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〝自然〟と「人間」。映画「WALKABOUT 美しき冒険旅行」(1971)をみて
ちょっとこれは、前記事「安部公房/砂の女」の内容と偶然的に一致する内容なのだが、
大自然の中で伸び伸びと暮らすのか、
それとも、
文明が発達した都会で楽しく暮らすのか、
を対照的に
どちらが豊かか、を、二者択一的にラストに鑑賞者に問いかけてくる、という内容だった。
主人公の女性は事故で偶然的に、オーストラリアの大自然の中に放り出され、浮浪の旅を幼い弟とともに強いられるのだが、旅の途中、またも偶然的に原住民のインディアン?(オーストラリアだから正確的には〝原住民〟と呼ぶのがいいのかもしれないが)と出会い、旅の様々なお世話になる。そして、旅の終わりに、ある一軒家にたどり着き、原住民の彼は「ここで一緒に暮らそう」と主人公の彼女に提案するのだが、彼女は都会の生活に復帰することを第一に考えていたので、聞かないふりをする。
そして、なんだかんだで助かった主人公だが、数年後、都会でできた新しい彼との新婚生活の中で、あの原住民との浮浪の旅がフラッシュバックしてしまい、心の中で小さく後悔する、というラストである。
自然と生きるのが人間の本来の姿なのか…?
永遠のテーマですね。