日本語を守ってるのはこの人たち!新聞の校閲という音声合成的に超仲良くしたいお仕事
タイトル画像:新聞の紙面写真のアップ
音声合成は、これまでも書いてきた通り、「標準的な日本語ルール」に基づいて文字をしゃべりに変換します。
ソースとなるテキストが、標準とされるルールで書かれていれば、固有名詞を除き、ほぼ意図通りに読んでくれますが、世の中のテキストデータは例外だらけ。
また、記号など、音読を想定してない記述も沢山あります。
そんな中で、新聞の文章はものすごい高い確率で意図通りの読みになります。
その秘密は、以下の記事に少しヒントが。
下のリンク:コトバのゲンバ(中日新聞校閲部)さんの記事
ハンドブックも大きな武器
日本語を守る人たちのよりどころとされてるものがハンドブック。
頭の中の知識だけではなく、ちゃんとよりどころを持って、どなたが対応しても同じ品質にできる秘密はこれですね。
共同通信発行のハンドブックとのこと。
誤字脱字修正だけじゃない
さらにコトバのゲンバさんのその他の記事も興味深く、ハンドブックで言葉を照らし合わせるだけでなく、様々な仕事が紹介されてます。
例えば、
・誤字の修正
は当たり前です。これが自分の思っていた「校閲」のイメージでした。これももちろん大変だし、やりがちだし、撲滅したい対象。
それだけではなく、文脈に応じた単語のセレクトにも目を光らせます。
・追求、追及、追究、の文脈から見た正しい単語の選択
なども。どんな時にこの三つが使い分けられるか?詳しくは辞書をご覧ください…となるところを、校閲をする方は、知識、経験、そしてハンドブック、もちろん辞書も駆使してしっかり確定していくのです。
自分の場合を想像すると、知識だけではスルーっとスルーしてしまうかも。
さらに、
・本文に書かれてない内容を見出しで表現してないか
なども校閲の対象。つまり、本文を読んで細かい内容のチェックをしないといけません。そこまで情報がないのに見出しでは断定してしまった!などがあってはいけない、というわけです。
思った以上に広く言葉を内容も込みで「正す」業務内容です。
この広い作業は、こちらの記事で詳しく書かれています。
言葉は日本そのもの
日本という国は、国土と人間と文化が合わさって形成されます。
その活動や、海外への情報発信は言葉。海外の言葉に翻訳が発生する場合がありますが、そもそもは日本語で考え日本語で表現をしっかりしたものが元になります。
全員無口な国では、考えも伝わりません。
言葉が存在をアウトプットする大事な手段なのです。
最近の若い人は
などという気持ちはありません。ピラミッド建設の頃の文書で「最近の若い人は」と書いてあったらしいし、平安文学でも「最近の若い人はいと悪し」みたいなことも書かれてるし。
まずここは治りません。
さらに言葉は変化する。
今の言葉をしっかり守ることは大事。変化は元になるものがあってその差分のこと。元がフラついてたら変化も分かりません。
そんなわけで、新聞と校閲という組み合わせは「日本語を守ってる」存在、と感じます。
そこから出てくる日本語。音声合成にそのまま使えるので本当にありがたい。
ビジネス的に良い組み合わせを模索していきます。