は茶番だったわけなんですけど、真面目な話ブレンダーで設計する過程での発見は大きかった。ブレンダーでの設計過程が無ければこの吊るすだけでOKの発想に至れなかった可能性もあったと思う。設計におけるブレンダーの有用性に触れられた事と無駄にブラックライトやらのマテリアルを作りこんだことでノードの良い練習になったりとシルクの準備で良い勉強ができた。結果的にもミニマムなものができて満足。床からの高さは勘で決めた。
感光テスト
準備も材料もそろったので感光テストを行う。使うのはこれ。
スクリーンのはじっこをほそーく切り取ってその上にOHPシートに図①を印刷したものを乗せる。この細さなら余ったシートが本番に使えそうだしね。
で図②のように10秒ごとにズラし感光させることでちょうど良い感光時間を探ろうというわけです。ネットにおける先人様の入れ知恵テクニックです、ありがたい。OHPシートも1枚だと黒が弱い場合があるっつーんで4枚重ねてます。
でやってみた結果がこれ。
右のほうはグズグズになってますね、このテストは左端のマスでマックス4分露光してます。右側は露光時間が短すぎるということ。自分の結論は「5分10秒でやってみよう」です。なぜ4分以上にしたかというと
1番露光時間が長かったはずの1そして2もハゲちゃってるんですよね。で34はそこそこまとも。じつはテストで見たかったことがもうひとつあって
ライトの真下だけで時間を割り出すと本番で周辺が露光足りてないんじゃないかという懸念ですね、んでテストはどうやっていたかというと
テストとしては無茶なんですがこのようにナナメに配置しました。要はもう1本スクリーンを切る準備や2回露光をやらなきゃいけなくなるのが嫌だったんですね、本来は真下用と周辺用の2本でテストしたほうがいいでしょう。
厳密にはこれテスト不成立なんですがとりあえず4分では周辺光量が不足してるっぽいので5分。(無根拠)プラス10秒オマケして(更に無根拠)上記の時間を決めたわけです。要はカンですね。これでも周辺は足りないかもしれないし、逆に真下は過剰になる可能性もありますが、検証にもう疲れた。
ちなみにテスト用のスクリーンを暗闇の中で切り取る作業がとてもストレスフル(頭痛が痛い)でした。黒バック&最低光量にしたPCモニタの光を頼りに作業をしたんですがそもそもTシャツくんの説明書が読めない、読んだところで結局やるしかないなーていう内容だったんだけど。
デザイン作ってOHPシートに印刷しよう
デザインはほぼ決まっていたのでサイズと位置をサクっと決める。デザインはきわどいので非公開。悩んだのが版の隙間に別のデザインを刷ってもマスキングテープで埋めれば印刷時オンオフを操作できるというテクニック。家族のラクガキが丁度よさげだったのでテストも兼ねて数点を配置した。
自宅のプリンターはA4なので2枚をくっつけてOHP版とすることとなる、4枚重ねるので計8枚刷ればいい。その後シートへ印刷するわけだが先述の通りけっこうな確率で印刷がスレる。OHPシートに原因があることは明白なのでひたすら必要枚数に達するまでガチャのように続ける。プリンタは1階にあるやらシートは1枚づつ薄紙に挟まれているわで何度も往復しほんとに面倒くさかった。トナーとかプリンタとかは今回のコストに含んでいないけどキンコーズが使える人はそっちを使ってもいいでしょう。OHPが揃ったのでセロテープでくっつける。印刷面がズレないように慎重に。これすごくめんどくさいです。
本番こわい
忘れないうちに先に書いておくとこの露光作業ではスプレーのりは使わなかった。実際に手順を想像した際に
・スプレーは透明とはいえ透明度を下げる、ムラもできるだろう
・フィルムをスクリーンから剥がす際、スクリーンにダメージがありそう
・スプレーのりをそのそもフィルムにかける作業がめんどう、絶対ゴミつきそう。
と考えたのだ。その代わり思い当たったのがガラスを乗せる事。これも先人の知恵で知っていたのだが問題はガラスの用意だった。近くの熱帯魚屋でガラス蓋が千円ちょっとくらいであったなーサイズは十分かなぁ?邪魔なアイテムだなーとか思っていたのだが盲点なことに家にある戸棚のガラスが使えることに気が付いた、これを使おう。
