河村市長はどうすればカッコいい首長を演じられたのか?を考えたら過去の安倍首相を思い出した
タイトル画像:河村市長、で検索した画面のキャプチャー
かなり色々なところで議論を巻き起こしたメダル齧り事件。
自分は直後に出てきたアナグラムについて気になってしまって記事にしました。どうしても日本語を商売にしてるので、気になって。
もちろんアナグラムより事件についての方があれこれ考えたのですが、思いついたらそっちを書きたくなっちゃって。
今日は本質の方について。
事件については振り返るまでもなく
どこにも擁護するところはありません。本人、本人をサポートする体制を含めて、日本のダメなところがダダ漏れになってる印象です。
これについては、あまり書くのも当たり前の内容過ぎて、書く気も起こらない。
なので、少し変わった観点で書いてみます。
そもそもメダルは誰のもの
一義的には獲得した選手のものです。
でも、選手側も、インタビューなどでもたびたび表現するように、「支えてくれた人」「応援してくれた人」への感謝も表現するように、「1人のものでは無い」という、極めて他者を尊重する感覚も持っています。
画像:今回のメダル、銀、金、銅、の並びの写真
その流れで言えば、スポーツを自治体として支えてくれたから、ということでの表敬訪問だったのでしょう。
この時点で名古屋市長にお目通りするのはあり得る。
でも、どう考えてもその貢献割合は、本人9割、支えてくれた人100人で1割、って感覚は自分は持ってます。さらに、その中でも、コーチ、ライバル、トレーナーのような、本当に本人と二人三脚で歩んできた人の貢献度が高い。
つまり、河村市長の貢献割合、と考えれば、ごく僅かであることは間違いなさそうです。
その僅かな貢献度の場所に表敬訪問する理由
もちろん、拡散効果のある事象ですから、市長側は自分のアピール、自治体の協力が不可欠な競技も多いので競技者もさらなる支援を取り付ける、という、双方にメリットがあります。
この点でもこのイベントはあり得る。
まず、「行かなきゃ良いじゃ無いか」という意見はあまり主流にはならないと考えます。
この関係性での双方の振る舞いは正しかったか?
今回、競技者側の落ち度は特に無いと考えます。
と言いますか。
この戦いのため生活のほとんどを競技に捧げ、戦いを終えた選手に何かプロトコルを守ってもらうことは難しい。
素直な自分の感情を出して貰えば良いのです。
ただ、そんな事をこっちが心配するまでもなく、他者に対する感謝を先に表明するなどの振る舞いは皆さんしっかり幼い頃から共有されてるようです。
そうなると為政者側の対応がどうあるべきか。
当たり前ですが、炎上するなどはもってのほか。今回は最悪な事をしたのです。
では、訪問される側の最良の振る舞いはどう振る舞えば正解だったのでしょう?考えてみました。
最良の結果は「この首長は素晴らしい人」と思われること
まあ当たり前ですね。選挙で選ばれる立場の人。
その人が素晴らしい人、であり続けることは、選んだ人にもその選択の正しさを与え、今後も選ばれる確率が上がります。
そもそも、
・日本で大イベント
・自分はタイミング良く首長
・その自治体拠点の選手が金メダル
という滅多にない条件が重なったのです。こんなレア、自分が盛り上がるのは分かります。しかし、子供じゃないんだから、戦略的に考えよう、というわけです。
では、どうするか。
色々あると思います。社会人として当然の受け答えは大前提として。
まず、自分の欲望は抑えましょう。このレア状況、当然プラスにしたい。
次に、相手への尊敬を口にしましょう。これも社交辞令かもしれませんが、その後の行動がわかりやすくなります。
そして、流れで、金メダルを見てもいいよ、というタイミングが来ます。恐らく手に取っても良い、首にかけても良い、という状況が予想されます。
しかし!ここが肝心。一度は断りましょう。ここで一つ前の相手への尊敬の言葉が生きてきます。君が頑張ってとったものだ、自分は何をしたわけではない、自分はほんの少しだけはお役に立てたかもしれない、でも、金メダルを触れるほどじゃないんだ…という言葉を添えてもいいと思います。
できれば、そのまま突き進めましょう。本当はあんまり選手だって特定の政治家に触って欲しい場面なんてないのです。双方の想いはこれで一致します。
でも、選手によっては、特定の首長に本当に触って味わって欲しい人もいます。なので、再度勧めてくる場合もあります。それを断るのはこれも失礼に当たる。
そうしたら、部下に言って白い手袋を用意させましょう。選挙で使いますから、その辺にあっても不自然じゃありません。
そして、手袋を着用の上、丁寧に裏表、リボンを確認して、すぐに選手に返却。首にかけてはいけません。
その資格があるのは選手、選手が認める人のみ。もちろん、選手からどうしても、ということがあれば、これも一度は断り、それでも、となったら対応しても良い。
ここまで書きませんでしたが、かじってはいけません。
まとめると、
・欲望は抑える
・尊敬の念を表す
・申し出をありがたく辞退する
・自分はその立場にはないと言う
・できれば触らないで済ます
・もう一度勧められたら白い手袋着用で
・でも首にはかけない
・かじらない
これで、かなり好感度は上がる上に、選手からも尊敬されるでしょう。次の選挙の勝率もグッと上がります。
こんな事を考えたのは2002年
幸い、市長になったことはなく、こんな事態は自分では起こり得ないのですが、こんな事を最初に意識したのは2002の日韓W杯。
W杯の優勝トロフィーは、慣例として、優勝チーム、開催国の首長しか触れない、とされています。
開催年より前に、トロフィーがワールドツアーで日本に運ばれてきました。時の総理大臣、安倍さんが楽しそうに持ち上げた様子を覚えています。
この時、すでに自分はかなりのサッカー馬鹿者。Jリーグにどれだけリソースを突っ込んでいたか、計算もしたくありません。
そんな自分たちの国にワールドカップがやってくる。でも、なかなかチケットが手に入らないかもしれない事に焦ってた気がします。
言ってみれば、国内サッカー事情を一生懸命後押ししたのに、美味しいところは普段サッカーに興味ない人に持っていかれる感覚。
そこにこのトロフィーを持ち上げる映像。
もちろん「触っても良い」のです。でも、触らなくても良いのです。グッと堪えて「触らないカッコよさ」もあると思うのです。
ちなみに、河野大臣が総理大臣になっていて、このツアーが来たら、彼はもうかっこよさも戦略も無く、触りたい!が勝つでしょう。でも、それは許される背景があります。湘南ベルマーレの社長でもあったし、自らのツイートでもしばしばサッカー愛が漏れてきます。彼が触りたい理由は、外部にも理解されやすい。
その時、「時の首長にどうあってほしかったか」が、今回書いた事なのです。
触って良いと言われても、自分の立場や貢献度や相手への尊敬を加味して、「遠慮する」かっこよさ。格好だけじゃありません、そこに人間性を感じます。
少なくとも自分は金メダルもワールドカップ優勝トロフィーも恐れ多くて触れません。
まあ、まだ総理大臣にもなってないどころか、市長にもなってないので、そんな心配は無用なんですが…
もし、自分が首長のイメージアップ担当者なら、そのように進言します。
しかし、お役に立たない系の記事になってしまい、ここまでお付き合いいただいた方には申し訳ない気分です。ここまでついでに、コメントなどいただけますと助かります。