見出し画像

原稿まるっと直されて失神しかけた話。

D&DEPARTMENTが発行する小冊子で連載している「もののまわり」。次号は真鍮の生活用品ブランド「FUTAGAMI(フタガミ)」を特集します。

いま、その原稿書きの真っ最中!

取材で富山に行ったとき、小冊子の発行人でもあるナガオカケンメイさんから「西山薫の文章を書くべきだよ!」と涙が出るほど嬉しいことを言っていただきました。

しかし、そもそも西山薫の文章って?? 考えれば考えるほど、よく分からなくなってきた!

そんなときは息抜きに限る。好きな本読んだり、音楽聞いたり、こうやってヒトリゴト書いたり。


ライターとして働きはじめた当初は、プレッシャーもなく、書きたいテーマが決まれば一気に仕上げられた。感覚で書いていて、青くささもあるけど、当時の記事は今読んでも嫌いじゃない。

しかし、その感覚を失いかけた出来事がある。

日経BPの「日経デザイン」で初めて記事を書いたとき、当時の編集長にほぼ全て書き直された。「おもてなしのデザイン」というテーマで、わたしは東京メトロの担当だった。

「良く書けてたんだけど、意図がズレていたから、、、ごめんねー」と気遣いの言葉が添えてあったが、それは「下手くそ!」というメッセージ。書き直された原稿は、もちろん完璧だった。

わたしはそのメールを見たとき、血の気が引くという意味を身をもって体感し、失神しかけた。憧れの雑誌だったからね、そりゃ、もうショックでした。

編集長に合わせる顔がなかったし、情けなかった。いまは笑い話だけど、当時は辛くて誰にも話せなかった。

だけど、ここで逃げたら終わりだ! と自分を鼓舞。編集会議に参加するのは恥ずかしかったけど、呼ばれなくなるまで続け、書くことをやめないと決めた。

原稿書くのが怖かったし、書き上げた原稿もチェックしてもらうたびに震えていた。プレッシャーを勝手に感じて書き上げるまで時間がかかり、ヘトヘトになっていた。その長くて暗いトンネルから抜け出せたのは、わりと最近のことです。初心を忘れないように、東京メトロの取材でもらった堀北真希の写真入りクリアファイルは今でも使っています。見るたび、背筋が伸びる!

今回、忘れかけていた原稿書きのプレッシャーを思い出した。だけど、良く考えれば、そんなプレッシャーを感じる仕事が出来ること自体、幸せなことだ。

ヒトリゴトをツラツラ書いていたら気持ちが整ってきた! これこれ。書くっていいね。


いいなと思ったら応援しよう!