阿吽の呼吸を手元に感じたい!?!「ほとけさまボールペン -二王 阿形・吽形-」
皆様、ごきげんよう。
今回は、ほとけさまボールペンの新作「ほとけさまボールペン -二王 阿形」と「ほとけさまボールペン -二王 吽形-」をご紹介いたします。
ドキドキしながらも、ウキウキするものを
「ほとけさまボールペン」は、誕生仏から始まり、阿弥陀如来、薬師如来、不動明王と続いています。今回、新作として、選んだほとけさまは、二王(仁王像)の阿形と吽形。金剛力士像とも呼ばれており、皆様にも馴染み深い、ほとけさまの一つかと思います。
二王像をよく目にする場面としては、お寺に入る際、「仁王門」と呼ばれる門の両側に祀られています。境内に入っていく人たちと仏法を守護するため、邪悪な魔ものを退ける像として、じっと睨みつけられているお姿を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
そんな阿形と吽形の形をしたボールペンが手元にあったら、ドキドキしながらも、ちょっとウキウキしてしまうかもしれない!
そんな思いから、ボールペンを作ってみることにしました。
作り始めてはみたものの…
図録や書籍などで改めて仁王像を眺めていると、憤怒の表情かつ、筋肉隆々なお姿に、
「こんなに元気いっぱいなのね…」
と、想像以上に阿形と吽形が放つ"威力”に押し潰されそうになります。そっくりそのまま描いたとしても、面白みもないだろうとモヤモヤすること数日。
そんな折、「ああでもないし、こうでもない…一体、どうしたもんかなあ…」と考えながら、ある日、ノートの端に描いた他愛もないイラストから、ふと、ほとけさまボールペンに向けての方向性が決まりました。
まず、阿形は、右手に金剛杵を持ち、左の掌を開いた状態で口を大きく開けた姿のもの、吽形は、右手の掌を開き、左手に金剛杵を手にして閉口している姿で描くことにしました。また、二王像の中には天裳を身につけている姿もありますが、ボールペンの性質上、今回は省いて表現することに。裳と表情、体のうねり具合から、魔ものを防御する2体の気焔を少しでも感じてもらえるよう、早速取り掛かることにしました。
プギャー!と生まれる
力強さの中に、ほんの少しだけ、可愛らしさが欲しいなと思っていたところ、何気なく描いたノートの走り書きの阿形と吽形のイラストがこちらになります。
いかがでしょうか。
実際に商品化された「ほとけさまボールペン」の最終的な姿と形が全く違いますが、表現したい仁王像の雰囲気がギュッと詰まっているような気持ちになったのを覚えています。それは、自分の中で少し光がさした瞬間でもありました。
上記のイラストをもとに、丸みを持たせ、とにかく睨みをきかせながら、プリプリと憤怒を混ぜ合わせたものを作ることにしました。
試行錯誤の繰り返し
最終的な形も決まり、実際に石粉粘土で作り上げていきます。
怒りや筋肉といったことばかりが印象として先行していたので、作り始めた頃は、まだまだ"何か”が凝り固まっているような気がしておりました。
こちらです。
表情はいい感じに雰囲気が出ていますが、まだ何か足りない。この2体に足りないものは何かしら?と考えていると、力強さが足りないことに気がつきました。
そうなのです、作り初めの頃は、誕生仏や如来と同じような肌の色を塗っていたことにも気がついたのであります。
力強さを表現するために
はい、シンプルに、こんがり焼いてみました。
焼き具合の色合いも、若干の色味が違うので、この時点でもまだまだ迷いがあるのが分かります。
「え、やだ、どこまで焼いたら(=色を濃くしたら)良いの…?」
答えなんてどこにも有るわけではありませんが、塗れば塗るほど、明らかにこんがり迷宮に迷い込んでいくのが分かりました。
こんがり迷宮の行く末
褐色に塗り、阿形、吽形の表情を描いてそれぞれ仕上げていくわけですが、特に阿形を描く度に、憤怒ではなくただの困り顔になってはいやしないか?と、どんどん不安になってくる自分がいました。
例えば、こうなると、肩すくみをした困り顔の阿形にしか見えないし、
後ろ姿にも力みが感じられず…
まるで、ポケットに手を入れたサラリーマンの後ろ姿のよう。
特に、阿形のみ、何度も塗り直しをしました。
思い切って変えてみた
手の形、大きさ、力み具合と、再調整した結果、次のようになりました。
如何でしょう。
シンプルなラインの中に、ぎゅっと力強さを加えてみました。
ちなみに、安定の吽形はこちらになります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。「ほとけさまボールペン」の二王 阿形を吽形ができるまでの様子を中心にお伝えしてまいりました。
馴染みやすいほとけさまなので、贈り物としてもいかがでしょうか。
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