【発狂旅行記】富山編②:立山黒部アルペンルートⅠ
前置き
前回の記事
今回はこちらの記事の続きとなります。
富山には3泊4日と割と豪勢に行ってきましたが、今回の旅行のメインテーマというものを前回はお伝えしませんでした。ああいや、単純に書くのを忘れていただけです。とはいえ実はこの富山旅行、前回の記事(1日目)はまだ序章にすぎません。本番はこの2日目から始まります。
今回の旅のテーマは「交通と自然の調和」です。まあまだ何のこと言ってるか分からないでしょうが、一応覚えていただければなと思います。
それでは、あまり勿体ぶると、これから山登りをするにもかかわらずこの記事を読んでくれる人が右肩下がりになり海抜0メートルをはるかに下回ってしまいかねませんので、本編に参りましょう。
2日目
(1)今日からお世話になります、富山地方鉄道です
さてホテルで休息をとって、といいつつも旅行ハイというのは怖ろしいもので、深夜2時だか3時だかまでテレビでYouTube観てみたりアニメ観てたりしたもんですから、ほぼ寝不足で朝を迎えました。
今日お世話になる、というか今日から旅の終わりの終わりまでお世話になり続けるのはこちらの富山地方鉄道です。略して地鉄です。
マニアの方にはかなり人気のある鉄道会社のようです。関東関西の大手私鉄から譲り受けた古い車両を使っているからだとか。たしかに、私も見覚えのある京阪電車のダブルデッカーらしき奴もいた気がします。
逆に、東急からもらった地下鉄っぽいロングシートのやつは観光客殺しで体がしんどいことこの上なかったのですが、仕方ない。古いし。
それはさておき、電鉄富山駅(富山駅のお隣です)からこの地鉄に乗ってまずは立山駅を目指します。いよいよ立山黒部アルペンルートに向けた旅が始まるというわけです。
(2)地鉄電車の旅
富山駅を過ぎてものの10分程度でこちらの写真のような光景が広がります。田畑が広がる光景を見て、やっぱ富山ってマイカー必須のド田舎じゃねえかとお思いの方。まあお待ちを。富山はコンパクトシティ政策の成功事例として知られており、富山駅を中心として四方八方に路面電車が伸び、今の地鉄を含めてJR以外のローカル地方鉄道による交通網も発達しています。
富山のコンパクトシティの象徴は富山駅にあるでしょう。
見づらいかもしれませんが、これ、奥が路面電車のホームになっておりまして、新幹線ないし在来線を降りてすぐ路面電車に乗れるわけです。ほとんど新幹線と路面電車がダイレクトアクセスしているという、西九州新幹線のリレーかもめもびっくりのスムーズな乗り換えを実現しているわけです。正直敦賀の乗り換えより楽でしたよ。
富山って実は便利な場所なのではないかと思い始めるころには既に地鉄電車は田園地帯を抜け、山の奥深くを上り始めています。途中駅は一応ありますが乗り降りする人はほとんどおらず、我々はきさらぎ駅にでも来てしまったのかという気分にさせられます。
でも怖くありません。地鉄電車でこんな山深くまでくる人間は全員これからアルペンルートを登っていく観光客ですから、死ぬ時は一緒です。赤信号みんなで渡れば怖くないとはこのことです。電車の運転士さんは信号を守って安全運行に努めていることは申し添えておきましょう。
年季の入った地鉄の特急電車がカーブの連続を受けて大きく唸り声をあげながら約50分で終点、立山駅に到着します。景色を楽しんでいるとあっというまでした。
(3)立山黒部アルペンルートとは
さて、ここまでアルペンルートとは何たるかという説明をサボってきたため、私がバカの一つ覚えのようにアルペンアルペンと繰り返すさまをみて、こいつ本当はアルペンルート知らないんじゃないか疑惑が生じてくる頃かと思います。まあ無知の知って言いますし?勝手に言ってりゃいいですよ。
別に読者の皆様におかれては勝手にそう思ってくれてもかまわないのですが、それはそうと読者にGoogle検索を強いるのは本望ではありませんのでここで解説しておきます。
はい、こちらが広義のアルペンルートです。富山駅から様々な交通機関を使って山越えをし、最終的には長野駅にたどり着くという富山―長野間の理論上の最短距離です。とはいえ、見れば明らかですが、新幹線で行った方が快適かつ短時間で行けるでしょう。
では私のような異常成人男性を含めた世の観光客はここに何目当てで行くかというと、大きくは3つです。
1つ目が黒部ダム。これは説明するまでもないでしょうが、多分日本のダムの中で一番有名なダムでして、戦後日本の高度経済成長を電力供給面で支えた立役者です。難工事により200人が亡くなったことでも有名ですね。
2つ目が室堂と言いまして、標高2450mにあり、公共交通機関ではおそらく日本で行ける最も標高が高い場所になると思います。火山活動も未だ続いているので火山らしい地獄のような景色も見ることができます。あとめっちゃ涼しいです。
