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スネールの行方

今日は比較的、風が穏やかだったせいか、日中はメダカの日光浴を行う姿が見れた。

土地柄、少し風が強い場所で、鉢の水面は風でよく揺れている。そのため、メダカはホテイアオイの影に隠れて餌をもらう時だけ水面に上がってくる時も多かった。だから、水面の揺れが穏やかな日はこうして日光浴をしているメダカを見ると嬉しいのだ。
メダカも人間と同じで太陽光からビタミンDを生成する。そのため、日照不足だとビタミンD欠乏症になってしまうこともある。人間はバトミントン選手のように鮭を食べてビタミンDの不足を補うことも可能だが、メダカの鉢に鮭を突っ込む訳にもいかない。

今までは日焼けをしてしまうから、日焼け止めを塗ったり、UVカット加工がされたパーカーを着たりするほど、意図的に太陽光を避けていた。高校時代には、クラスメイトのほとんどが運動部だった為、夏休み明けに真っ白だった私を見て、サッカー部の男の子から「一人だけ死んでるかと思った」と言われるほどだった。

太陽光があることで人間やメダカ達がビタミンDを生成出来るほかにも、紫外線による殺菌効果もある。それによって病原菌の繁殖が抑えられるという点を考慮すると、自然はとても上手くできている。

おやつタイムにメダカの餌をあげた時、鉢の外に小さなスネールパイセンがいた。いつも水際から身体を出すか出さないか、ギリギリのラインにいる事も多く、何か誤って鉢の外に出てしまったのだろう。既に死んでしまっているのだろうが、恐る恐る外に出てしまったスネールパイセンを触ってみた。
貝の外から透明な中身が出ているようにも見えた。しかし、指先で少し触ってみると、中身が空洞で何もなくなっていた。そこには貝とその延長線上に透明な硬い膜のようなものだけがあったのだ。

中身はどこに行ってしまったのだろうか?ふと鉢の中を見ると、機敏に交尾をするスネールパイセン達がいる。これだけ中身が自由に動くのなら、中身だけ水辺に移動したのかも知れない。いや、もしかしたら溶けたのかも?中身がどこかに行った痕跡がないため、謎だけが深まる。
ふと、手塚治虫の『火の鳥』に出てくるナメクジが世界を支配するシーンを思い出した。もしかしたら、出ていった中の身体は何年後かに世界を支配する存在になっているかもしれない。

そんな妄想を出来るほど、私はお気楽な人間なのだなと感じると、今日の紅茶も美味しく感じる。生憎、天気が曇りである事が少し惜しい。

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