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【コラム】暮らしに寄りそう仏教の言葉③「塵積もりて」
私たちの暮らしの中には、実はたくさんの仏教用語が溶け込んでいます。
その言葉たちの本来の意味を紐解いていきましょう。
今回ご紹介する言葉は「塵積もりて(ちりつもりて)」です。たとえ、塵のように小さなものでも時間をかけて積み重なっていけば、いづれは大きなものになる。日頃の些細な行動も、時間をかけて継続すると大きな成果を得られるかもしれませんよ。
わずかな物でも、積もり重なれば、高く大きなものになることのたとえなのですが、『広辞苑』によると、これは『(※)大智度論(だいちどろん)』という仏典に基づく、とあります。
そこで、その仏典を見ますと、「微塵(みじん)を積みて山と成す」とありました。
仏典では、物質をもっとも微細に分割したものを「極微(ごくみ)」といいます。(中略)その一極微を中心に、上下四方八方に極微が集合した一団を「微塵」といいます。目に見える最小の物質ともいいましょうか。「微塵(みじん)切り」「木っ端(こっぱ)微塵」という、あの微塵です。
そんな小さな微塵も、積もれば山となるのです。
※大智度論(だいちどろん):大乗仏教の百科全種のような書
<お坊さんから一言>
西本願寺では、毎年12月20日に阿弥陀堂・御影堂で「御煤払(おすすはらい)」を行います。たまった埃をはたき出し、埃や塵が舞う様子を見ると、「1年でこんなにもたまっていたのだ」と思い知らされます。
御煤払にご参加いただく皆さまのおかげで御堂がきれいになり、スッキリとした気持ちで新年を迎えられることは大変有り難いことです。
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▼「御煤払」についての記事はこちらをご一読ください。