愛しのバベイオモイド神さま💕【12/13】 「西田少女地獄【3】」
■2005年・14歳
■2005年10月4日(晴れ)~10月8日(曇り)
(編注)この間、日記中断。
■2005年10月9日(晴れ)
日記さん、こんばんわ。
ええっと……どこまで書いたんだっけ……
あ、そうそう、イバラキがあたしを部屋に入れてくれたとこまで書いたんでしたっけね。
イバラキの部屋は、これまた何のへんてつもない質素な、しけたワンルームでした。
隅っこにふとんがきちんと畳んで置いてあり、けっこうまめに掃除もしているみたいで、部屋はきれいです。
生活感がとぼしすぎるんじゃないかとおもえるくらい……
彼の部屋は地味このうえないものでした。
カレンダーだけが壁に掛かっていましたが、それはたぶん、近所の酒屋さんかなんかからもらってきたものなのでしょう。
つまらない書画の入った、ほんとうにどうでもいいカレンダーで、そこには上手いんだか下手なんだかわからない字でこう書いてありました。
“ちいさい秋
ちいさい秋
ちいさい秋
見つけた”
なんてアホらしいんでしょう。
あたしはかなり気分をそがれていましたが……とにかく、ここまで来たのです。
ここまで来るまでに8年間。
それに、おしりの穴までささげてここまで来たんです。
あたしは部屋の中央で正座しているイバラキと、向き合う形で正座して……
この6年間、ずっとイバラキにぶつけることを夢見てきた質問を、次々にぶつけました。
「あの遺薔薇鬼屠死夫って、むつかしいお名前はどこから思いついたんですか?」
「…………なんなく…………てきとうに」
「人を殺したときの感じって、どんな感じですか?」
「…………覚えてない」
「なんで殺した子どもの首を切り取ったんですか?」
「…………なんとなく」
「世間をあっと言わせたかったからですか?」
「…………それもあるね」
「首を切り落とすのは、たいへんでしたか?」
「…………まあね」
「首を切り落とした後、全身に血をぬりたくったって本当ですか?」
「…………ああ」
「その時、どんな気分がしましたか?」
「…………べつに。忘れた」
「その後、射精(きゃっ)しちゃった、っていうのもほんとうですかあ?(えへ)」
「…………」
質問をひとつ重ねるたびに、あたしの失望は確信にかたちをかえていきました。
あたしははじめ、イバラキはあたしの質問に答えたくないから、こんな生返事をしているのではないかと思いました。
たぶん、それもあったでしょう。
でも、こんな風に質問をくりかえしていくうちに……気づいたのです。
この人には、答えたくても…………答える言葉がないんだ。
もともとこの人のなかは……あの事件を起こした14歳のときから、からっぽだったんだ。
その失望はあたしの中で黒い雨雲のようにどんどん広がっていき……
いつの間にか、あたしは泣きそうになっていました。
イバラキは青ざめた顔でうつむいたまま、あたしの質問にポツリ、ポツリとてきとうな生返事を返すばかりです。
いったい、あたしの6年間はなんだったんだ。
あたし、バカ?
自分のこと「ほかの子とはちがう」と思ってたけど、ただのバカだったの?
だってこいつ、スカスカ野郎じゃん?
そのためにあたし、クラスの変態オタクにお尻、犯されたの?
そのためにあたし、おこづかいはたいて黒い高めのエッチなブラとパンツ、買ったの?
