子どもの成長±2 ~能力を伸ばすことよりも重要なこと~
人間は、生まれたときから遺伝によって、ほぼ決められたように発達していく。
それに少しの環境要因が加わって、もともと10あった遺伝の要素の±2くらいの変化量しかないぐらいじゃないかと思う。
もともとが8の人間がいきなり15の能力をもつことなんて奇跡以外の何ものでもない。
ぼくが、プロのピアニストなんて無理だし、スポーツ選手も無理だし、総理大臣にだってなれない。
そう。
そんなこと分かっている。
分かっているんだけど、
それを、肯定してしまったら、
教師の仕事ってなんなんだ
頑張っても無駄じゃないかって思う。
だって、能力伸ばしてやりたいって思うから。
それが、難しいなら……
なら、教師の仕事って何だろう。
ぼくは、いかに、意欲を掻き立てるか。
好きなものや価値のあるものに気づかせられるか。
あなたには、こんな優れた部分があって、これはちょっと苦手だよって気づかせられるか。
つまり、意欲と適性かなと思っている。
ぼくは、子どもに幸せになってほしいと思っている。
自分に自信をもって、誇りをもって生きてほしいと思っている。
能力を伸ばすことも±2で重要だけど、もともとの母数が高いものは何かに気づかせてやりたい。
そしたら、人生うまく生きられるのかな。
そして、ぼくたち大人も子どもに無理に押し付けて、追い詰めてしまうことがなくなるんじゃないかと思う。