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【表現評論】メモリーズオフ2nd コアレビューその13 つばめルート2(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

●前回の記事

●その13

今回はちゃんとつばめルートに進みます。しかしまだつばめとほたるが残っててるのにその13とか、いつまで続いてしまうんだ。この調子で行くと想君はもっと長くなるかもしれない。いのりルートは一人で大量になるかもしれない。1stに比べて明らかに自分も文章も長くなってるし。星天なんて10000字程度だったのに、1stは25000字だし、2ndは40000字くらいは行きそうだし。イノサンフィーユを書くときは10万字あるな。終わらない。

⚫︎クリアリスト

ヒストリアはクリアリストがありますが、リストの上の方から順番に力を入れてる説があります。2ndはおそらくほたる>つばめ>巴>鷹乃>静流>希という並びになっていますね。上の方ほど力が入ってのでは。1stは唯笑>かおる>詩音>みなも>小夜美です。みなも以外はその通りかな。クリアリストじゃなくても、CGの順番と枚数で分かりそうですが。

⚫︎どうして厨

先生はどうして厨です。なんでもかんでもどうしてどうして。アパートの枯葉を集めて燃やそうとしたら主人公に止められます。常識があまりにも欠如してないか。風を見てるの、からすでにおかしいけど。

⚫︎ほたると動物園

に行こうとして雨キャンセルになります。いや、雨でも行けるのでは。結局行きたくないだけというね。アパートに来たほたるとの会話。リストの愛の夢の話になります。儚くない愛はあるのかという問いに主人公は答えられず。いや、そういう選択肢を選んだんだけど。ほたるは離れ離れになっても、永遠に健ちゃんが好きだよと言って、帰ります。とか言うて、三日後には違う男と付き合ってるのが女なんでね。マジで。イナケンも信用ならんが、こういう言葉も信用しない方がいい。人の信用は行動だけで決まります。言葉を追うから人は不幸になる。お前の女性観はどうでもいいって? はい。その通りです。

⚫︎登渡離橋でつばめと遭遇

ほたるが持ってきた昼飯を自室で食う気にならずに、外へ出たところでつばめと遭遇。相変わらず風を見ています。風を見るということばの心は、風が起こす現状を見る、ということのようです。風に揺れる波、風が運んでくる匂い、風自体は見えなくても、風の存在は周辺を見ればわかると。力の定義みたいですね。力自体は目に見えないけど、運動量を変化させるものとして力は定義できます。謎の物理知識来たな。大学で物理やってたので。

⚫︎BGMと声の相乗効果

つばめはエキゾチックなBGMとハスキーなボイスで不思議ちゃん具合がかなり強化されてますね。ノベルゲームでいかにBGMと声が重要なのか教えてくれるキャラクターです。

⚫︎つばめルートのテキスト

これ書いたの誰なんだろう。大人になってからやってみると、全然印象が違いますね。電波と見せかけて全然電波ではない。あったかい飲み物渡してくるのは電波ですが。

⚫︎登渡離橋の伝説

こんなのあったっけというレベルで記憶がありません。内容は語るほどのものでもなく。昔の大名の嫁と愛人が橋で泥沼バトルを繰り広げて二人とも落ちたという話。つまり縁起が悪い橋です。

⚫︎父親登場

アパートにつばめの父親である宇和島真紅が現れます。本名のアナグラムとかだったよねこれ。意外と覚えてんじゃん。俺。

⚫︎ほたるのピアノレッスン

ほたるは全く先生には向いてない。このシリーズに物を教えられそうなキャラはいるのか。先生は別として。いのりは向いてそう。クロエ先輩も。

⚫︎全然父親ではなかった

海辺でつばめと会話。宇和島真紅は許嫁だった。何もかもが違う。人の記憶とは一体。ほんとか? アナグラムの話はあった気がするんですけどね。そもそも本名のアナグラムって、アナグラムになってるのか。UWAZIMA SINKUとMINAMI SUZAKU。なってませんが。Wがないやん。つばめは許嫁から逃げる形で朝凪荘に来たことがわかります。ほんまに許嫁か? 俺の記憶だとそんな話ではなかった気がするんですが。過去の俺を信じるか、今の話を信じるか。