あたしは、無性に悲しくなりました。
「じゃあ、最後の質問です…………今でも………バベイオモイド神様を信じていますか?」
気がつくと部屋は真っ暗になっていました。
その真っ暗な闇だけが……
あたしの思い描いていたとおりで、そのことがあたしを悲しくさせました。
「………………………」
イバラキはしばらく黙っていましたが………やがて小さな声で言いました
「…………あれは、子どもを殺しちゃってから、その後ででっち上げたんだ」
「…………えっ?」
「殺人の2年前…………12歳の頃から日記をつけていた、なんて警察に言ったけど、ウソだよ」
「……………………そんな………………」
あたしは喉がからからに乾くのがわかりました。
「…………ぼくは…………未だになんであの子どもを殺しちゃったのかわからない。なんでその首を切ったのかもわからない。なんでその血を体にぬりたくったのかもわからない。そのとき、射精したのもほんとうだけど、なんでそうなったのかもわからない…………なんで、遺薔薇屠死夫なんて名前をひねりだしたのかもわからない。なんであんな挑戦状を書いたのかもわからない………ただわかるのは、あの子どもを殺しちゃってから、警察に捕まるのが、とっても恐かった、ってことだけだ……」
「こっ……こわ、………かった?」
あまり予想外、というか期待はずれと言っちゃうにはその程度でもない、深い絶望があたしを包み込みました。
もうすっかり暗くなっていたしけた部屋が一瞬、さらに一段階、暗くなったように感じたくらいです。
「………ああ……それまでの14年の人生で、あんなに恐かったときはもうない。ぼくは、つかまった時のために、いろいろと手を考えた……あの時点ではまだ中学生で、僕の犯した罪が法律では問えないことなんて……知っちゃいなかった。いや、そんな法律らしいものがあるのは知ってたけど……あれだけのことをすれば、いくら14歳とはいえ、死刑になると本気で思ってたんだ……だから……捕まったときのことを考えて、あの………何だっけ? バモイ……?」
「バベイオモイド神」
あたしは言いなおしました。
その時には、完全に涙声になっていました。
「……そう、そのバベイオモイド神、なんてでたらめの神様をでっち上げて、12歳から日記をつけているみたいに微妙に字を変えながら、あの2年分の日記を3日徹夜で書き上げたんだ……捕まったときに、精神鑑定で異常って判断されたら、さすがに死刑になることはない、なんて思ってね…………」
「…………………………」
あたしは自分の視界が、ゆっくりと回っているのに気づきました。
まるで真っ暗な遊園地で、コーヒーカップに乗っているような気分です。
「…………ちなみにこの話をするのは、君で8人目だ」
イバラキは言いました。
「は、8人目?」
「…………これまでに、君みたいにここを訪ねてきた人は、これまでに7人居た。みんな、いったいどこから僕の居所をつきとめたのか知らないけど………やってきては、君と同じことを聞くんだ。ええと………その、なんだったかな? ……バモイ……」
「バベイオモイド神」
あたしは泣きながら、また言いなおしました。
「そう、その、バベイオモイド神を、今でも信じてるか? ってね…………僕は…………その人たちみんなに、正直にほんとうのことを話した…………みんな、がっかりして帰っていったよ………そろそろここから引っ越そうかと思ってるんだけど………保護監察中の身分だからね…………」
あたしは泣きました……声を出して。
うえええええええん……うえん、うえんって……子どもだったときみたいに。
いや、まだ子どもですけれども。
てか、ほんとうに小さかった頃にも、こんなふうに子どもみたいに泣いたことはなかったかも。
自分が可愛そうに思えて思えて、仕方がありませんでした。
突然、あたしはヤケになりました。
「うえええええええーんっ!!!」
そして、自分の白いブラウスの前をひっつかむと、左右に開きました。