もう脳内シミュレーションでアラが出てこなくなったので実践することにした。家族が寝た後に手順書通り部屋の電気を消していく。特にお風呂場のセッティングは慎重に。
露光機まわりのセッティングが済んだらスイッチオン!!露光作業中ライトをゆらゆら揺らしてできるだけまんべんなく光を当てる作戦、たぶんけっこう意味ある。5分と15秒が経過したあたりでスイッチを切る。もうまわりにはまともな量の紫外線は無い(はず)なので慎重に版を風呂場に運ぶ。
事前調査では「とにかくスピードスピード!」という資料が多かったが夜で電気を消していればそんな焦る必要はなかろうと思う。まずは版を水平に置いて、慎重にシャワーの水量を調整する。いくつか参考動画を見たがスポンジで強くこすり過ぎて版を壊していたケースがあったのでまずはよわーくシャワーをかけていく、幸いうちのシャワーには霧吹きモード的なやつがあるのでそれを使った。かけていくと数秒で版が抜けてきたのが確認できた、こういう時暗いともどかしいのだがうっすらと しかし確実に柄が見えている。焦る気持ちを押さえつつもまんべんなく、かつソフトにシャワーする。もういいだろうというところで裏返して裏にもシャワー。LEDのライトを少し近づけて確認すると細かいところもキレイにぬけているっぽい。
覚悟を決めて電気をつける。こういう不可逆かつ確認しながらの作業は不慣れでとても緊張する。結果はOKそうだ!
ここまで読んでもらって申し訳ないとは思うがカンベンしてほしい。本題だがかなりきれいに抜けている、成功だ!片付け&ある程度水切りをして定着の為再度ブラックライトに当てる、もう電気を点けても問題なく、とても開放的。
これはOHPシートのフチだ、透明とはいえ4層+手持ちのブラックライト光量x5分15秒(厳密には更に+ガラス)という条件ではまだ露光の余地ありということだ。結果には満足しているがシート4枚重ねて灯りを見てみると版がしっかり遮光しているように感じる。次回は6分30秒くらいやってもいいかなと思っている(無根拠)
次回はいよいよ印刷工程ですね。印刷したら続き書きます。 つづく
スクリーン貼りのテンションを考える
もうあとは難しいことはたいして無いと思っていたのだがまだ悩ましいことがあった。どうやら「スクリーンは太鼓みたく音が鳴るくらいパンパンに強く張る!」のがベターらしいのだ。
いや正確に言うと聞いてはいたのだがスクリーンを触ったこともなかったので貼りやすさよりも印刷サイズの確保を優先して枠を設計したのだ。
自分の知っている方法は上記のイメージだ。「ググーっと引っ張る」とあるがこれは直線運動でなくテコの原理を使う器具だ、これで引っ張ってる間に側面にガンタッカを打ち込む。(「けっこう高い」とか書いちゃったけど1000円ちょっとで買えますね。まあ邪魔だからあまり買いたくない)
今回はスクリーンサイズギリに枠を設計したのでそもそも側面まで折り込む余りが無いのだ。この条件で強く張る方法を考えて1番気に入った方法がこれ
厳密には釘でなく木ネジ。ひたすらこれでスクリーンにテンションをかける。この方法でもやりようはあったと思うが、スクリーンが割けたり均等にテンションがかからない等の失敗パターンも考えられる。なにより大がかりで面倒だし成功しても保管時にネジ頭が床やら傷つけそうで却下した。
できるだけ強く張ろう
考えても上記を超えるアイデアが出なかったので小細工せずに張ることにした。引っ張る力に対してスクリーンは思ったりより強く、厚手のビニールシートのような強度だと感じた。割けるような力にも思ったより強そうで手で引っ張る力くらいならガンダッカの針で固定できそうだ。中心から指で引っ張りながらタッカを打ち込んでいく。パネルに画学生が紙を水張りするテクニックもよぎったがスクリーンは化繊で伸縮しなそうで張りづらくなるだけっぽい。で出来たのがコレ
