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デジタル暗号資産の現状と予測①

Bitcoinがコロナ渦での乱高下ののち、値を戻しつつある。金に変わる避難先としての存在感を増しつつあるが、Bitcoinの「何者にも裏打ちされない」という諸刃の刃は、例えば決済通貨として浸透しにくい所などに如実に表れているだろう。

代わりに求められているのがステーブルコインと言われる決済機能に特化した仮想通貨である。

仮想通貨が需要と供給で取引価格が決まるのに比べて、ステーブルコインはドルなどの基軸通貨に連動するように設計されている。そのため、Bitcoin以外の仮想通貨(いわゆるアルトコイン)の取引において重宝され、先日その取引価格が100億ドルを超えたことで話題になった。

それでもステーブルコインの時価総額は仮想通貨の市場の中でまだ数パーセントでしかない。しかもUSDのステーブルコイン Tether(テザー)がほとんどだ。

仮想通貨市場

実際、ステーブルコイン云々を抜いても、仮想通貨市場においてはBitcoinが実質一強であり、それにEthereum、XRPが続く。

上記表においてTetherは4位であるのは健闘していると言えるが、実際利用地域は限定的で、まだまだ成長の余地はあるだろう。

しかし、ステーブルコインの大本命とみなされるFACEBOOKのリブラや、デジタル人民元、デジタルユーロなどのCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の近い将来の登場によって、仮想通貨市場は大きく変動することが予想されている。

仮想通貨、ステーブルコイン、CBDCは日本の法律において「暗号資産」と呼ばれている。

これらは、Bitcoinを代表するブロックチェーンを利用したものとそうでないものに分かれる。例えば、IOTAのDAGなどが知られている。

各国も従来のブロックチェーンに限らない技術を研究しており、CBDCの発行自体はまだ明確な形が見えない段階であるとも言える。

しかし、CBDCの前段階であるとも言えるステーブルコインの台頭は、CBDCが近い将来主流になるだろうということは明白にしたとも考えられる。

CBDCは政治的な思惑が大きく、Bitcoinなどとは全く別物である。しかし、このCBDCの動きが金融取引市場の大きな変化の引き金になることは予想が付くことだろう。

CBDCは実際の生活にはゆっくり浸透していくだろう。最初に変化するのは銀行間取引などであると考えられている。そして、日常の買い物などもクレジットカードからCBDCによる決済、現金の消滅という将来が予測される。

次回、CBDCの登場がどのような未来をもたらすのかを検証していきたい。

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