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終わりよければ全てよし。ライターの心得。

今日は「くじけないって大切。大丈夫、なんとかなるよ」という話です。

場が凍りつくほど盛り上がらなかったインタビュー

ライターとして働き始めて2年目くらいの頃、インタビューが全く盛り上がらず、気を失いそうになるくらい苦しかったことがあります。

私がインタビューしたのは超有名人。「同じ夢を持つ仲間」について語ってもらう、という内容でした。

専門学校のパンフレット用のインタビューで、「仲間と出会える学校っていいですよね!」といった好意的な話をしてもらうことが理想でした。

しかし、実際には何をどう聞いても「仲間なんて必要あるかな、ないと思う」とか「いや〜、仲間がいなくても夢は叶うでしょ」といった正反対の答えばかり。

それもそのはず、その方はミュージシャンで当時、自身のバンドを解散したばかりでした。仲間をテーマにした話を聞くこと自体、間違っていたのです。言い訳ですが、テーマも人選も既に決まっていて、新米の私はどうすることもできませんでした。

助け船も出せない空気に

超有名人のインタビューは、初めてでした。関係者が何人も同席し、ギャラリーも多く、とにかく私は緊張していました。その上、話が全く盛り上がらない。

私は動揺しまくって、しどろもどろ。今だったらこうするなーとかありますが、当時はなにしろ経験が浅かったのでリカバリーできず。会話は常に途切れ途切れ。

シーン。

あまりにも緊張感が漂う雰囲気だったこともあり、このインタビューを企画した人たちも押し黙り、誰も助け船を出してくれなかった。

めちゃ孤独で、心の中では号泣。恥ずかしいやら、悔しいやら、情けないやら。感情はぐちゃぐちゃ。

どうやって話を終わらせたか、一切記憶にないのですが、インタビュー終了後に女性のマネージャーさんが「本当にスミマセン!! いい感じにまとめてもらって構いませんからね!」と、背中を優しくポンポンしながら声を掛けてくださったことは忘れません。

初対面の方が背中ポンポンしてくれるなんて、よっぽど私はうなだれていたのでしょう・・・。

くじけないお守りを手に入れた

その後、思い出したくないインタビューの音源を自ら聞き直し、文字起こしをするという苦行を経て、正反対の答えの合間にチラっチラっとしてくれた、いくつかのいい話を抽出。

なんとか”いい感じ”に仕上げて、マネージャーさんにメールで送ると、赤字ナシで一発オッケイ。「ちゃんと本人の言葉を拾って、嘘のないインタビューに仕上がっていて驚きました。ありがとうございました!」と電話もかけてきてくれました。

そのとき「終わりよければ、全てよし」という言葉が、ふわっと心の中に浮かんできました。最後までやり抜く、くじけないための「お守り」みたいな言葉として、今も大切にしています。

とはいえ、今まで数え切れないほどインタビューはしていますが、あれほど上手くいかなかったことはありません。

ただ、そのインタビューのおかげで度胸がついた。多少、話が盛り上がらなくても動揺しなくなりました。

くじけないって大切。大丈夫、なんとかなる。

そうそう、その助け船を出してくれなかった関係者の中に、友達もいました。今も、飲んでいるときの定番ネタで「あのときの薫、ちょーやばかった。しどろもどろでさー」と思いだし笑い。いやーほんと、やばかった。

さてさて、今日もはじまりました。週末ですね。昨日に引き続き、私は原稿書きます。




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