⚫︎ほたるのコンクール

二次予選は突破。オーストリア行きが近づいているので浮かない様子になっています。言いたいけど言えないやつ。他のルートやったらネタがバレますやん。この話。

⚫︎レモンとメリッサ

つばめとの謎会話が結構あるんですが、特に書くことがない。同じ匂いだけど、レモンはたぎらせる、メリッサは落ち着かせる違いがあるらしい。健くんはどっちなのかと。健くんはレモンでしょ。浮気男だし。

⚫︎ほたるとつばめ

この二人はルートが被ってますね。つばめはセカンドヒロインと言っても過言ではなさそう。

⚫︎アナグラムの話

国語のテキストでアナグラムになってる部分を指摘すると、なぜかブチギレるつばめ。授業なんて真面目に受けてるんじゃねーよ的な。君は受験よりも授業よりも大事なものがあるだろうが、ということのようです。多分ほたるるのことを指してるんでしょう。アナグラムは絶対になんかの伏線だったでしょ。過去のお前を信じろ。

⚫︎そおちんにゃん人形

ほたるが手作りの人形をアパートに持ってきます。手はケガだらけ。実は結構前から作ってたようです。ピアニストがコンクールの最中に作ってたという事実。ほたるはそれを吊るしながら「早く晴れるといいね」と言っています。なかなか含みのあるセリフです。私たちの間、晴れてないよね、という圧が感じられます。ぶっちゃけ、この二人は最初から晴れていないと思う。

⚫︎1号室

朝凪荘に1号室がないことにショックを受けるつばめ。燃えてなくなったとかだっけ。過去の俺を信じると。2ndは本当に覚えてないな〜。じゃあ他は覚えてるのかよと言われると、まあ、まあ。

⚫︎はしゃぐつばめ

朝っぱらからついてこいと言われ、渋々ついていく主人公。どこに行くのかと問うと、あっちと答えが返ってきます。電車に乗って移動。つばめは電車の窓から身を乗り出してはしゃ出ます。声が上ずるとすごく池澤春菜感が出てくる。今だったらSNSに上げられて即炎上しそうな行動です。息苦しい世の中になったと言うべきか、アホな行動が減ったというべきか。あっちに行った後は、何もせずに帰るという。さらに謎の酔っぱらいに絡まれた後、そろそろ飯でもどうですかと誘った主人公に奢らせようとします。教え子に奢らせるとか流石にでは。先生モードと子どもモードがあるのがこのキャラの魅力か。

⚫︎朝凪荘1号室とカキコオロギ

朝凪荘1号室が燃えたのは記憶通りだったらしい。しかし燃えた部分だけ切除するとかできるんですかね。アパートの構造的に。各部屋の木材が干渉せずに分離でもしてない限り無理なのでは。あとカキコオロギを食わされたのはイナケンだったのか。全然覚えてなかった。

⚫︎ほたると動物園その2

夜8時に突然ほたるが襲来。動物園に行こうと言い出しますが、主人公は拒否します。「ほたるは、健ちゃんが好きだから」と言い残して去っていくほたる。ほたる「は」です。じゃあ健ちゃんはっていうね。

⚫︎宇和島とつばめ

宇和島がアパートにつばめを捕まえにきたところに鉢合わせする主人公。急に沸騰して、連れて行こうとするところに鉄拳をお見舞いします。マジでガチで殴ったっぽいけど、ここまで他人をガチで殴った主人公、他におるか? とりあえずその場は治まります。つばめからなぜそんなことしたのか、と問われると、お隣さんだから、と返します。主人公はここでつばめが好きだと気づいたっぽいですが、なかなかこのルートは好きという自覚に到達するまで長いですね。ほたるルートと被ってるせいか。

⚫︎ほたると翔太

コンクールの後ピアノが弾けなくなっていたほたるですが、翔太の前では普通に弾いている。そんな音楽室のシーンを目撃して、告白しそうな雰囲気を察した主人公はその場から逃亡します。これミスリードでしょ。翔太が好きなのはつばめのはず。呆然として校内を徘徊していると、つばめから花火に誘われます。先生空気読んだか?

