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さっこんの現場はどうなっておるのか?
僕が駆け出しの頃の現場は、今では考えられないほど頭がおかしかった。
前日の会議で決められたネタが、突然ボツになって仕込み直し!とか
ロケVTRが全編取り直しになるとか茶飯ごと。
25時から全体会議ね!かしこまりです!
27時か~やっと会議終わった!
え?これから飲みに行く?ハイ喜んで!お供します~!
当然、家なんか帰れない。
もう1週間帰れないとか当たり前。家のサボテンも枯れる勢い。
赤ちゃんトラを急遽仕込んだはいいものの
とりあえず会議室で一晩世話しておけ!とか
(赤ちゃんトラは一晩で成獣化、近づけない無いくらいコワイ)
汚職政治家の実家に行って、年老いた母親から口八丁で、政治家の子供時代写真をもらってこい!とか
(OAでむちゃくちゃにこき下ろして、写真は後日郵送で返す)
24時回っても明日使うスタジオでまだ収録してやがる!
俺の番組の建込みが間に合わねえ!と、大道具さん引き連れて別番組の収録中に殴り込みをかけいくぞ!というプロデューサーがいたりして。
え、僕も行くんすか?
(実際にタレントさんの見てる前で、プロデューサー2人が止めろ!止めねぇ!とつかみ合いをした)
収録では、フロア全員靴を脱げ!と総合演出に言われる。
スタジオの床に釘一歩落ちてませんよ!とタレントさんにアピールする?
お風呂入ってないから臭いと思うんだけどな~ハイ!脱ぎました!
女優のAさんが弁当が違うって怒ってる?
ナニ?Cっていう店のしか食べないの?
早めに教えて欲し・・・今から作ってもらいまーす!
もうね、今だったら全部アウト!バカがパワハラだ労基だなんだと
書き込むから即大炎上ですよ。
「面白くする」以外のことはどうでもいい
という非常に頭の悪い乱暴な現場でしたが
テレビの画面を真っ白なキャンバスに見立てて
自分の考える「面白い」を全力で描く事が可能な良い時代でもありました。
犠牲、服従、忍耐、妥協、ごますり、不条理、不毛
どんな職場にも多少はあると思います。
ところが、テレビの制作現場ではそれが当たり前。
「面白い」のためなら、しょーがない!
と、ニコニコとクリアして、プラスに持っていく
根性だけが必要な才能だと教わりました
あれから30年。
先輩クリエイターの皆さんは引退して
その薫陶を受けた僕らも、大人もどきになって無茶をしないような
現場環境を考えるようになった。
それでも後輩たちには、「面白い」をつくる気概みたいなものは
伝えてきたつもりです。
しかし、彼らはテレビに見切りをつけている。
ちゃんとした方がそういうのだから間違いない。
テレビ業界全体が斜陽産業な事。
テレビ局員の官僚化。
過剰なコンプライアンスしばり。
ま、しゃーないわな。
で、一方現場は、
面白さは二の次、どこかで見たような安全でスカスカの番組作りを
するクリエイターがよろしいとされ続けている。
そういうのに番組作りを教わる若者が、将来「面白い」ものを
作ることが出来る可能性は非常に低い。
そこで、放送作家ですよ。
~最速で放送作家になる方法 最終編に続く。