
【表現評論】ジョジョの奇妙な冒険 「ジョナサン・ジョースター ーその青春ー」 コアレビュー 第4話〜第9話【アニメ】
⚫︎第4話 波紋疾走
ここから波紋の話。超能力バトルの始まりです。波紋はまだいいよ? スタンドまで行くともうなんでもありですやん。それでも三部はまだいいけど、四部以降のスタンドはもはや制限がない。どんな能力でもありみたいな。ということでジョジョは三部までが好きです。特に1部と3部。なんだかんだでジョースター家とディオの因縁が好きなんだよね。それ以外はあんまり興味ないという。Fateもあれは士郎とアーチャーの物語であって、それ以外はあんまり興味が湧かない。似たものがある。
閑話休題。ディオとの戦いでズタボロになったジョナサンが再会したエリナに介抱されるところから始まります。家も金も家族も友達も失ったけど女は手に入れた男。まあ初めてキスした相手はディオなんですけどね。
ここでツェペリが登場。私は石仮面を追っている、まだディオが石仮面を持って生きてるから、倒すために波紋を学べと言い出します。そもそも石仮面はこいつが発掘したものらしい。贖罪のためだろうけど、何気に戦犯説あるな。そしてジョジョは一瞬で波紋を身につけます。修行シーン? 3秒で終わったよ。柱稽古編とかないから。
あとはゾンビを倒して終わりです。ここでツェペリの名言が出てくる。
勇気とは怖さを知ること! 恐怖を我が物とすることじゃ! 呼吸を乱すのは恐怖! だが恐怖を支配したとき、呼吸は規則正しく乱れない! 波紋法の呼吸は勇気の産物! 人間讃歌は勇気の讃歌! 人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ!
アニメから引用するとフォントとかびっくりマークとか鉤括弧の効果がないので、ちょっと迫力が違いますね。それはともかく波紋は勇気の産物というありがたいお話です。主人公には不可欠なものですよね。恐怖自体がないゾンビには勇気はないと。恐怖を知り、我が物とするところに人間の素晴らしさがあるという。そこが虫と人間の違い。
⚫︎第5話 暗黒の騎士達
ディオと対面。吸血鬼の天敵である波紋は気化冷凍法で防がれるという。なぜ吸血鬼にそんな能力があるのかはわからない。気化熱って腕が凍るほど冷えるんか? 戦ってるシーンが多くて特に語ることはない。タルカスとブラフォードという昔強かったおっさんがディオの配下として出てくるから1対1で戦う。最後の最後で逆に考えるんだ、という名言が出てくる。名言?
⚫︎第6話 あしたの勇気
とりあえずブラフォードは倒す。ツェペリさんあんまり役に立ってなくない? 師匠だから強い弟子を育てればいいんだけど。たった数話でジョナサンに抜かれている感がある。ツェペリは昔インドで波紋を学んだらしい。とりあえず秘法と言えばインドみたいなところはある。まあ役に立つのはここからよ。
次はタルカス戦。謎の首吊りバトルに。
⚫︎第7話 受け継ぐ者
インドのおっさんにあらかじめ死の予言を受けていたツェペリさん。ここが死に時だと判断して最後の命をかけます。しかしタルカスに瞬殺されるツェペリ。タルカスさんブラフォードと比べて強すぎない? ツェペリは死に際に生命エネルギーを全てジョナサンに託して死亡します。それを受けてタルカスを瞬殺するジョナサン。どの勝負にせよ基本瞬殺ですね。昨今のコンテンツのように長々と戦わない。
そしてツェペリの最後のセリフ。
わしは若い頃結婚していた。しかし石仮面のために家族を捨てた。だけども自分の運命に満足しておる。全てを受け入れておるよ。わしは最後に自分の全てを伝えた。ジョジョ。お前はわしの希望だ。
死ぬ間際にこれを言える人間がどれだけいるんでしょうかね。はたから見ると碌な人生ではなかったと思いますが、それでもツェペリは自分の運命に満足していると言っています。結局人生なんて自分が満足できるかどうかだけなんですよね。妻子を捨てようが、上半身真っ二つになって死のうが、自分が満足できれば終わり。お前だけの人生を生きろ。
その後、ツェペリと同門であるダイアーとストレイツォ、師匠のトンペティがやってきます。
第8話 血戦! JOJO &DIO
ディオ戦。ダイアーはJOJOの話を聞かずに凍らされて即死します。美形のストレイツォは死なないんだよなぁ。顔で生きるか死ぬかわかりそう。ファイアーエムブレムみたいな。美形だと成長しそうな感じ。
ディオを倒して男泣きするジョナサン。一緒についてきているキッズがなんで泣いてるん? と問うと、彼の青春はディオとの青春でもあったからさ、とスピードワゴンが返します。やっぱりなぁ。同じ時間を共有するって、それが悪いことであっても、人間にとっては貴重な者なのかもしれない。ディオの方も、ジョナサンを本気で殺そうと思えばもっと方法があった気はしますね。タルカスとかいうアホに任せたせいで強化されてるし。叩けば叩くほど強くなると言ってたのは自分やないですか。ディオの方も少しは思うところがあったんじゃないの。鬼の目にも涙。
第9話 最後の波紋!
エリナと結婚。ハネムーンはアメリカへ。まあ最初にキスしたのはディオなんですけどね。永遠に擦る。そして船で移動している最中にディオと遭遇します。首だけ切り離して生きていた男。
それはジョジョ。あれほど侮っていたお前を今尊敬しているからだ。勇気を、お前の魂を、パワーを、尊敬している。それに気づいたからだ。
ジョジョがいなかったら石仮面を被ることはなかった。ただジョジョがいたおかげで世界は自分のものになっていない。つまり、俺たちは二人でひとつ。地元じゃ負け知らず。ジョジョの肉体を手に入れることで完全になるのだと。世界は俺のものになるのだと。最後の最後にズッ友だと気づいたらしい。やっぱり7年という時間が大きかったのか。
最後に肉体を乗っ取ろうとしたディオを串刺しにし、その首を抱いてジョナサンが語ります。
ディオ。君の言うように、僕らは二人で一人だったのかもしれないな。奇妙な友情すら感じるよ。今、二人の運命は完全にひとつになった。
あれだけ憎しみあった二人が、最後の最後にひとつになるシーン。僕の青春はディオとの青春という言葉に全てが集約されています。人生っていいことばかりじゃないですからね。悪いことも含めて人生なんだと。うわべだけだった友情も、父親を殺されたことも、憎しみあって戦い続けたことも、全てディオとの出来事でした。ジョナサンの青春にはいつもディオがいる。ずっと二人で一人だったわけです。友情って仲良くすることだけじゃないのかもしれない。プラスだろうがマイナスだろうが感情が激しく動くことを友情だとすれば、ディオとジョナサンの間の奇妙な友情は著しくマイナス方向にブレた友情だったんでしょう。それが今際の際になってから少しプラスになりかけたところが、しんみりしますね。死ぬことで二人の運命は完全にひとつになりました。一部完。