超私的楽器論:トロンボーン 男性の声に一番近く殺傷能力の高い楽器

タイトル画像:トロンボーンのシンプルなイラスト

人間の歌声に1番近い、とも言われ、無段階調音も含めると、歌える楽器。

さらに、攻撃的な音から柔らかい音までカバーできる表現力で、中音の覇者として様々なジャンルで…的な。

人気もある楽器です。

構造としては、いろんな意味で原初的な発明がそのまま残り、これらの特性になった感じがします。

そんなトロンボーンのお話。

好きな楽器でした

色々あって、高校時代はユーフォニアムを吹いてました。

トロンボーンとユーフォニアムはかなりスタイルは違いますが、音域はほぼ同じ、マウスピースの大きさも同じ、楽譜の書き方も同じ。

という事で、少なくとも遊びで吹くのに苦労はなく楽しめます。

スライドのポジションが大変かなーと思ったら、ピストンを先に経験しておいたので合理的に覚えられます。なるほどこれがこれね、と対比させながら。

でも、ユーフォとは違う、トロンボーンの本職に要求される技術はまたその上にちゃんとありますので、あくまでも吹ける、というレベル。

スライドがやっぱり特徴

いちばんの特徴はスライド。思い出すのは、中学時代。

中1の同級生で、背の小さい子がいて、当然手も短く。

一番遠い7ポジションまで手が届かないので、紐を輪っかにしてそれを持ち、7ポジだけスライドから手を離すという荒技を使っていました。

幸いなことに成長期なのですぐにその仕組みは卒業。良かった良かった。

というように、楽器と身体的な特性は密接です。
ある種の筋肉運動の側面もあり、そんな記事もnoteに書いています。

下のリンク:楽器上達には筋トレ?という自分記事

このスライドの特性で、ユーフォ吹きが驚いたのが、高いGを出す時。当時、ユーフォでは1,2ピストンを押してましたが、ボーンは1ポジションの倍音を利用してた事。純粋な1ポジションだと音程が低め。なのでそれより少し高くしますが、これはスライドならでは、の調整法。

確かに移動距離は短くなるし、調整もできる。ピストンとは異なり、ポジションの微調整もすぐできます。

無段階で音程コントロールができるが故のワザをうまく使ってます。

ところで、無段階の調整、というところでは、純正律と平均律の話もしたくなりますが、これはまた別途やります。

集中的にやって分かったこと

学生時代は遊び程度だったけど、社会人になって構成上トロンボーン専任になりました。

いや、構成上って書くとそれなりですが、私を含めて3人。私以外の2人はトランペットとチューバ。それなら真ん中の音域の楽器をやるしかないではないですか!

理由はともかく。

集中的にやる事で、無段階と考えていたスライドと音の関係に別の特性を見つけました。ポジションの取り方と、その中間。うまく息を抜くと言いますか。 グリッサンドの手の動きに近いのに、ちゃんと音階を区切って出すワザ。

それまでは
・ポジション移動→固定→発音

慣れてきたら
・ポジション移動でここ!というところで発音

という、固定というプロセスを意識せずにふけるようになりました。

イメージとしては、音を当てられるようになった、という感じ。

そうなると速いパッセージも問題ありません。一気に表現力が上がった瞬間を味わえました。

職場を変わるまで数年間のトロンボーン吹き経験で、ここまでの感覚が得られたのは自分でも驚き。

環境変化で卒業

別の団体で遊ぶようになりましたが、そこはトロンボーン吹きのプロが居て、弟子たちにものすごい技量の軍団が。

そこに入るのはためらわれ、今は楽器も後輩に譲り、懐かしむだけ。

サックスや、コントラバスで参加しています。

ちなみに譲ったのはYAMAHAのプロモデルのテナートロンボーン。 何もギミックのないストレートなやつですが、割と思った音もストレートに出て楽しかった。

楽器としてのバリエーション

トロンボーンはあまり音程のバリエーションはポピュラーではなく、ギミックと管の太さで特性が分かれるところが不思議です。バストロンボーンとテナートロンボーン。名前を見ると担当音域が分かれるようですが、基本の音域は同じ。

そんな中で本当の意味で管長を変えた仲間というか親戚にあたる気がしてるのがチンバッソ、という楽器。

1オクターブ下で、チューバと音域は同じですが、管のカーブがトロンボーン的な、細い部分が長くて、急激にベルの手前で広がるテーパー。チューバはだんだん太くなります。

ネットによればチューバと同じ径のマウスピースを使う場合と、トロンボーン吹きが大きめのマウスピース使う場合とあるそうです。

結局どっちなんだ、そんでもってどこで使うんだ、という楽器ですが、こういう不器用な楽器は大好物。

ちなみに、1オクターブ下のトロンボーンを普通に作ると、ポジションの長さが2倍になり、中1の時の同級生はもちろん普通の人も手の長さが足りません。

そんなわけで、チンバッソはピストン。でも、管の膨らむ係数がユーフォとチューバとは異なり、トロンボーン的な絞り方により、 音はトロンボーン、ベルの向きもトロンボーン、でもピストン、では君は誰だ、という事です。 まあ、実際にはみた事も吹いた事もないんですが、チューバも吹いていたことがある自分としては気になる楽器です。


殺傷能力・・・

さて、最後に見方を変えて。 

突然ですが。

武器として見ると割と強い。相手との距離を保ったまま、鋭い攻撃が繰り出せる。マーチングでの練習での楽器の損傷や人間の損傷は大丈夫でしょうか。 編成上トロンボーンの前に座る連中はいつもビクビクしていたのかもしれません。

殺傷能力では、シンバルと並ぶ威力がありますが、シンバルは一発もの。常に携帯する武器としてはトロンボーンの勝ち!

今さらやるには

うまい連中の中に入ることは無謀。

今は、プラスチックの楽器がありますが、これがよくできてる。

画像1

画像:プラスチックトロンボーンの写真

買うならこれかなー、安いし。なんと15000円!

さて、年末に何書いてるんだろう、掃除掃除!



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にしけん
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