ボタンが飛び散ります。
「なっ……!? き、君?」
「うるせえっ!!」
そして、イバラキに飛びかかりました。
あわてて立ち上がろうとするイバラキを引き倒します。
そして、ズボンのジッパーを降ろして、中からイバラキのアレを引きずり出しました。
ホーケー、っていうんですか? ……よくわかりませんが、それでした。
「何をするんだっ!!!! やめなさいっっ!!!」
イバラキが叫びました。
あたしはいばらきのアレを一気に口に含みました。
そして、めっちゃくちゃに舌を使います。
生まれてはじめてのことでしたので、ちゃんと出来たかどうかはわかりません。
本能のおもむくままに、舌を使って、頭をがくんがくんいわせながら、アレをしゃぶりまくりました。
ぺちゃぺちゃといやらしい音がしました。
あふれ出てくるよだれが、口のはしからあふれました。
あたしはめちゃくちゃ乱暴で暴力的で、いかがわしいことを続けました。
イバラキは必死にあたしを引き離そうとする素振りを見せていましたが、それが本気ではないことくらい、あたしにもわかりました。
気持ちいいのでしょう。
体はしょうじきです。
イバラキのアレはあたしの口の中でだんだん固くなっていきました。
なに反省したフリしてんだよ。
と、あたしはその行為を続けながら思いました。
こうやって、中学生の女の子にしゃぶられたら、ちゃんと固くなってんじゃねえかよ。
反省したフリして、善人面してんじゃねーよ、この猟奇殺人鬼が。
あたしはそう思いながらがんがん固くなるイバラキのアレをしゃぶり続けました。
「やっ……や、やめなさいっ!」
「うっ……う、うるはいっ!」
アレから口を離します。
なんとまあ、びんびんじゃねえかよこの変態。
子ども殺して、首切り落として、血を身体に塗りたくらなくても、ふつうに勃起すんじゃねえかよ。
「やっ、やめるんだっ! こ、こんなことっ……や、やめろっ!」
ビンビンのイバラキが叫びます。
そして、あたしをどん、と押しました。
勢いで、あたしは畳のうえに、仰向けに倒れました。
スカートがめくれます。
黒いパンツがむき出しになります。
エッチな本性を清楚な服で隠した魔性のしょうじょを狙って、買ったパンツです。
思い出しただけで、もう舌をかみ切ってしまいたくなります。
ほんとうに、めちゃくちゃ恥ずかしい。
あたりまえですが、そのときのあたしに恥ずかしさなんて、みじんもありませんでした。
とにかく、怒り狂っていたので。
「ほら、見ろよっ! このクソ変態のどちんけな、人殺し野郎っ!」
あたしは、大股を開いてイバラキにパンツを見せつけました。
「や、やめなさいっ! そんなことしちゃいけないっ!」
イバラキが大げさに顔を背けて、さらに目を両手で隠しながら後じさります。
ズボンの前からマヌケに突き出ているアレは、まだビンビン状態です。
人殺しのクズ野郎のくせに、ほんと、しらじらしい態度です。
あたしはイバラキをにらみつけながら、叫びました。
「なにイイ人ぶってんだよっ! てめえ、ガキの殺して首切り落として、全身に血をぬりたくって、そのあとシャセーした、クソ鬼畜な人殺し野郎じゃねえかよっ! ほら、見ろよっ!」
そう言って、あたしは両手を使って一気にパンツを引きずりおろし、あとは足で踏みおろしました。
足首からパンツを抜くと、それをどこかに蹴とばします。
「なっ……! な、なにをするんだっ! や、止めるんだっ!」
とか言いつつ、イバラキは指のすきまから、しっかりあたしの下半身を見ています。
指の隙間から見える目が、血走って飛び出しています。
ふん、やっぱり。
テメエが世間を震撼させた、元・未成年の猟奇殺人犯だって?
笑わせるよね。
ど・こ・が・だ・よ。
ただの男じゃねえか。
あんたの住所を教えることを条件に、あたしのお尻をおもいっきり犯した、ちんけな殺人鬼オタクでネット中毒の柳川。
あのカス。
あいつとイバラキ、なーんも変わらないじゃん?
