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雄信内駅と南幌延駅

 日々の仕事を忘れて、どこかへフラッと行ってみたいと思い、久々に列車の旅に出てみました。今回は来春無くなると噂の宗谷本線雄信内駅と南幌延駅です。秘境駅に行くなら車で行くのが一番ですが、汽車旅を満喫したく早朝の旭川駅に向かいました。ずっと前から気になっていた道北1日散歩きっぷを利用して出発です。
 6:03発の列車はキハ54の2両編成で、6時間かけて稚内まで行く普通列車です。味がある列車だと思っている人は多いと見えて、車内はいい感じで席が埋まっています。見た感じ、鉄好きな感じの人たちが多い気がします。
 出発時は小雨交じりの天気でしたが、そのうち晴れたので良かったです。今回は南幌延まで4時間21分、のんびり旅です。 2両編成で出発しますが名寄から1両になります。

名寄駅

 最近は新型のDECMOが幅をきかせていますが、キハ54で行けるのは最果てへ向かう列車の雰囲気があっていいです。この列車の前身の旧型客車の321レもすごく味のある列車でした。私が乗ったのはもう40年くらい前の話ですが。
 音威子府から北上する時、天塩川のすぐ横を走ります。私が初めてこの辺りの景色を見たのは小学生の時に急行天北から乗り換えて321レに乗り冬景色を見た時です。あまりにもきれいでインパクトがあって、私はそこから鉄好きになったような気がします。

車窓からの天塩川

 1駅づつ各駅に停まり列車に揺られ南幌延到着です。

南幌延

 板張り1本のホームと待合小屋の小さな駅です。ここで折り返しを待つなら1時間半この辺りをぶらぶらして時間まで待つのですが、今回、かなり強引ですが隣の雄信内まで8キロ歩き走りで向かうことにしました。雄信内発は12時4分、100分あります。駅周りをぶらぶらしつつ、時間までに到着しなければならないと思ったら、南幌延では全然のんびりした気持ちになれず、早々に歩き始めました。なにせ乗り遅れたら次の列車は7時間半後なので絶対に遅れられません。

牧草地

 8キロの内、前半は広々とした牧草地の風景が広がります。歩いたり走ったり時間を気にしながら道中を急ぎます。

まだ6キロもある・・

 道中前半は開けた風景でいいのですが、後半は山道風景になります。正直ヒグマがどこにでも出る昨今のご時世なので、結構怖いです。クマ鈴と携帯ラジオも音量を上げて歩きます。早くこの辺りを抜けたいので走りも入れながら頑張ります。写真撮ってる場合じゃないのでこの道中写真は無いです。万が一に備えてクマ撃退スプレーもリュックに入れてます。もっともこれを使うことになったら、もう終わったって感じでしょうけど・・

もうすぐ雄信内駅・・
クマ出没の看板が・・

 ようやくゴールが見えました。25分前くらいに到着です。こんなにドキドキしながら歩くのもなんか変な企画だなと思いつつ、とりあえず安堵・・

4326D

 貨車駅が多い中、昔ながらの木造駅舎は本当に味があります。駅の周りには廃屋しかなく、廃止もやむなしの気が・・逆によくここまで残っていたなという気がします。
 経費節減を理由にどんどん駅が減っています。利用者がいないなら確かにそれも仕方がないと思いつつ、でも、本当に私が知っている範囲の昔の話ですが、どの駅の周りにも集落があって駅員さんがいてという風景が確かにあって、それを考えると過疎化とか人口減少とか、本当に進んでいるんだと思います。
 12時4分の名寄行きで折り返します。名寄は14時19分着。そのまま旭川まで戻ってしまうのも味気ないので名寄のまちを散歩します。ラーメン屋さんに行こうと思いましたが、適当なところを見つけられず、結局すきやで遅い昼食をとって、街歩きをします。何も調べてないのでとりあえず名寄公園に行ってみました。

名寄公園

 それほど時間がある訳でもなかったので池の周りを散歩して終了・・途中で名寄プリンをお土産に買って、駅に戻ります
 

最後の列車はDECMO

 前から列車に乗って行きたいと思っていた道北秘境駅巡り。達成できて満足です。
 赤字赤字で所謂黄色線区と言われる宗谷線ですが、維持、運営にかかる経費を、たった3往復の普通列車と2~3往復の特急列車の収入で賄うことは絶対にできないのは構造的に明らかです。
 基盤施設の多くが老朽化していて、社員数も多くない中で冬の厳しい気象状況へ対応しなければならないなど、利益を上げるにはあまりにも条件が悪すぎます。経費節減に努めるのは当然ですが、赤字だから廃止といっていたら北海道から鉄道のほとんどが無くなります。
 今後どうやって北海道の鉄道を維持運営していくのか、方向性は示されつつも、具体のスキームは未だ見えていません。
 難しい話はひとまず置いておいて、好きな人たちが色々な形で鉄道を楽しむことが一番ですね。

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