⚫︎つばめと花火

なぜか線香花火だけ買ってきたつばめ。子どもモードで楽しそうにやってます。雨が降ってきて中断。小屋に入って蝋燭をつけると、あなたは火を消す水なのか。火を起こす風なのか。どっちだい。という質問が飛んできます。この前に先生が飛ぶための風になりたいという発言がありましたからね。試されてるぞ。BGMでラヴェルのパヴァーヌが流れてます。やけに印象に残る。

⚫︎宇和島真紅と南朱雀

ほ〜ら。やっぱりこいつ父親じゃん。許嫁じゃなかったという過去の自分が正しかったようです。UWAZIMA SINKUとMINAMI SUZAKU。Wをひっくり返すとMになるとか、流石にそこまで覚えてませんよ。

⚫︎そんなことはどうでもいいほど重い過去

アナグラムとかどうでもいいんですよ。そんなことは。問題はつばめの過去話。母親がおらず、父親にガッチガチのタイムスケジュールで管理されて生きていたと。そこまではまだいいとして、15歳になると「拷問」が始まったと言っています。ヤバない。記憶よりも全然ヤバかった。ヤバすぎて記憶から消されてたのか。拷問の内容は語られてませんが、亡き妻の影を求めたとか言うてるので、そういうことですよね。イノサンフィーユは科学ADVなので除くとしても、これよりヘビーな過去の持ち主いるか。ここで17歳の頃に出会った少年に連れられていろんなところを回った話が出てきます。翔太ですね。つばめルートは主人公翔太で良かったんじゃないか。もう心が崩壊しかけていたので、過去の記憶を遡って逃げていたところで、かつて翔太と過ごした朝凪荘を発見したという経緯になっています。その少年が自分だと勘違いしている、と主人公は考えてるようですが、そうかな? そんな勘違いしてないでしょ。

⚫︎どっちを選べばいいんだよぉ〜

ということで信が後を押してくれます。お前が選ぶ道が正しいんだと。たまには良いこと言うじゃないの。後ろの方の作品では仙人みたいなキャラになってるけど、元々尖った人だからね。

⚫︎ほたるとの別れ

と書くのもいよいよ最後ですが、また別れの時が来ます。今度は交際記念にもらった時計を返すという奥義に出ます。これは泣くよ。ほたるは先生とのことに気づいていたようで、まあ結局全部バレてるんですよね。ウィーンに旅立つ前に来たようで、もしまだ自分のことが好きなら、全部投げ捨てて駆け落ちするつもりで来たらしい。

おばあちゃんになって、シワシワのヨボヨボになるまで、健ちゃんと一緒に過ごしたかった……

Memories Off 2nd

このセリフは流石に泣ける。そしてほたるは見事に優勝してウィーンに旅立ちましたと。

⚫︎翔太とつばめ

翔太からの電話。実はつばめが好きだと伝えると速攻で電話が切れます。そこから翔太は行方不明に。捜索願まで出されたところで、また翔太から電話がきます。ここでようやく翔太がつばめのことが好きであるとわかります。まあかつての少年だからね。そらそうよ。翔太は土になって二人を見守るといい、電話を切りました。火とか土とか水とか風とかやたら出てきますね。つばめとは花火から一度も会ってません。隣におるのに。なんだかんだで朝凪荘は燃えてしまって、取り残された翔太を主人公が助けます。その後のつばめと翔太の会話が超重要です。ここで先生は「ごめんなさい」と言っています。翔太は「全てを、許してほしいんだ……」「俺も全てを、受け入れるから」「今の先生に必要なのは……過去の思い出じゃなくて……」と返しています。どう考えますかね。これ。行間補足してみます。