「ほら、見ろよ。イバラキ。日本で最年少、最凶最悪の殺人鬼さんよお……見ろよ。ほら。見ろってのっ!!」
そう言ってあたしは、さらに大きく脚を開きました。
それだけじゃありません。
そのときには、アップにまとめてていた髪が、ほどけていました。
あたしは顔にかかった顔にかかった前髪を掻き上げると、なめあげるようにイバラキを見上げました。
そして、唇をなめました。
そういう仕草は、本能的なものだったのでしょうか。
いや、あたしは人間です。
本能なんかで動いてはいません。
考えて、そうしたんです。
さらに、あたしは両手の指を使って、●●●●(編注:自主規制)を左右に広げました。
ええもう、ぱっくりと。
おもいっきり開いて、その中身を見せつけました。
「なっ……! な、なにをしてるんだっ! き、君はっ!」
「なにをしてるんだ、ってテメエ、てめえが想像してるとおりのことをするんだよっ! ……ほら、見ろよ。見せてやるよっ! テメエ、ずっと医療刑務所に入ってて、その調子じゃ童貞なんだろうがっ! こんなの、直接見たことねえんだろ?」
「や、やっ……やめなさいっ!」
と、いいながら、やはりギンギンのイバラキ。
この野郎、どこまでフツウの男なんだ、ってますますイラつきました。
あたしは、そのまま……人差し指を舌で舐めて……●●●●(編注:自主規制)をいじくりました。
9歳のときからつづけてるあのいけない遊びを、イバラキの前で。
「うっ……くっ、んんっ! ……ほ、ほら、クソ人殺し野郎っ! ガキ1人殺していい気になってたカス野郎っ……んんっ……ど、どうだよっ…………めっ……目の前で見るっ……じょ、女子中学生のっ……な、生●●●●(編注:自主規制)はよおお? ………うっ……くうっ!」
あたしは、さらに●●●●(編注:自主規制)をこすり立てました。
さらに、左手の中指を、ゆっくり、ゆっくりと……●●●●(編注:自主規制)
とってもなかが熱くなっていて、すっごく濡れていて……
こんな状況でなんであたし、こんなになってんだ、と思うと、ますます自分がアホに思えてきました。
もう、やけくそです。
「あっ……ああっ……ほら、見ろよっ。見てみろよっ……な、何の価値もないカスのてめえのまえで、女子中学生の女の子が、おっ……お、お、●●●●(編注:自主規制)までっ……ひ、披露してんだぜええ……ほら、クズ野郎。カス野郎。能無し野郎。ハッタリだけの見掛け倒し野郎っ! コンプレックスの塊の●●●●(編注:自主規制)野郎っ! どーなんだよっ? ……ひっ……ひ、人殺ししか能がねーのかよっ????」
そう言って、あたしはなぜか……
すでに柳川に責められ済みだった、おしりの穴にも指を伸ばしていました。
「や、やめなさい……そ、そんなこと、やめるんだ……」
「てめえがしたことは何だよっ? ……あっ……あ、あ、あたしが今、てめーの前でやってることよりっ……は、恥さらしじゃねー、ってのかよ? ほ、ほら、見ろよっ………て、てめえの前でイッてやるっ……!!」
そうしてあたしたは腰を突き上げ、あそことお尻の穴を同時に攻め立てました。
ブリッジするような姿勢で。
腰を振りたくって。
ここだけの話ですけど、これまで生まれてきたなかで一番、気持ちのいい瞬間でした。
「あっ……い、いくっ……も、もうすぐっ……い、いくっ…………「」
「頼むからそんなことはやめてくれ! 頼むからっ!」
「じゃあテメエ、あたしを殺せよっ!」
あたしは自分で自分にとどめを刺すように……
腰を振りたくって、指であそことお尻でいじめまくりました。
ブリッジの姿勢から、なんとか膝立ちの姿勢に立ち上がり……またイバラキを睨みつけます。
「やめるんだっっ!!!!」
イッちゃうまであと一歩、というとこだったでしょうか。
イバラキが、あたしをまた突き飛ばしました。
アレをズボンにしまわずに、バラキが闇の中に立ち、肩で息をしています。
蹴倒されたまましばらく、イバラキのアレを見ていました。
アレは、みるみるしぼんでいきました。
枯れていく花を、高速撮影した映像を見ているよう。
「こんなこと……やめるんだ」イバラキは言いました「………君にはまだわからないかも知れないけど………人生はとても美しいんだよ。ほんとうなんだ。もっと大切で、壊れやすくて、美しいんだ……上手く言えないけど…………」
じ、人生は美しい…………?
……………はあ?
あたしは返す言葉もありませんでした。
そしてアレを出したままつっ立っているイバラキをそのまま残して……ひとりで部屋を出ました。
帰りの電車の中で、あたしはずっと泣いていました。
泣いていたことしか覚えていません。
気がつくと、家についていました。
破いたブラウスのままでどうやって帰ってきたのか、あまりはっきり覚えていません。
そういえばイバラキの部屋にパンツを忘れてきたので、帰り道じゅう、ずっとノーパンでした。
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