狗のワルツ

煙草の吸殻にまだうっすらと火が点っていた

「私たちの心みたい」と思ってしまうのは口に出せずに

ただ君の横髪を見つめることも出来ずに

不確かな空虚をまさぐる 嘘みたいな三日月だけ


僕の好み、声や表情、仕草まで。手に取るようにどんなシーンになるか全部わかってるんでしょ?

計算通りの夕暮れの公園

僕は君の狗

抱きしめられた夢の香り、キスをされた現実の味

全部全部私の思い通り

簡単に誘われて簡単に求めて

でも、上手くいかない

私は君の狗

君の手のひらで踊っているの 踊らされているの?

その手を繋ぐことは もう 一度だってないのね

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