黄色いのは5センチ幅くらいのマスキングデープだ。万一枠とスクリーンの隙間からインクが漏れたら嫌なので。これは刷ったあとに思ったのだが、よほど枠の隅にインクを押し込むようなアクションをしなければそのような漏れは発生しないと思う。タッカが透けて見える。
このまま刷ると今回刷るつもりのない家族のラクガキも一緒に印刷されてしまうのでインクを乗せるのと反対の面からマスキングテープで塞ぐ。
Tシャツ側の準備しよう
出来た枠を実際にシャツに置いて位置をきめたらマスキングテープで印をつける(後で写真あり)。で次はこの前買った木のパネルにスプレーのりする。
実は数年前に買っていた残量3割ほどのミニ缶で十分スプレーできたので今回買った430mlはまるまる使わなかった。「貼って剥がせる」の名の通り繰り返し使えるとはいえ永遠に同程度の吸着性を維持するわけもないので次回また必要になるだろう、なので無駄ではない、ぜったいに。
でパネルに適度なひっかかりが生まれた。これがなければシャツがスルスル動いて印刷しづらいと思う。次はシャツの中にこいつを入れる。印刷時必要な適度の摩擦だが、シャツに入れる時はめちゃくちゃうざい。なんとか入れてみたものがこれだ。
たぶんシャツの中に入れず下に敷いてもいいし、パネルにのりスプレーしなくてもそこそこ刷れるとは思う。ただ作業性向上と印刷精度の為にはやったほうが良かろうと思ってこうした。
枠の”浮かせ”をどうするか
実はシャツの準備ができてから決めたいことがまだあった。それは「枠をどれくらい浮かせて印刷しようか?」ということ。そんなテクニックを聞いていたのだけれど、絵を描くのがめんどいので字面だけで仮定の話を進めると
①シャツとスクリーンがゼロ距離で接触し
②その上をスキージがインクを押し伸ばす動きをし
③(現実にはありえないことだが)スキージが完璧にインクを濾しとった
という場合、スクリーンの厚み分しかインクはシャツに印刷されないことになり黒字に白の印刷の場合などはインクの透けてしまう。対処として版を浮かせたりインク乾燥後に2度刷りをしたりするらしい。
自分の作った版枠xTシャツ=〇〇mmの浮かせがベスト!というようなことは調べても分からなそうなので実際シャツの上で置いたり、浮かせたり、スキージを押し込んだりして想像してみる。その結果「わりばしx2の厚み」程度浮かせることにした。フィーリングです。
適度な長さに切った割りばしをx8本作って2本づつガムテで止めて4セットつくったものを枠にテープでくっつける。
これを作っていたのは深夜で、今日どこまでやろうか決めていなかったのだが、ここまで来たら刷りまで一気にやってしまおうと思う。
印刷こわい¥1200
ここまでの工程の多くはやり直しがけっこう効いた。でもシャツにインクが付いたらやり直しが効かない。(実は即洗うことでインクはけっこう落ちるらしいが)
まずは隅にインクを載せていく、枠に対して印刷サイズがデカめなので載せるスペースが狭く苦労する。
浮いているスクリーンをスキージを押し込んでTシャツに触れさせる。そのイメージで覚悟を決めてスキージを動かす。
半分すると網越しに結果がうすら見えてくる。おや、浮かせすぎたのが外周部にスクリーンが触れてないように見える、嫌な汗が出る。とりあえず最後までスキージする。うーん、網越しに見える情報は限定されている。①Tシャツにインクは付いたのか、インクの厚みは適当か ②はみ出ちゃいけない部分にはみ出ていないか そういった情報がわかりそうでわからない。
外周部が刷れていないのは濃厚なので反対側にインクを載せてもう一回スキージ。上からの圧をさっきより強めて外周部分もシャツにしっかり触れていることを確認しながらゆっくりとスキージした。そしてなんとなく横方向だけでなく縦方向にもスキージ。
版をシャツから剥がしたら未乾燥状態で同じ場所に設置しなおすのはまず不可能だと思う。他にやるべきことは無いか?と検討するがもうやることも尽きたっぽいので慎重に、そろ~っと版を剥がしてみる。結果!