3つ目は交通機関そのもの。立山ケーブルカー、立山高原バス、立山トンネルトロリーバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカー。(電気バスは時間の都合上乗っていません。残念・・・)詳しくは後で説明しますが、いずれも非常に貴重な乗り物たちです。
(4)第一走者:立山ケーブルカー
まずは立山ケーブルカーに乗っていくことになります。実はここが一番のボトルネックだったりします。
というのも、上記の図をご覧頂ければ分かりますが、本日行く室堂にはこのケーブルカーと高原バスを乗り継ぐことになります。高原バスは予備がいくらでもあるのでツアー客が押し寄せようが柔軟に増発してくれる(ちなみに自家用車は入れません)んですが、ケーブルカーはあまり増発してくれないです(無いことは無いですが)。
という事情を下調べで把握していたので戦々恐々だったのですが、案外普通に乗れちゃいました。
混みそうな時期を外したことが大きいですが、今回使用しているきっぷが最強という面も大きいです。そのきっぷというのは「立山黒部アルペンきっぷ」なのですが、その詳細については別記事に譲ることにします。
ただし、中は常に満員電車で運行するので、その辺は覚悟した方がいいと思います。
ケーブルカーの見どころは(上りでは)進行方向左側に見える、こちらの「材木石」です。
この材木石、ご覧になるとお分かりのとおり変わった形をしていますよね。と言いますのも今登っている立山、れっきとした活火山でして、その溶岩がお漏らしされて冷え固まって柱状節理を形作っているんですよね。
柱状節理とか高3の地学基礎で聞いて以来でちょっとテンション上がりました。逆に地学選択じゃなければ割とどうでもいいかもしれません。
ケーブルカーに乗っている時間はものの10分です。降りると標高は1000m近くなっており、夏場でも涼しく感じるレベルになってきます。こういう天然の涼しさはヒートアイランド現象マシマシの大阪・京都では味わえないので、それだけでも来てよかったと思えます。
(4)第二走者:立山高原バス
ケーブルカーを降り、係員と掲示の案内に従って進めば高原バスの乗り場に着きます。注意点としては、「室堂直行便」と「弥陀ヶ原行」の二種類バスがあるので、そこを間違えないようにすることでしょうか。私が今回行くのは室堂ですので、もちろん室堂直行便に乗ります。
バスの中は観光バスの座席を思い起こしていただければよいと思いますが、どこに座るかというのが割と重要です。進行方向の右左で見られる景色が違うからです。
結論を端的に申し上げますと、行きに関しては進行方向左側一択です。以下でお見せする写真たちの景色が見えるのはいずれも左側です。
それでは既にバッテリーが「サービス」、最大容量が79%にまで低下してしまったおしまいさんのiPhone12で何とか撮影した写真をご覧いただければと思います。結構自信作(?)です。
他にも色々見どころはあるのですが、あまり全部見せてしまうともったいない気がするので残りは皆さんご自身の目でお確かめいただければ。
ちなみに、思った座席に座れず景色が全然見えない人や、私のようにゲームのし過ぎで絶賛視力が低下中の皆さんでも安心。バス内のモニターで紹介映像を流してくれます。
一応走行時間は50分程度、標高は一気に1500m以上登ることになるのですが、素晴らしい景色の連続で体感は本当に15分とかそこらでした。
スマホの電波は届きませんが、こればっかりはスマホで電子ドラッグ摂取するより外の景色見たほうがいいです。マジで。ゲーム中毒・アニメ依存症の私が言うので間違いありません。
(5)室堂に到着
というわけで室堂に無事到着です。
流石に寒いので上着は必須ですね。外国人観光客で半袖で飄々と歩いてる人はちらほらいましたが、あの人たちは何なんですかね。
とある番組で富士山に半袖で登頂しようとする中国人を止めようとするスタッフ、みたいなのを見たのですが、その時の中国人の返事が「いや地元の方が標高高いから(四川省)」だったんですよね。彼らもそうなのかも。
いやいや、だからといって上着が要らないとなるはずもありません。日本人でこんな標高高い所に住んでる人はいないですからね。そもそも日本最高峰の山でさえ、どうあがいてもせいぜい新高山3952m(戦前)なわけですから。というわけで私もジャケット着用でこの後はお送りします。
次回予告
ゲチエッジ観光地、決まる
※前回からめちゃめちゃ空いてスミマセン・・・
次の記事は気長にお待ちください・・・(次の旅行の下調べもしないとなので、また結構間隔が空きそうな気がします)