職業病
早いもので今日から10月である。
この前コンビニでバイト中にふと思ったのだが、もしかしたら僕はとんでもない期間コンビニで働いているかもしれない。
今のコンビニは約2年半なのだが、その前、遡れば学生時代から僕は長らくコンビニでバイトをしているのだ。
自分で言うのも何だが、移りゆくコンビニをずっと見てきた生き字引と言っても過言ではない。
というわけで今までの年数を計算してみた。
ファミマ半年+サークルKサンクス3年半+ローソン1年+ローソン2ヶ月(どうしてもシフトが合わず退職)+セブンイレブン2年半←now
うん。
わしどんだけコンビニ好きやねん。
コンビニでバイトし過ぎやろ。
合計7年半以上やっとるやないか。
ちなみにここには書いてないけど、生活彩家っていうコンビニでも一瞬だけ働いてた事あるしな。
「君はお笑いで舞台に立ってるらしいな。ただな!俺の舞台はここ(コンビニ)や!!!」ていきなり言うてくる激ヤバなおじさんバイトと揉めてすぐ辞めたけども。
もう10年以上前やけど、何やったんやあいつ。
とにかくこうやって振り返ってみると、なかなかの期間様々なコンビニを渡り歩いてきているのだ。
いっその事、ミニストップやNewDaysでもバイトして全コンビニ制覇してもいいかもしれない。
ただ、これだけやっているといわゆる職業病が出てくるのである。
それは何かと言うと、、、
「いらっしゃいませ病」である。
いらっしゃいませを言い過ぎて、バイト中以外でもいらっしゃいませが出てしまうのだ。
言わば小学校で女性の先生の事をお母さんと呼んでしまうやつのいらっしゃいませ版である。
一番危ないのは、自分がお客さんとしてコンビニにいる時である。
店員A「いらっしゃいませー!」
店員B「いらっしゃいませー!」
にっしゃん「いらっしゃいませー!」
つられて復唱してしまうのだ。
店員さんからすれば驚愕だろう。
いきなり私服の太ったおじさんが乱入してくるのだ。
こんな奇妙な事態はない。
復唱してしまった後、急いで咳払いをして誤魔化そうとするのだが、時すでに遅しである。
慣れた口調でハッキリと「いらっしゃいませ」と言っているので、咳払いとかいうレベルではないのだ。
このようにたまにいらっしゃいませの誤射をしてしまうのだが、この前お笑いのライブに出た時、痛恨のやつをやってしまった。
その日は中野の芸小でライブ。
17時半から受付で、そこまでは手前の通路にみんなで待機している状態だった。
出演者達は到着するたびに「おはようございます!」と他のメンバーに挨拶をする。
僕は恥ずかしながら結構な芸歴なので、大体が後輩にあたるのだが、挨拶が聞こえるたび「おはようございます!」としっかり返していた。
売れてないくせに態度がでかくてふてぶてしい先輩と思われたくないのだ。
そんな中、またもや新たな後輩の方が到着し、みんなに「おはようございます!」と挨拶をした。
他の後輩達もそれに反応する。
後輩A「おはようございます!」
後輩B「おはようございます!」
にっしゃん「いらっしゃいませー!」
後輩C「おはようございます!」
変なん混ざっとる。
その場にいた人全員が思っただろう。
「いらっしゃいませ!?」と。
僕は内心いらっしゃいませ言うてもうた!!と爆焦りしながら、表面上は冷静を装っていた。
こういう時、下手に動くのが一番よくない。
電車の中などで間違って屁をこいてしまった時と一緒である。
微動だにせず、全く何も起こっていない顔をするのが最も効果的なのだ。
僕はキリッとした表情をしながら凛とした姿で佇んだ。
周りの後輩達は思っただろう。
「この人、さっきいらっしゃいませって言ったよな?いらっしゃいませって何!?お笑いの世界にいらっしゃいませって事!?やとしたらヤバ!!え、てか、何でこんな凛としてんの!?いらっしゃいませ言うてからこの人何で凛としてんの!?何なんこの人!?」
僕はしばらくの間、凛とし続けた。
こうして僕は恐怖のいらっしゃいませ兄さんになってしまった。
周りに話せる後輩がいれば良かったのだが、不幸にもその時は誰もいなかったのである。
だから凛として佇むしかなかったのだ。
この様にいらっしゃいませはいつ出てしまうか分からない。
なかなか厄介な職業病である。
それもこれも長くバイトをし過ぎているのだ。
大学から社会人というコースの人を元にすると、その人の4、5倍はバイトしてしまっているのだ。
そりゃ何かしら体に起こっても不思議ではない。
とにかく今思う事は一つだけである。
一刻も早くバイトを辞めれる様になりたい。
ただそれだけである。