はみ出してる~( ´艸`) 実際に少し疲れすぎて笑ってたと思う。これは大成功ではない。もう1枚シャツ¥1200を買うことが決定した。洗って素地として再利用しようかとも思ったが浮かせた分インクの厚みがリッチでインクもったいね&貰い手のアテが無い訳でもないのでこれはこれで乾燥させてみる。
再考 枠の”浮かせ” そして成功
おそらくはみ出しの原因は浮かせすぎだと思う
①浮かせすぎ→外周部がきれいに印字されず
②フォローの為に複数回スキージすることではみ出す
わりばし1本分にしようかとも思ったが、印刷が薄かった場合は乾燥後2度刷りするつもりで浮かせ器具はとっぱらうことにした。んでスキージ。
版の網越しに結果が多少わかる。白いインク越しに黒の素地がうすら見える。がインクが十分に厚く載っているところもある。インクを追加し力加減をやや弱めにして適切なインクが残るようにスキージ。前回は右、左、上から下からと4回くらいスキージしたが今回は左右1回づつ。結果
成功してるお~(^ω^) インクが黒をそこそこ隠蔽できていて乾燥後も問題無さそうと思う。もし乾燥して不満ならば重ね刷りをするつもりだ。
版を剥がす際にきたインクの"もちゃっ"とした模様は時間が経過するとひび割れ原因になったりするのだろう。ドライヤー+クッキングシート?+上からアイロンとかで圧着させるのがベターと思うが、手作りっぽさがあってさほど嫌でないのでこのままにした、どのみちアイロン買わないといけないし。
Tシャツ制作自体は他の部分に別マークを刷るのでもうちっとだけ続くんじゃ状態なのだがこのnoteに書く工程はすべて終わったので感想を書こうと思う。
感想
とにかくめんどくさい。初の試みなので成功条件の洗い出しが必要なのは仕方ないとしても露光、枠作成、刷りと工程ひとつひとつがめんどくさい。反面継続的に大量生産していく場合はこの手間を許せるかもしれない、安く上がるからね。でも具体的なシーンがそんな思いつかない。例えば学園祭でクラスT作ろう!というようなケースならユニクロのサービスで事足りそうだし。自分のようにデザインが危なっかしくて委託系のサービスだとOK出なそうなケースやとにかく自宅ですべて完結させたい。そういう場合を除くと個人でやるには金やら手間やらコストがかかりすぎるなと思った。
そして扱いが微妙な問題も残ってる。まずは出来た版に愛着が沸いてしまうのだ。「刷ったら2度と刷らん」と思っていたがもしかしてまた刷りたくなるかも、もしくは刷ってという声が挙がるかも、、とか考えてしまって枠からスクリーンを剥がすのに抵抗があるのだ。別のデザインを刷りたくなったらまた枠作るなり、今度は何か適当な枠を買うのもいいかな。
Tシャツくんのスクリーンも耐用年数があるようで1年以内に露光させるべきらしい。作りたてのみ販売してる訳でもあるまいし開封して空気に触れるのがトリガーなのか、理由は不明。1年以内に五枚露光して、5つの枠…それらを保管する…?しない?
あぁ考えるだけでめんどくさい。これら拙い記録が誰かしらの参考になればいいのだが。
<おわり>
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