つばめ:「(あなた以外の人を好きになってしまって)ごめんなさい」

翔太:「全て(昔、つばめ守れなかったこと、それからも迎えに行けなかったこと)を、許してほしいんだ」

翔太:「俺も全て(つばめが主人公を好きになってしまったことを)を、受け入れるから」

翔太:「今の先生に必要なのは……過去の思い出(俺)じゃなくて(主人公だから)……」

という解釈で正しいと思うんですが、翔太くん、あまりにも男気すぎる。お前が真の主人公だ。でもなんで朝凪荘燃えてたん? 少なくともテキストからは全くわかりませんでした。バッドエンドでわかるのか? でもコアレビューは基本的にグッドエンドしかやらんので、わからずじまいです。元々燃えて1号室がなくなったくらいなんで、燃えやすい要素があるのか。まあ、なんで燃えたかはあまり本質(コア)ではない気がします。

⚫︎1年後の再会

もういっかいつばめに告白すると、ちょっと期間が必要だと言われてしまいます。そして1年後に空き地となった朝凪荘で再会し、今度はつばめが主人公の告白を受けいれて、物語は終わりました。1年間何があったんでしょうね。家のゴタゴタを終わらせてきたと考えたいところですが。

⚫︎バッドエンド

すみません。意味不明な点が多かったので、特別にバッドエンドもやりました。このルートだけはバッドエンドまでやらないと真相がわかりません。バッドエンドでわかる真相は次の通り。

⚫︎翔太は「つばめは過去の少年を健であると思っている」と思っていた。実際つばめ自身がそう言っていた
⚫︎ただしそれはつばめの嘘
⚫︎つばめは健が例の少年ではないことはわかっていた
⚫︎つばめは思い続けていた翔太ではなく健を好きになってしまっていた

つばめはなんで嘘をついたかって、翔太と交わした過去の約束(いつか助けに行く的なやつ)を違えることになるからでしょうね。翔太にとってはお姫様を助けに行ったら他の男とくっついてました、みたいな話だし。バハムートラグーンか。大人になるって悲しいことなの。翔太がそれを許したのがグッドエンドということです。グッドエンドの最後の会話の解釈は上の通りで合ってるでしょう。朝凪荘が燃えた理由はよくわかりません。自分で燃やしたのかとも思いましたが、バッドエンドでは入水を計っているので、おそらく違います。自分で燃やしたら1年後に再会とか無理ですし。

⚫︎つばめルートまとめ

過去のトラウマから、仮面モードとお姉さんモードの両方のモードがあるという、趣深いキャラでした。先生モードと子供モードよりは、こっちの方がしっくりきます。仮面モードの時のダウナー説法も悪くないけど、お姉さんモードの上擦った声が可愛すぎて、一生聴いていたい。浴衣姿も、多分唯一無二ですね。水着がないけど。しかしトラウマは特大すぎて、二度と使われることはないであろうネタです。あまりにも悲しすぎる。つばめがどの辺で主人公を好きになったのかは、はっきりしないのですが、迷える子羊を先生として指導している間に好きになってんですかね。それは違う気がする。じゃあ父親の横暴を止めた時か? あの時の少年は来てくれなかったけど、主人公は来てくれたと考えると、この瞬間が一番あり得そうです。でもいろんな解釈ができそうですね。解釈の幅が広いシナリオです。

このルートの翔太は男気すぎて言うことがない。むしろこっちと結ばれてほしかったまである。翔太を主人公にして作り直してくれ。良いやつすぎるので、もう一回くらい本編に出してほしい。唯笑の精神はこのルートの翔太が引き継いでいたと言っても過言ではない。

2ndはつばめが真ヒロインだと言われても不思議ではないレベルのクオリティでした。詩的なテキストを読み解くのも味わい深いですね。昔だったら完全にこういうのはスルーしてただろうな。大人になってからやるべきかもしれません。昔と比べてすごく印象が変わったルートですね。

ほたるルート終わってないけど、これが2ndのベストCG賞です。確定。

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