半年展 -2022 Spring- 2日目
会期前から降り続いていた雨がようやく収まり、いよいよ会場前の庭でもお茶を出せそうな様子になってきた。天気予報の気温とは違い、少し肌寒い気候に暖かい紅茶を用意する。
今朝、近くの畑を借りている男性が会場周辺の伸びきった雑草を草刈り機で刈ってくれた。刈ってくれたと言っても、かなりの範囲であった為、私たちも気持ちはあるものの、足がすくんでいた。そんな状況だからこそ、男性には本当に頭が上がらない。
綺麗に刈られた雑草の中からメダカが住んでいる鉢も顔をのぞかせる。無事に冬を越せた2匹のメダカは、最近あまり姿を見ていなかった。まじまじと鉢の中を観察していると、彼らの子どもらしき小さなメダカが何匹も泳いでいた。それは、思わず「わぁ~」と声が出てしまうほどに嬉しい光景だった。正直、冬越しで残った2匹のメダカが都合よくオスメスのペアである可能性もない事を考えていた為、夏までに全滅していたら、また新しいメダカでも入れるかぁ、とボンヤリ思っていたからだ。やっぱり生命って凄いなぁ~!と感心すると同時に、子どもメダカにも白っぽい色の子と黒っぽい色の子がいる事に気付く。恐らく親がミックス(雑種)のメダカだからであろうか?彼らの中でも、様々な遺伝子勾配があったのだろう。
嬉しいメダカの知らせにワクワクしながら、午前中はお庭で本を読みながら過ごした。会期二日目の日曜日。前回は会期中に土日が1回しかなかった関係か、土日はかなりお客さんが多かった。そう考えると、かなりのんびりした日曜日だった。(単純に広報不足だった可能性も否めないが)
お昼時の時間。食堂のお客さんが何組かやって来る。若いカップル(ご夫妻?)は作品以上に会場全体の建物に夢中だった。
そこに同じ集落でアトリエを持っている仏師さんがやって来た。以前の半年展の話をした時に、「えー、今度やる時はまた教えてくださいー」と言われたのだ。その人とは、普段からお話しする機会が多いのだが、仏師さんである以上に人としての立ち振る舞いの誠実さにいつも尊敬させられる人だった。こんなピヨピヨアーティストの展示もわざわざ見に来て頂けるなんて…。そう思うと本当に有難いし、自分が成長してもこんな大人でありたいと思える人であった。
同じ時間帯に地元の農家さんもやって来た。こちらは素敵なお母さまも連れての来場だった。引きが強い、と言えば良いのだろうか?気のせいかもしれないが、私がコンビニなどでお会計をしようとする時、今までなかった会計待ちの列が急に出来たり、私が入る時は人がまばらだった飲食店も、気付けば人がどんどん入って満席状態になっていることがよくある。会期中も例外ではなく、知り合いやお客さんが来たと思った瞬間に、他のお客さんが何人もやって来る瞬間はあった。展示スペースである部屋の中には3人の人が作品を見ている状態だった。三者三様の行動に、少し私自身がソワソワしながらも、上に飾った言葉が、通り抜ける風に揺られて、風鈴のように動く様子が美しくて見とれていた。
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