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旅と料理vol.2

【インド】象さん

◎写真・文=菊池洋一

今年も早いものでもう12月。2023年も終わろうとしている。皆さんにとって今年はどのような1年であっただろうか。嬉しかったこと。驚いたこと。色々とあったのではないだろうか。

私にとって嬉しかったことはどうしても娘の話になってしまう。少し前までは寝返りも出来なかったはずなのに、先日1歳を迎えてついに歩き出したのだ。バランスを取る為なのか両手を高く上げてヨタヨタと歩いているのだが、その姿がとても可愛い。そのままこちらに笑顔で歩いて来たかと思えば、急に真顔になって私の鼻の穴に指を入れてきたりする。そんな日常が嬉しい。

驚いたことといえば、今年は声を出して驚いたことがひとつある。カレーの調査・研究の為にインドを訪問していた時のこと。南インド・ケララ州での現地調査を終え空港に向かってバスで移動している道中、外の景色を眺めていたら後ろから来たトラックにとんでもない荷物(?)が乗っていたのだ。それが今回の写真である。

後方からゆっくりと現れるトラック。視界に象が入ってくる。象と目が合う。人間とは不思議なもので、想像すらしていない景色が目の前に現れると思考が止まるようだ。2秒くらい見つめた後で「え、象!?」と声が出た。

インターネットで世界が繋がり旅先に何があるのかが事前に分かる。旅は確認作業。そんな意見を耳にしたことがあるが、現地に行くことで感じる匂いや音、急に現れる象は旅に彩りを加え、より華やかなものにしてくれる。その華やかさが厚みとなって確認作業が物語になっていくのだと思う。

きっと2024年もあっという間に終わっていく。2025年もすぐに終わるだろう。時間はあっという間に過ぎ去っていく。自分の人生が華やかな物語になるように来年もたくさん動き回りたいと思う。そんなことを感じた思い出深い一枚である。ありがとう象さん。



菊池洋一/株式会社にしき食品 営業本部 本部長。2013年入社。レトルト食品の新しい価値を提供することを使命とし、日々奮闘中。新米パパとして育児も全力で奮闘中。


<バックナンバー>
vol.1 【中国】インパクトたこ串

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