MOTOKO oshima

写真によるまちづくり、ローカルフォト主宰。 活動範囲は、小豆島、長浜市、真鶴町ほかいろ…

MOTOKO oshima

写真によるまちづくり、ローカルフォト主宰。 活動範囲は、小豆島、長浜市、真鶴町ほかいろいろ。

最近の記事

背景にある物語を写す、 青森県ふじさきローカルフォトアカデミア

1. 背景の課題を明確にする この3年間は、青森県藤崎町で写真によるまちづくり事業「ふじさきローカルフォトアカデミア」を実施している。年に4回の講座を開催し、毎回が試行錯誤の連続だったが、常に念頭に置いていたのは、受講生に「なぜこのまちでローカルフォトをやるのか」という問いを、できるかぎり明確に説明することだった。   なぜなら、過去10年の地域づくり活動を見てきた中で、事業の成功は地域の課題をどれだけ理解し、それを人々に伝えることができるかにかかっていると感じたからだ

    • 「非物質的な新しさ」が拓く、暮らし観光の時代 

      1.   嬉野との再会とまち歩き 今期から始まった佐賀県嬉野市の「うれしの宣伝部」にローカルフォトの講師として参加し、まち歩きを行った。公の場での実践は8年ぶりとなり、天候にも恵まれ、久しぶりに地域の皆さんとまちなかを散策することができた。嬉野の新たな魅力を再発見する、楽しいひとときだった。 このまちとのご縁は、隣町である長崎県東彼杵町でのローカルフォト活動を通じて堀越一孝さんと出会ったことがきっかけだ。彼の紹介で2016年に初めて嬉野を訪れ、建築家の馬場正尊さんとま

      • くるりと変わる風景:日常が宝になる瞬間

        1.  「スピードスターのくるり」  との思い出 先日、ロックバンド「くるり」が26年間所属していたビクター・スピードスターレコーズを離れるというニュースを、岸田さんのX(旧Twitter)の投稿で知りました。その瞬間、「こんなにも時が流れたのか」としみじみ感じました。実は、私がキャリアをスタートした90年代半ば、最初に関わったレコード会社がスピードスターで、初めて撮影したアーティストが UAさんでした。スピードスターは私に新しい世界への扉を開いてくれた特別な存在で、深

        • なぜ私はアラン・ケイのオブジェクト指向「スモールトーク」とクリストファー・アレクザンダーの「パタンランゲージ」の融合について考えたのか?

          「スモールトーク」と「パタンランゲージ」の融合  覚書 その3  最近、高校の「情報1」教科書を見て、日本のデジタル化に対する認識が、主に効率化やコスト削減、時間短縮に偏っていることに気がついた。これはIBMのオフィスコンピュータの思想に基づいており、Apple が提唱したパーソナルコンピュータの哲学とは大きく異なる。Apple が1984年にマッキントッシュを発売し、「パーソナルコンピュータ」が「オフィスコンピュータ」に対して戦線布告した時代から、何も変わっていないのであ

        背景にある物語を写す、 青森県ふじさきローカルフォトアカデミア

        • 「非物質的な新しさ」が拓く、暮らし観光の時代 

        • くるりと変わる風景:日常が宝になる瞬間

        • なぜ私はアラン・ケイのオブジェクト指向「スモールトーク」とクリストファー・アレクザンダーの「パタンランゲージ」の融合について考えたのか?

          パタン・ランゲージとスモールトークの共通点:動的結合、「間」、そして東洋思想の融合、神奈川県真鶴町の実践

          アラン・ケイによるオブジェクト指向プログラミング言語「スモールトーク」と、クリストファー・アレグザンダーの「パタン・ランゲージ」の覚書のつづき ⒈  ユーザー主体のデザイン デザインや設計は、ユーザー自身が主体であるべきです。これは、住民や地域とともに行うデザインやパーソナルコンピューティングの考え方と一致します。トップダウンではなく、ユーザーが自らの手で作り上げることが重要です。 ⒉  段階的で変化に寛容であること パタン・ランゲージでは、新たなパタンの発見やランゲージ

          パタン・ランゲージとスモールトークの共通点:動的結合、「間」、そして東洋思想の融合、神奈川県真鶴町の実践

          中央と周辺をつなぐデザイン:スモールトークとパタン・ランゲージの融合 メモ

          以下思いつきにつれづれ。 私はかつて東京でフォトグラファーとして活動していましたが、リーマンショックをきっかけに地方での活動を始めました。そこで直面したのは、過疎化や担い手不足、そして商店街の衰退といった深刻な地域課題でした。さらに問題だったのは、行政と住民のつながりが非常に希薄で、解決策が見出せないという現実です。住民同士のつながりも薄く、行政が地域課題を把握していても、それが住民に届かず、地域全体が機能不全に陥っているように感じました。このままでは地域の前進は難しいと強

          中央と周辺をつなぐデザイン:スモールトークとパタン・ランゲージの融合 メモ

          公民連携、新しいクリエイターの時代へ

          1    念願の報告会 先週の7月24日(木)、長浜市長を囲む座ぶとん会議にて、ローカルフォトの3年間の活動報告をしてまいりました。 ずっとやりたかったので、ようやく!と言った感じです。 ご存知ない方のために。わたしは2016年から3年間、滋賀県長浜市の『長浜ローカルフォトアカデミー(現在は長浜ローカルフォト)』という、写真によるまちづくり事業に携わっておりました。 写真によるまちづくりのスタート、長浜ローカルフォトアカデミーのお姉さんである、小豆島カメラはこちら。

          公民連携、新しいクリエイターの時代へ

          公(パブリック)と私(プライベート)〜行政のデザインは公平性から先進性へ

          こんにちは。 三連休も企画書作成にあけくれております、もとこです。 さて、先日たまたま見つけた、奈良県生駒市のこちらのサイト。 生駒市トップページの右の画像に注目。 す、すごい。まるで『北欧くらしの道具店』みたい。 生駒市さんは、5年ほど前からわたしが手がける『小豆島カメラ』にコンタクトをくださったり、『長浜ローカルフォト』の視察に来られたりと、シティプロモーションに熱心な地域だと存じていましたが、このサイトにはほんとびっくりしました。 ひと昔前にくらべ、いまの若い世代

          公(パブリック)と私(プライベート)〜行政のデザインは公平性から先進性へ