3分n本勝負。大学の講義もゲームのシナリオもNHK教育テレビから学んだ。
タイトル画像:NHKおかあさんといっしょ、の公式サイトのキャプチャ画面
今はEテレと言いますが、今日は「NHK教育テレビ」時代まで話はさかのぼるのです。
昔々ゲーム会社の現場で言われた「3分」
ゲームでユーザーがやらなくてはいけない動作は、もちろん楽しく遊んでいただくようには作ってますが、結構ひどいもんです。
だって、序盤で水色の弱いやつでめったに死ぬことは無いですが、100匹くらいこん棒で殴れ、という事を王様から命令されたりするんですよ。
ならば一発でやっつけられるカッコいい剣でも渡してくれればいいのに、こん棒です。金もたくさん渡してくれればいいのに、自分で稼げ、と。
結構個別にやってることを並べると、ひどいわけです。
その時に、先輩から言われたのは、一つの作業を続けてもらうのは3分に抑えろ、と。
3分とは、諸説ありますが
人が何かやらなくてはいけない、という時の集中できる時間の一つの単位が3分。
これは、昔シングルレコードが3分だった説がありますが、その時に聞いたのは「子供番組のシーン切り替わりの単位が3分」。
教育テレビ(当時)を見てみろ、と。場面転換は3分以内に来る、だから移り気な子供たちも座って見てられる、とのこと。だから、生産性のない作業を続けてもらう時、作業内容に集中してもらえるのも3分。
集中が切れたら何がゲームで起こるか、は結構切実です。「なんでこんな不毛な作業してるんだろ」などと、冷静になられたら、ファンタジーの世界から一気に現世に戻られてしまいます。
そうならないための3分一区切り。それを繋いでいく設計、というわけです。
ちなみに学術的な裏付けは分かりませんが、ボクシングのラウンド時間も含め、それほど使いにくい単位でもないので、いまだにサービス設計では指針にしてます。
3分ってどのくらい?
NHKのテレビだと、1分間に400文字くらいのペースのしゃべりです。3分なら原稿用紙3枚分。結構な情報量です。確かにそれ以上の時間がかかると、キャパオーバーしそう。
また、ラジオの番組で、耳から入る情報もやってましたが、これは1分間で300文字。ビジュアル情報が無い分、音だけで情報を伝え切るため、少しゆっくりです。これでも原稿用紙2枚以上。
3分あれば、ラーメンだって食べられるようになるわけですから、割と長いのです。
大学の講義も
教職経験がないくせに人気投票で上位をいただけたのは、この「3分で場面転換作戦」がうまく働いてたかもしれません。
とか書くと、戦略的に見えますが、そもそも自分が3分も喋れば飽きてしまうのです。なので、うまいタイミングで切り替えていくことに、勝手になってます。
果たしてnoteの文章はそうなっているのか!?
今、いきなり心配になりました。だらだら書いてるかも…
これは一般サービスにも共通
例えば、新規アカウントを作るサービスはたくさんあります。
名前から言語から住所からなんやらかんやら入れないといけないサービスの申し込み。
こちらも普通の速度で入力する想定で、3分を超えそうなら一旦セーブできるようにする、などにしてます。体感ですが。
窓口での必要事項の通達。書類の記入。色々な「単純作業」もこの単位で一息つけるようにすることで、ミスの確率も減り、リライトの手間も減らせます。
諸説あるけど信じます
そんな訳で、ゲーム、大学、一般サービスにも使えるこの3分。
自分では使っていくと思います。
さて、この文章読んでみると何分かかるのでしょうか。自分のことになると周りが見えなくなる悪い癖がありまして……