見出し画像

ユーザーテスト in London

こんにちは。日産自動車 中目黒オフィス UIUXデザインチームの丹藤です。
今回は、3年ぶりに実施した海外リサーチについてご紹介したいと思います。
 


3年ぶりのLondonリサーチ

Londonの風景


我々UIUXデザインチームは、ユーザー理解やデザインのブラッシュアップのために、年複数回ユーザーテストデプスインタビューを、デザイナー自ら計画し、現場にて実査をしています。
また、日本のNissanConnectアプリだけではなく欧州や東南アジア版のデザインも手掛けているため、国内はもちろん海外でもリサーチを行っています。

今回、2020年以来3年ぶりに欧州にデザイナー4名で渡航しました。
欧州内でもEV販売率が伸長し、多様な方がお住まいのLondonにて、アプリの新デザインのユーザーテスト現地充電スポットの視察を実施しました。

いざ!ユーザーテスト

ユーザーテストの様子

ユーザーテストは、現地在住のEVユーザーさんに、アプリのプロトタイプを使用したテストを行いました。今回は車内のナビとの連携テストの為、ナビのプロトタイプも作成しています。
こちらの方はとにかく発話が多く、皆さんよく話してくれるのが特徴ですね。
「このデザインは自分の使っているアプリと比べて…」「…ができるの!なんていい機能なんだ!でも実際は….」などなど。

ロンドンの方にとっては、日本では問題のなかったボタン類が小さく感じられたり、アイコンが日本とは異なる解釈をされたり、日本では好評だった新機能がこちらの価値観では評価が低いと判明したり、色々と改善ポイントの見つかったテストでした。

なお、アプリ全体の評価は、デザイン性と多機能が非常に評価され、ユーザーさんが使われている他アプリと比較してLook&Feelが良いという意見や、機能では充電スポット提案をしてくれるナビ「ドアtoドアナビ」などの機能が人気でした。
特に「ドアtoドアナビ」は、現状ユーザーさんは、Mapアプリ、充電スポット検索アプリ、コネクテッドカーアプリ、場合によっては各充電プロバイダーのアプリも使い分けており、その複数アプリ使いのペインを解決すると期待されました。

充電スポット視察

日本とは異なるといえば、特にユーザーさんが話していたのが、充電スポットへの信頼性です。
日本ではアプリで充電スポットを探して空きがあれば当然使えるのが普通ですが、こちらでは「充電スポット、よく壊れてるのよ」といったコメントをよく聞きました。故障が多く、それが検索アプリに反映されていない模様で、信頼できないインフラ、と評価されていました。
….ちょっと日本では信じられない状況です。

実際に、自分達も街や郊外に出て充電スポットを確認し、充電体験をしてきました。
アプリで調べると、街中には多数の充電スポットがあります。

Southwark駅周辺の充電スポット


いざ、該当の場所に行ってみると、

どこですか??







ここか!!


街灯にしか見えないこの柱に普通充電のチャージャーが埋め込まれています。ロンドンの街中では、このような街灯に付随した充電スポットが至る所にあり、何時でも充電できます。
但し、使用にはアプリで会員登録や支払い登録を行う必要があったり、多くの場所で駐車許可証(周辺住民の方々が駐車するための許可証)や駐車代が別に必要になります。

また、郊外の大きな充電スポットでも充電体験をしました。

高速道路のSA

こういったスポットは、街中のスポットより利用/支払いがユーザーフレンドリー。
多数の充電プロバイダーがUKにはあるのですが、「会員登録不要」「クレジットカードでの決済が可能」なスポットも多いです。

 
他のスポットも空き状況を確認してみて回りましたが、、

「利用可」と表示されたスポット

壊れてる!!

UKで普及している他社検索アプリで調べて、確かに「Available」状態となっていた充電スポットですが、実際に行ってみると故障中
確かにアプリを信頼して充電スポットを探しても使えないという状況があることを身をもって経験しました。
 
・・・
このような経験を現地でデザイナーが見て感じることで、ユーザーさんを理解し、インサイトを導き出して、デザイン / UX / 機能の提案に繋げています。
今回の調査では、充電スポットについて信頼性のある情報を提供する方法はないか他部門と協議をしたり、「使えないかも」という不安に安心感を担保する他の手段や機能・UXがないかを考え、プロダクトへの反映を目指しています。

Wrap upしたボード

Londonあるある

“London is a riddle"
(ロンドンはなぞなぞである。)

- G.K.Chesterson

作家のGKチェスタトンは、喧噪と慌ただしさのある20世紀初頭のロンドンをこのように表現しましたが、最後にそんなロンドンの生活(あるある)をお伝えします。
 
なぞなぞと評されたロンドンですが、確かなことが一つ。

天気はいつも曇り

(朝9時頃の空の様子)

東京→ロンドン間は現在フライト14時間、時差は9時間あるのですが、日中日光を浴びることができないため、メンバー全員時差ボケを治すのにとても苦労しました。

また、とにかく物価が高い!
中華風うどんが2,000円、Fish&Chipsのお店が3,500円。
そして、問題の味ですが、これは定説と異なり非常に美味でした。
 
さて、交通事情となると、
地下鉄はApplepay/GooglePayのスマホ一台で支払いができ、現金不要な生活でとっても便利。
一方、車だとロンドンの街はいつでも渋滞で、セントラルロンドン(中心部)では渋滞税があり、一般道に入るだけでも (!) お金がかかります。

ここから渋滞税!の標識


そして、EV(電気自動車)インフラは整っている
充電スポットは多く、Uberを利用した際もEV車が来ることがよくあり、本当に普通の選択肢になっているなと、感じました。
3年前にロンドンで調査したメンバーも、安価なEVも市場に出て、充電インフラが拡充され、EV人口が急速に広がっていることを実感していました。

さいごに

冒頭に伝えたGKチェスタトンの格言には実は続きがあります。

“London is a Riddle, Paris is an Explanation"
(ロンドンはなぞなぞである。パリは解説だ。)

G.K.Chesterson


というわけで、今度は正解を求めてパリに飛びたいとUXリサーチャーとして画策しています。(まだ上司には言ってませんが。)

さて、日産自動車 中目黒オフィスではコネクテッドサービスをより良いものにしていくためにデザイナーを募集しています。
上記の取り組みに興味を持った方、一緒にパリに旅立ちたい方は是非応募して下さい!